先進国では、現地の子どもたちを支援するための、現地支部としての事務所は設置されない。その代わりに、上述のヨーロッパ事務所や東京事務所など、現地の政府からの支援を募ったり、今後の計画を決めるための事務所がユニセフ本部としていくつか設置されているほかに、現地の民間人からの支援を募る「ユニセフ国内委員会」が民間団体(NGO)として各国に設置されている[8]。
ユニセフ国内委員会は「ユニセフ(国際連合児童基金)」の組織の一部とされているが、あくまで国連機関であるUNICEF本体とは協力協定を結んでいるだけで、全く別の民間団体(NGO)として、各国内で取りまとめた支援をUNICEF本体に送ったりする活動を通じて、途上国におけるUNICEF本体の活動を支えているのが、UNICEFの組織の特徴である[9]。 ユニセフ国内委員会は先進国36ヶ国と地域に存在し[10][9]、国際連合機関であるユニセフと協力協定を結び[10][9]、各国における民間協力の窓口[4]となっている。各国国内法に基づき、非政府組織として設置されている[10][9]。 最初の国内委員会は1947年に設置されたアメリカ合衆国委員会である。アジアでは2016年時点で日本・韓国・香港の3つの国と地域にユニセフ国内委員会が設置され[8]、民間からの支援を募っている。日本では財団法人日本ユニセフ協会が該当する[4]。 民間部門であるユニセフ各国委員会からの資金が、ユニセフ本部の財政の約30%を支えており、ユニセフ本部への政府機関からの資金が約60%であるのと比較しても、国内委員会の役割は小さくない[11]。なおユニセフ本部との協力規定により、募金事業、グリーティングカード事業の収入の最大25%、及び会員の会費・補助金・雑収入を協会の活動経費としての留保が認められている[12]。 UNICEF国内委員会はあくまで民間からの支援を担当しており、政府機関からの支援はUNICEF本部が対応している。日本・韓国の2国では、政府機関からの支援は、UNICEF本部の一つであるユニセフ東京事務所が担当している。ユニセフ東京事務所はユニセフ韓国委員会やユニセフ日本委員会と密接な協力関係にあることが明記されているが[10]、あくまでユニセフ韓国委員会とユニセフ日本委員会はユニセフ東京事務所の下部組織ではなく、またユニセフ東アジア・太平洋諸国地域事務所の下部組織でもない。 なお、マルタやリヒテンシュタイン公国など、国連に加盟していながらユニセフ支部とユニセフ国内委員会が両方とも存在しない国がいくつかある。 ユニセフ本部への拠出額は、2020年度は3億1,900万米ドルと、世界で一番大きい[11]。 日本がまだUNICEF本部から支援を受ける立場だった1955年に「日本ユニセフ協会」が設立[13]。1956年の日本の国際連合への加盟承認を経て、1977年にUNICEF本部から「ユニセフ日本委員会」として正式に承認され、支援する立場になった。日本におけるユニセフ国内委員会として、主に民間からの募金を行っている。日本政府との交渉はユニセフ東京事務所が行っている[4]が、公式twitterをユニセフ東京事務所と日本ユニセフ協会が共同で運営しているなど、民間への啓発活動は共同で行っている。 日本ユニセフ協会からユニセフ本部への拠出額は、2020年度は1億8,000万米ドルで、世界34か国のなかでは2番目に大きい国内委員会である[11]。 主な業務は次のとおり。 1994年に設立。韓国におけるユニセフ国内委員会として[14]、主に民間からの募金を行っている。韓国政府との交渉はユニセフ東京事務所が行っている[7]。 ユニセフ韓国委員会からユネスコ本部への拠出額は、2015年度は93,932,000ドルで、世界34か国のなかでは3番目に大きい国内委員会である[11]。国民ひとりあたりでは2.75米ドルで、16位である。
ユニセフ国内委員会
ユニセフアメリカ合衆国委員会
ユニセフ日本委員会(日本ユニセフ協会)詳細は「日本ユニセフ協会」を参照
ユニセフの基本方針の提唱[4]
開発途上国の子どもの人権状況とユニセフ援助事業の理解促進[4]
ユニセフ援助事業を支援するための募金、グリーティングカード事業[4]
グリーティングカード事業はユニセフとは無関係に行っていると思われがちだが、正式に委託されて発送されている。無論、日本以外でも行われている。
ユニセフ韓国委員会
ユニセフ香港委員会1947年 - 1965年アメリカ
2ヘンリー・ラブイス
Henry Labouisse
3ジェームス・グラント
James Grant