土星
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北極の六角形の雲北極の六角形の雲。ボイジャー1号が発見し、2006年にカッシーニによって初めて確認された。(2012年11月27日撮影)土星の南極(南極側には六角形の雲は無い)土星の北極(赤外線アニメーション)詳細は「土星の六角形」を参照

土星大気には、北緯78度付近で北極を取り囲む固定的な六角形の波紋があり、ボイジャーが撮影した画像から発見された[46][47]。しかし強いジェット気流の存在が示唆される南極側には、極渦も六角形の波も無いことがハッブル宇宙望遠鏡の観測から明らかになっている[48]。2006年11月にNASAは、カッシーニが南極に明らかな台風の目を持つハリケーンのような嵐が固着している事を発見したと伝えた[49][50]。地球以外の太陽系天体で、雲がつくる台風の目が発見されたのは初めてだった。例えば、木星の大赤斑には台風の目に相当するものが無い事は、探査機ガリレオが撮影した画像からも明らかになっている[51]

北極の六角形構造は、直線部の一辺が地球の直径を越える長さ約13,800kmである[52]

構造全体は、放射磁気と同期すると考えられる土星の内部部分が自転する周期と同じ速度に当る10時間39分24秒で回転している[53]。この六角形構造の動きは、大気中に視認できる雲と違い、経度に沿ったものではない[54]

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}このような構造がなぜ出来上がったかについて様々な憶測がある。ほとんどの天文学者は、大気中にいくつかの定在波パターンが生じた結果というが、ある種のオーロラと考える者もいる[要出典]。実験では、流体の差動回転から多角形構造を再現した例もある[55]
磁気圏ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、昼夜平分時頃の土星の紫外線観測イメージ。両極にオーロラが見える。ハッブル望遠鏡の宇宙望遠鏡 撮像分光器 (STIS) による紫外線画像と、掃天観測用高性能カメラ (ACS) による可視光画像を統合し、土星南極のオーロラを明らかにした画像。

土星は磁気双極子という単純な対称形をした固有磁場を持つ。赤道付近での強度は0.2ガウス(20マイクロテスラ)であり、木星磁場の約1/20、地球磁場よりも若干弱い[8]。その結果として、土星の磁気圏は木星よりも非常に小さい[56]。ボイジャー2号が磁気圏に突入した際、内部の太陽風は依然として強く、磁気圏の大きさは土星半径の19倍(110万km)の広がりしか持っていなかった[57]。その時は、数時間後には膨張を見せたが、結局たった3日でまた元に戻った[58]。磁気圏は木星と同じく内部に液状の金属水素の層が存在し、ダイナモ効果によって発生している可能性が高い[56]。この磁気圏は太陽風を逸らす効果を持つ。磁気圏の外を公転する衛星のタイタンの大気から供給されるイオン化された粒子は磁気圏内でプラズマ化し[8]、極地で地球のようなオーロラを発生させる[59]
自転と公転

太陽から土星までの平均距離は1.4×109kmである。公転速度は平均9.69km/秒[16]であり地球の10,759(約29.5)で太陽のまわりを一周する[60][16]。公転軌道は楕円で、地球の公転面から2.48° 傾いている[16]軌道離心率は0.056 であり、近日点遠日点では土星?太陽間の距離は約1億5500万kmの差が生じる[16]

外観上の自転速度は、木星と同じく、緯度によって異なった回転周期を持つ領域として観察される。システムIは赤道域を含む領域で、一周が10時間14分00秒(844.3度/地球日)である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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