土萠ほたる
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天真爛漫な性格だが、幼くして一般相対性理論を理解する天才的な頭脳と太陽系を高速シミュレートする能力を見せる。ネヘレニアに地場衛を連れ去られたちびうさと再会するが、衛にかけられた呪いでちびムーンが生まれる未来が消えかけてしまう。サイレンス・グレイブをネヘレニアに振りかざそうとするが、ほたるの消滅を恐れたちびムーンに阻止された。ネヘレニアに鏡の中に封印されてちびムーンの消滅を見るが、エターナルセーラームーンと共鳴して呪いを吹き飛ばした。

『セーラースターズ』終盤では、他の外部戦士と共にギャラクシアと対決して敗北する。「配下にならないか」というギャラクシアの誘いを拒み、ギャラクシアに下った芝居をしたウラヌスとネプチューンにスターシードを抜かれて消滅したが、心を取り戻したギャラクシアにスターシードを返された。

テレビアニメ『S』から『SuperS』までの間を舞台にしたスーパーファミコン用ソフト『ANOTHER STORY』では赤子の姿で登場するが、原作同様にはるか・みちる・せつなに育てられている。ヘル・デスティニーが運命を変えようとしていることを察知して、一時的に12歳の姿に急成長してセーラーサターンに変身し、セーラームーンとちびムーン達に同行する。ヘル・デスティニーに運命を変えられてミストレス9に戻ってしまい、ミストレス9とほたるの間で不安定になるがセーラームーンの「幻の銀水晶」の光でほたるに固定され、ゲルマトイドに寄生された創一を助けようとする。ヘル・デスティニーとの闘いが終わると、ちびうさと別れて赤子に戻ってはるか、みちる、せつなに連れ帰られた。
セーラーサターン

土星守護星に持つ破滅と誕生の戦士、または沈黙の戦士。その使命は世界の滅亡が避けられない時に目覚め、死の女神の鎌「沈黙の鎌(サイレンス・グレイブ)」を振り下ろして世界を破壊し、自らの命と引き換えに新たな世界を創造すること。シルバー・ミレニアム滅亡の時に外部太陽系三戦士の前に現れた。

コスチュームの色は青紫色。リボンの色はレッドブラウン。ティアラの宝石は紫色(テレビアニメでは白)だが、白い結晶[注釈 3]のブローチとチョーカーを着用。他のセーラー戦士とまったく違う姿を持ち、花びらに似た肩のフリル、先を尖らせた手袋を装備。外部太陽系三戦士と同じ無地の襟、銀の三角錐を下げた金の惑星のピアス、編み上げのロングブーツも着用する。

沈黙の鎌(サイレンス・グレイブ)は死神の鎌のような巨大な鎌で、白い刃[注釈 4]と黒い柄を持つ。異名は「死の女神の鎌」。この世の凡て(すべて)の生と死を司り、沈黙の鎌が振り下ろされる時に世界は崩壊する。「鎌」ではあるが「グレイブ」の名前のように、農耕用の大鎌よりも戦鎌薙刀に近く、サターンの守護星マーク「?」のような形を持つ。

第三期終盤でミストレス9に魂を奪われたちびうさを救って覚醒。旧作テレビアニメでセーラー戦士で唯一変身シーンがなく、新作の劇場版『Eternal』で初披露した[注釈 5]
原作、新作アニメ

「幻の銀水晶」の守り手の最期を感知した外部太陽系三戦士のタリスマンの共鳴で目覚める。原作第三部と『Crystal』の決め台詞は「破滅の星!土星を守護にもつ沈黙の戦士!セーラーサターン!」。『Eternal』の名乗りシーンの背景は土星と紫と白の薔薇の花。異名は「死への案内人」「破滅の神」「死の淵よりの使者」。ほたるの心の奥底に眠ったまま火災で命を終えるはずが、土萠教授の歪んだ心に呼ばれた異界の悪にショックを与えられ、決められた運命の通りに力を集結させたTOKIOの街で目覚めた。死の女神らしく超然としているが冷酷ではなく、もう一人のメシアでもある。無限三角洲を「オメガ・エリア」にした負のエネルギーはサターンから生まれたものらしく[注釈 6]、幻の銀水晶の守り手であるスーパーセーラームーンに後を託してタウ星系とファラオ90の最期を導きに去った。
旧作テレビアニメ

