国際労働機関
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-2012年フアン・ソマビア(英語版)チリ弁護士、外交官、国連経済社会理事会国連安全保障理事会、世界社会開発サミット準備委員会、
2012年
-2022年ガイ・ライダー(英語版)イギリス政治学者イギリス労働組合会議国際自由労働組合総連盟、国際商業事務専門職技術労働組合連盟
2022年10月1日
-ジルベール・ウングボ(英語版)トーゴ政治家(元首相)、外交官、国際農業開発基金代表

機能
国際労働条約詳細は「en:List of International Labour Organization Conventions」を参照

ILO総会で採択される条約を国際労働条約(ILO Conventions)という[9]。それを批准した国だけしか拘束しない。しかし、採択時に反対した加盟国も、条約を自国で批准権限を持つ機関(日本では国会)に提出しなければならない。ILOには190の条約(うち撤回・廃止11、棚上げ19)[10]と206の勧告(うち撤回36、置き換え22)[11]がある(2023年1月現在)。

設立以来、具体的な国際労働基準の制定を進めてきており、近年では、男女の雇用均等同一労働同一賃金の徹底、強制労働児童労働の撲滅、移民労働者や家庭内労働者の権利にも力を注いでいる。

Fundamental convention(中核的労働基準)[12][13]

29号条約 (強制労働に関する条約) - 日本は批准している。

87号条約(結社の自由及び団結権の保護に関する条約) - 日本は批准している。

98号条約(団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約) - 日本は批准している。

100号条約(同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約)- 日本は批准している。

105号条約(強制労働の廃止に関する条約)- 日本は2022年7月19日に批准[14]

111号条約(雇用及び職業についての差別待遇に関する条約

138号条約(就業が認められるための最低年齢に関する条約) - 日本は批准している。

155号条約(職業上の安全及び健康に関する条約)

182号条約(最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約) - 日本は批准している。

187号条約(職業上の安全及び健康促進枠組条約) - 日本は批准している。

その他

1号条約(工業的企業に於ける労働時間を1日8時間かつ1週48時間に制限する条約)- 八時間労働制

14号条約(工業的企業に於ける週休の適用に関する条約)- 週休1日制

30号条約(商業及び事務所における労働時間の規律に関する条約))- 八時間労働制

52号条約(年次有給休暇に関する条約(英語版)) - 年次有給休暇

102号条約(社会保障の最低基準に関する条約(英語版)) - ユニバーサルヘルスケア、傷病給付、失業給付、老齢給付、業務災害給付を規定。日本は批准している。

128号条約(障害、老齢及び遺族給付に関する条約(英語版))- 年金#給付事項を規定。

158号条約(1982年の雇用終了条約) - 解雇の要件と予告期間を定める。

159号条約(障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約) - 日本は批准している。

181号条約(1997年の民間職業仲介事業所条約) - 職業紹介事業。日本は批准している。

183号条約(1952年の母性保護条約に関する改正条約)- 母性保護、産前産後休業

日本は、50の条約を批准している[9] が、これは全条約のうち約4分の1、ヨーロッパ諸国のおよそ半分またはそれ以下である(例、ドイツ83、イギリス86、スウェーデン92、フィンランド98、オランダ106、ノルウェー107、フランス123、スペイン133)。一方、アメリカカナダ韓国などは日本よりも批准数が少ない。
勧告

勧告(Recommendation)は、条約と異なり拘束力はなく、批准の対象にはならない[9]
日本との関係

日本は設立時から参加しており国際会議には政府・使用者・労働者(松岡駒吉他)のそれぞれ代表を送っている。1938年に脱退し、サンフランシスコ講和条約調印の1951年にILOへの復帰を果たした。

1922年以来、脱退・再加盟を経て1954年から常任理事国を務めている。1975年からは政府、労働者、使用者の三者すべてが常任理事となっており、理事会における議席を占めているものの国内では、派遣業界がILO勧告を守らないなどといった例も数多く見られる。これに対し拠出金や人的協力においては非常に協力的でありILO側からも高く評価されている。
日本の主な未批准条約

ILOが採択した184条約(失効5条約を除く)のうち、日本が批准しているのは48条約で、全体のおよそ四分の一にあたる。以下は日本の主な未批准条約;

1号条約(
一日8時間・週48時間制)、47号(週40時間制)、132号(年次有給休暇)、140号(有給教育休暇)などの労働時間・休暇関係の条約。

1998年のILO新宣言(労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言)で「最優先条約」とされた8条約のうち、111号(雇用及び職業についての差別待遇に関する条約)。

3号(母性保護)、 94号(公契約における労働条項)、95号(賃金保護)、97号(移民労働者)、103号(母性保護、改正)、148号(作業環境)、149号(看護職員)、151号(公務労働者)、154号(団体交渉) 、155号(労働安全衛生)、157号(社会保障の権利維持)、158号(使用者の発意による雇用の終了)、171号(夜業)、173号(労働者債権の保護)、174号(大規模産業災害防止)、175号(パートタイム労働)、177号(在宅形態の労働)、183号(母性保護)など。

日本では特に、労働時間関連[注 1]、母性保護関係[注 2]、雇用形態についての条約批准に消極的である傾向がうかがえる。連合全労連など、日本の労働団体はこれら未批准の条約の早期批准を求めている[15][16]


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