国際司法裁判所
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オランダハーグに本部を置く[4]。本部はオランダ政府より提供された宮殿を使用しており、その宮殿は「平和宮 (Vredespaleis)」と呼ばれている[12]

裁判官は、国籍の違う9年任期の裁判官15人で構成される(規程3条)。徳望が高く、かつ各国で最高の裁判官に任ぜられるのに必要な資格を有する者、もしくは、国際法に有能で名のある法律家の中から、各国が候補者を指名して選挙によって選ばれる(規程2条)[13]。選挙は、候補者の名簿から安全保障理事会および総会でそれぞれ別個に選挙して行う。裁判官には双方で絶対多数を得た者が選ばれる(規程8条ほか)。所長の任期は3年。裁判官は自国を代表するとはみなされておらず、独立した裁判官とされている[13]

この司法裁判所の長は、所長もしくは裁判長[14]とも翻訳されている。この所長選挙は、15人の判事による互選方式で実施される。2009年から2012年まで小和田恆が日本人として初めて所長を務めた[15][16]。2018年選出の所長はアブドゥルカウィ・アハメド・ユスフ[17]。2021年選出はジョアン・ドノヒュー(英語版)[18]、2024年選出はナワーフ・サラーム(英語版)[19]となっている。

裁判官は、裁判所の事務に従事する間は外交官としての外交特権が認められる(外交関係に関するウィーン条約参照)。
裁判官「裁判官 (国際司法裁判所)」も参照

慣行でアジアから3人、アフリカから3人、中南米から2人、東欧から2人、北米西欧・その他から5人が選ばれていた。また、この15人の中には国連安保理常任理事国5か国の判事が一人ずつ含まれていた[20]。しかし、2018年の選挙で、英国出身の判事の後任にレバノン出身の判事が選挙されたため、西欧ほか4名、アジア4名となるとともに常任理事国5か国の判事が1人ずつ含まれる慣行も消滅した。判事の年収は約1600万円。
現職

現職の裁判官(2024年4月現在)[21]氏名国籍地域役職着任任期満了
ナワーフ・サラーム(英語版) レバノンアジア裁判長20182027
ジュリア・セブティンデ(英語版) ウガンダアフリカ副裁判長20122030
ペーテル・トムカ スロバキア東欧判事20032030
ロニー・アブラハム(英語版) フランス北米・西欧 ・他判事20052027
アブドゥルカウィ・アハメド・ユスフ ソマリアアフリカ判事20092027
薛捍勤(シュエ・ハンチン)(英語版) 中華人民共和国アジア判事20102030
ダルヴィール・バンダーリ(英語版) インドアジア判事20122027
岩沢雄司 日本アジア判事20182030
ゲオルク・ノルテ(英語版) ドイツ北米・西欧 ・他判事20212030
ヒラリー・チャールズワース(英語版) オーストラリア北米・西欧 ・他判事20212033
レオナルド・ネメール・カルデイラ・ブラント(英語版) ブラジル中南米判事20222027
フアン・マヌエル・ゴメス・ロブレロ(スペイン語版) メキシコ中南米判事20232032
セーラ・ハル・クリーブランド(英語版) アメリカ合衆国北米・西欧 ・他判事20242033
ダイア・トラディ(英語版) 南アフリカ共和国アフリカ判事20242033



過去の日本人判事

田中耕太郎 (1961年 - 1970年)[22]

小田滋 (1976年 - 2003年)[22]

小和田恆 (2003年[22] - 2018年[23])

歴代所長(裁判長)

代所長[24]就任退任国
1ホセ・グスタボ・ゲレーロ(英語版)19461949 エルサルバドル
2ジュール・バスデヴァン(英語版)19491952 フランス
3アーノルド・マクネア(英語版)19521955 イギリス
4グリーン・ハックワース19551958 アメリカ
5ヘルゲ・クレスタッド(英語版)19581961 ノルウェー
6ボフダン・ヴィニャルスキ(英語版)19611964 ポーランド
7パーシー・スペンダー(英語版)19641967 オーストラリア
8ホセ・ルイス・ブスタマンテ・イ・リベロ(英語版)19671970 ペルー
9ムハンマド・ザファルーラッハ・ハン(英語版)19701973 パキスタン
10マンフレッド・ラクス(英語版)19731976 ポーランド
11エドゥアルド・ヒメネス・デ・アレチャガ(英語版)19761979 ウルグアイ
12ハンフリー・ウォルドック(英語版)19791981 イギリス
13タスリム・エリアス(英語版)19821985 ナイジェリア
14ナゲンドラ・シン(英語版)19851988 インド
15ホセ・マリア・ルーダ(英語版)19881991 アルゼンチン
16ロバート・ジェニングス(英語版)19911994 イギリス
17モハメッド・ベジャウイ(英語版)19941997 アルジェリア
18ステファン・シュウェーベル(英語版)19972000 アメリカ
19ジルベール・ギョーム(英語版)20002003 フランス
20史久(英語版)20032006 中国
21ロザリン・ヒギンズ(英語版)20062009 イギリス
22小和田恆20092012 日本
23ペーテル・トムカ20122015 スロバキア
24ロニー・アブラハム(英語版)20152018 フランス
25アブドゥルカウィ・アハメド・ユスフ20182021 ソマリア
26ジョアン・ドノヒュー(英語版)20212024 アメリカ
27ナワーフ・サラーム(英語版)20242027 レバノン

裁判
準則

国際司法裁判所規程38条1項は、「裁判所は、付託される紛争を国際法に従って裁判することを任務とし、次のものを適用する」と規定する。すなわち、ICJが紛争の平和的解決のために適用するのは国際法である。


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