旧作テレビアニメと『Eternal』の決め台詞は「沈黙の星・土星を守護に持つ 破滅と誕生の戦士セーラーサターン!」。他のセーラー戦士よりも戦闘経験は少ないが、秘めた実力は相当なものを持っている[1]。ちびうさと土萠教授を想うほたるの意思によって覚醒、自らの体に巣食うミストレス9を滅ぼす。伝説の聖杯の力を吸収してセーラームーンを弾き返したファラオ90の内部に侵入し、命と引き換えに滅びの力をファラオ90に行使するが、ピュアな心の力を使ったスーパーセーラームーンの力で赤子に再生した。
ミュージカル

バンダイ版のミュージカルでは、『SuperS 夢戦士?愛・永遠に』に第四部の敵デッド・ムーンに操られた記憶喪失の少女として初登場し、改訂版で変身してセーラー戦士の仲間になった。『セーラースターズ』では「デスリボーンレボリューション」をセーラームーンに力を注ぐ技として使用。『かぐや島伝説』では宝探しツアーで行った無人島・かぐや島の意志の依り代にされる。「時空の扉」を突破した強敵が現れると復活し、その前は変身不能という設定も登場した。
備考
原作初期設定ではコスチュームの色が黄土色に設定され、ドルイドの杖で魔術を操るとされた[2]。死神の鎌によく似た死の女神の鎌こと「沈黙の鎌」は、原作にも登場した死神のタロットカードの正位置(破滅と終焉)と逆位置(再生)の意味に似た性質を持つ。死の女神といえばギリシャ神話のヘカテーセレーネアルテミスに次ぐ月の女神でもあり、浄化・贖罪・出産を司る。土星の英名サターンの由来はローマの農耕神サトゥルヌス(ギリシャの農耕神クロノスと同一神[注釈 7])。太陽から遠い土星は運行が遅いので年老いた神の名前をつけられた。また、西洋占星術の3つのリリスの一つ・小惑星リリスの由来となった音楽家リリ・ブーランジェは夭折の天才少女だった。西洋占星術の「破壊と再生の星」は冥界の神ハデスプルートに由来する冥王星で、土星は「長い忍耐と努力を要する試練を与えて何かを果たさせる星」なので「セーラーサターンとセーラープルートは逆であるべき」と指摘される。ただし、「トランスサタニアン」の天王星・海王星・冥王星発見前の古典占星術では最果ての星の土星が不幸を呼ぶ大凶星だった。インド占星術と絡みつくインド神話の土星の神は、閻魔大王のもとになった死と審判の神ヤマの弟シャニ。シャニは英雄クリシュナの化身だが、見たものを破壊する呪いを持つ不幸の神であるため、ヒンドゥー教の土星は困難を司る凶星。さらに土星と縁深いヒンドゥーの破壊と再生の神シヴァの役目は「終わりの近い世界を滅ぼして新たな秩序を持つ世界を創造すること」[注釈 8]。いずれも本作のセーラーサターンのイメージに通じる部分がある。
パワーアップ形態
スーパーセーラーサターン(原作第四部、テレビアニメ『スターズ』、『Eternal』)
転生したほたるが再びサターンの意思に目覚めた姿。外部太陽系三戦士に新たな力を授けた。コスチュームも他のセーラー戦士と統一され、肩のプロテクター、襟の線、星のチョーカー、ハートのブローチ(原作・テレビアニメでは紫、『Eternal』では薄紫)を追加した。
原作
第四部でプリンセスとプリンスの危機と操られたセーラーカルテットの存在を感知し、セーラーちびムーンと共に戦うために覚醒した。「デスリボーンレボリューション」は使わなくなるが、自らの体を滅ぼすことなくパワーを使う。「サターン・クリスタル」の力で変身する。
テレビアニメ
『スターズ』でセーラームーンの真の姿を告げる為に覚醒した。転生前よりも小柄だが、パワーは数倍に跳ね上がっている
[3]。ボスの攻撃を相殺する力を持つが、沈黙の鎌を弾き飛ばされて戦闘不能に陥ってしまうパターンが多い。
プリンセス・サターン(原作第四部、『Eternal』)
新しい聖杯の誕生で変身した土星のプリンセスの姿。土星に「タイタン・キャッスル」という城を持つ。プルートとお揃いのシックなマーメイドドレスと長い手袋を着用。スカートの切れ込みにシースルーの飾り布(『Eternal』ではマント風)を飾っている。ドレスの肩紐はプルートよりも少ない1本組。
エターナルセーラーサターン(原作第五部、『Eternal』)
聖杯に太陽系のプリンセスの城のエナジーを集めて変身した最終形態。宝石類は紫の星型に統一。エターナルセーラームーンのように肩の透明なペールカラーの球体、紫とペールカラーの二重スカート、腰の紐リボン、白いロングブーツを着用する。
アイテム
アミュレット(原作第三部、『Crystal』)
ほたるが創一にもらった水晶のペンダントで、これを握ると発作が収まる。母も持っていた一族代々の品。実は小型の「タイオロン・クリスタル」。
マニキュア(セガサターン版対戦格闘ゲーム、劇場版『Eternal』)
サターンの爪のマニキュア。テレビアニメ版のティアラと同じ白い色だが、イメージカラーの紫色に光る。
サターン・クリスタル(原作第四部、『Eternal』)
過去の自分を鏡に映して再覚醒したほたるが手に入れた、ハートの形の聖なる宝石。カラーは紫。サターンのセーラークリスタルで、スーパー形態とエターナル形態の変身アイテム。
変身呪文
サターン・プラネットパワー!メイクアップ!(ゲーム「ANOTHER STORY」、セガサターン版対戦格闘ゲーム)

