国際海洋法裁判所
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^ 争訟の場合は「付託」、暫定措置命令の場合は「要請」、勧告的意見の場合は「要請」と表現される
^ 事件番号3の訴訟と事件番号4の訴訟は1つに併合された

裁判官

裁判官は、海洋法条約の締約国会合において選挙され、裁判所の構成員となる常任の裁判官と、個別の事件ごとにその事件のためだけに選出される特任裁判官に分けれられる。(以下、単に裁判官というときは常任の裁判官を指す。)裁判官の定数は21名で、裁判の定足数は11人である。任期は9年間で、3年に一度、員数の3分の1ずつが改選される。締約国会合における選挙の当選には締約国の過半数で、かつ、会合に出席し投票した国の3分の2以上の得票が必要で、当選者が決定しない場合、決定するまで何度も投票が行われる。なお、裁判官は地域的・文化的に均衡が取れているように配慮された議席配分がなされている。裁判官の任期中は外交官と同様の特権及び免除を有する。

3年ごとに選挙が行われると、その度ごとに裁判所は裁判官の中から「裁判所長」と「裁判所次長」を選出する。したがって、裁判官としての任期は9年だが、裁判所長と裁判所次長の職務の任期は3年である。裁判所長は裁判所のすべての会合を主催し、裁判所を対外的に代表する。裁判所長が所長としての職務をできないときは裁判所次長が代行する。海底紛争裁判部の構成員は3年ごとに行われる選挙の後に裁判官の中から11名が裁判所に選定される。海底紛争裁判部の構成員としての任期は裁判官としての任期が終わるまで続く。海底紛争裁判部の裁判部長は海底紛争裁判部の構成員の投票によって選出される。

簡易手続裁判部は裁判所長、裁判所次長と3名の裁判官の計5名の裁判官で構成される。また、2人の予備裁判官もあらかじめ選出される。常設特別裁判部は裁判所長の判断により、裁判官の構成や人数などが決定される。特別裁判部は訴訟の当事者の意向に基づき裁判官の構成などを決定する。特別裁判部の裁判部長は、裁判所長が構成員の場合は裁判所長が務め、裁判所長が構成員でなく裁判所次長が構成員の場合は裁判所次長が務め、裁判所長も裁判所次長も構成員でない場合は構成員の中から裁判部長を選出する。
特任裁判官

A国とB国が訴訟をする際に、裁判官にA国の国籍を有する者がいて、B国の国籍を有する者がいない場合は、B国はその事件のみに参加することができる特任裁判官を1人指定することができる。また、A国の国籍を有する裁判官もB国の国籍を有する裁判官もいない場合は、A国とB国がそれぞれ1人ずつ特任裁判官を指定することができる。ただし指定する特任裁判官は必ずしも自国の国籍を有する者でなくともよい。例えば、B国はC国の国籍を有する者を特任裁判官に指定することができる。特任裁判官は常任の裁判官と完全に平等に裁判に参加することができる。
歴代の裁判所長

代数氏名国籍就任退任
初代トーマス・メンサ
ガーナ1996年1999年
2代目パティバンドラ・チャンドラセカラ・ラオ インド1999年2002年
3代目ドリバー・ネルソン グレナダ2002年2005年
4代目リュディガー・ウォルフラム ドイツ2005年2008年
5代目ホセ・ルイス・ヘスス カーボベルデ2008年2011年
6代目柳井俊二 日本2011年2014年
7代目ウラジミール・ゴリツィン ロシア2014年2017年
8代目白珍鉉 韓国2017年2020年
9代目アルバート・ホフマン 南アフリカ共和国2020年現職

歴代の裁判所次長

代数氏名国籍就任退任
初代リュディガー・ウォルフラム
ドイツ1996年1999年
2代目ドリバー・ネルソン グレナダ1999年2002年
3代目ブディスラフ・ブーカス クロアチア2002年2005年
4代目ジョセフ・アクル レバノン2005年2008年
5代目ヘルムート・ターク オーストリア2008年2011年
6代目アルバート・ホフマン 南アフリカ共和国2011年2014年
7代目ブアレム・ボウゲチア アルジェリア2014年2017年
8代目デイビッド・ジョセフ・アタード マルタ2017年2020年
9代目トーマス・ハイダール アイスランド2020年現職

歴代の裁判官一覧

選挙で選出された裁判官のみを記載し、特任裁判官は対象外とする。現職の裁判官は氏名を太字で示す。また、任期の途中で死亡した裁判官については、死亡した年を退任した年とみなす。

氏名国籍就任退任備考
ジョセフ・アクル
レバノン1996年2017年2005年-2008年に裁判所次長を務めた。
デイビッド・アンダーソン イギリス1996年2005年-
デイビッド・ジョセフ・アタード マルタ2011年現職2017年-2020年に裁判所次長を務めた。
レノックス・フィッツロイ・バラフ トリニダード・トバゴ2002年2003年任期の途中で死亡した。
ポール・バメラ・エンゴ カメルーン1996年2008年任期の途中で死亡した。
ブアレム・ブゲテイア アルジェリア2008年現職2014年-2017年に裁判所次長を務めた。海底紛争裁判部のメンバー。
キャシー=アン・ブラウン ジャマイカ2020年現職-
オスカル・カベヨ・サルビー パラグアイ2017年現職-
ウゴ・カミノス アルゼンチン1996年2011年-
アントニオ・カチャプス・デ・メデイロス ブラジル2016年2016年任期の途中で死亡した。
イダ・カラッチョロ イタリア2020年現職-


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