国際刑事警察機構
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年に1,000件を越える捜査依頼があり、2008年時点では約6,000人の手配者を追跡していた。
歴史

1923年、国際刑事警察委員会(ICPC)として創設された[2]。はじめ本部はオーストリアウィーンに存在した[7]が、1938年アンシュルスナチス・ドイツによるオーストリア併合)後には本部がベルリンに移され、以降は第二次世界大戦でのドイツの敗戦までICPCは、ゲシュタポの下部組織にすぎなかった。ラインハルト・ハイドリヒアルトゥール・ネーベエルンスト・カルテンブルンナーなど親衛隊(SS)国家保安本部幹部たちがICPC総裁を務めていた。

1956年に国際刑事警察委員会を発展的に解組し、国際刑事警察機構(ICPO)を設立した[2][8]。当時の加盟国数は57ヶ国[7]。事務総局は1946年に再建されてからフランスパリにあったが、1989年以降はリヨンにある。国際連合、特に経済社会理事会とは協力関係にあったが、1996年には国際連合総会オブザーバーの資格を得た[7]

2016年11月、台湾中華民国)がICPOへの参加を申請するも中国がこれを妨害し[9][10]、総裁に中国共産党公安委員で人権派弁護士の大量逮捕やチベットでの人権の侵害に関わったと中国の反体制派から批判[11][12][13][14]されていた中国公安部副部長の孟宏偉が満場一致で選出されたため[15]アムネスティヒューマン・ライツ・ウォッチなどからICPOの政治利用を懸念する声があがった[16][17][18]。また、副総裁にはロシア連邦のアレクサンドル・プロコプチュク(ロシア語版)警察少将が就き、中露ともにICPOで要職に選ばれるのは初めてであった[19]。米国に事実上亡命した富豪・郭文貴の国際手配の際は中国による政治利用を指摘された[20]2017年9月に北京で開催されたICPO総会の開会式で演説した習近平国家主席党総書記)はICPOへの影響力拡大を宣言した[21][22]。また、北京の総会ではイスラエルの反対で加盟を拒否されてきたパレスチナなどが参加して190カ国から192カ国となった[1]2018年に孟宏偉をICPOの照会を無視して辞任させた際は国際基準よりも国内事情を優先した中国当局の恣意的な法執行が批判された[23]
日本

日本1952年(昭和27年)の第21回総会で加盟し、国家中央事務局は警察庁[3]

1967年(昭和42年)9月27日 - 10月4日の間、京都市で第36回総会が開催された[24]1975年(昭和50年)から事務総局に警察庁職員を派遣している。1996年(平成8年)から2000年(平成12年)まで兼元俊徳(警察庁国際部長。退任後は内閣情報官)が第15代総裁を務めた[25]

なお、ICPOから国際指名手配を受けている日本人は、2012年5月時点で16人存在する。ただし、国際指名手配はあくまで捜査への協力要請にすぎないため、国際指名手配を受けたからといって日本の警察がそれだけで逮捕することができない。相手国と犯罪人引渡し条約を結んでいたり、国内法に違反していない限り、普通に生活している者もいる[26]。これは、日本だけに限らない[27]
加盟国・地域ICPO加盟国の分布
加盟国

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アフガニスタン - 2002年10月

 アルバニア - 1991年11月

 アルジェリア - 1963年8月

 アンドラ - 1987年11月

 アンゴラ - 1982年10月

 アンティグア・バーブーダ - 1986年10月

 アルゼンチン - 1956年6月

 アルメニア - 1992年11月

 アルバ - 1987年11月

 オーストラリア - 1956年6月

 オーストリア - 1956年6月

 アゼルバイジャン - 1992年11月

 バハマ - 1973年10月

 バーレーン - 1972年9月

 バングラデシュ - 1976年10月

 バルバドス - 1981年11月

 ベラルーシ - 1993年9月

 ベルギー - 1956年6月

 ベリーズ - 1987年11月

 ベナン - 1962年9月

 ブータン - 2005年9月

 ボリビア - 1963年8月

 ボスニア・ヘルツェゴビナ - 1992年11月

 ボツワナ - 1980年11月

 ブラジル - 1986年10月

 ブルネイ - 1984年9月

 ブルガリア - 1989年11月

 ブルキナファソ - 1961年9月


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