ゲーム
セガサターン版で短縮版が登場。守護星マークを回し、第一期のセーラームーンのようにマニキュアを光らせる。変身完了後は髪をなびかせて天を仰ぎ、静かに目を開けると沈黙の鎌を抱えてくるりと回り、守護星マークを背景にポーズを決める。
サターン・クリスタルパワー!メイクアップ!(原作第四部、『Eternal』)
スーパーセーラーサターンの変身呪文。通常のセーラーサターンの変身呪文は存在しない。
原作
手をかかげて呪文を叫び、胸の中のサターン・クリスタルを光らせて変身する。
『Eternal』
守護星マークを額に光らせ、マニキュアを塗って叫ぶ。膝を抱えた姿勢からくるりと回ってティアラをつける動作はオリジナルで、変身完了から決めポーズまでの動作はセガサターン版から流用。変身完了すると土星と守護星マークの前でポーズを決める。
セーラーサターンの必殺技
死世界変革(デス・リボーン・レボリューション)
[注釈 9](原作第三部、『Crystal』)

原作
世界を破滅させる禁断の技。かかげた沈黙の鎌にとてつもなく長いエナジーのリボンを絡ませ、そのリボンに埋もれて沈黙の鎌を振り下ろすと、巨大な負のエネルギーを解放する。一つの世界、即ち星系一つを破壊するほどのパワーを持つ。
ゲーム
スーパーファミコン版の対戦格闘ゲームでは、沈黙の鎌から発生した強力な衝撃波を地面に走らせて相手に大ダメージを与える技。プレイステーション版とセガサターン版の対戦格闘ゲームでは、赤紫色のオーラを浴びた沈黙の鎌を高く掲げて一回転させた後、沈黙の鎌を振り上げる攻撃。『ANOTHER STORY』ではくるりと回って沈黙の鎌を振り下ろし、とてつもなく長い金のリボンを出す。敵全体にダメージを与え、しかも威力は強い[4]
『Crystal』
青紫に光るエナジーのリボンを沈黙の鎌に絡ませ、エナジーの柱を登らせて敵のパワーを吸収すると、沈黙の鎌を振り下ろしてリボンを解放する。


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