国道414号
[Wikipedia|▼Menu]
伊豆半島の中央にある天城峠(標高830 m)は、急峻な地形で伊豆半島を分断し、南伊豆を陸の孤島として分断してきた[6]。江戸時代には天城街道で下田から三島まで行くのに3日間かかったといわれている[7]

天城越えの下田路が整備されたのは江戸時代中期以降のことで、日米修好通商条約を結んだアメリカ総領事のタウンゼント・ハリスや、黒船に乗り込んで密航を企てた吉田松陰もこの道を通ったと記録されている[6]

明治時代に入ると政府が地元の願いを受け入れて交通難所の天城越えのルートにトンネルを開削する工事に乗りだし、当時最高の土木技術と予算10万3000円を投じ、4年の工事期間を経て総石造りの天城山隧道(旧天城トンネル)を1905年明治38年)に完成させた[6]

三島・沼津から南伊豆への交通路である下田街道が整備されると、伊豆半島の観光開発が進むにつれて交通量も増大した[8]

下田街道は大正時代に県道三島下田線となった。

昭和時代に入り新道路法施行で下田街道は主要地方道に指定され静岡県主要地方道13号修善寺下田線となった。

しだいに幅4 mと狭い旧天城トンネルでは交通量を支えきれなくなってきたことから、西側に並行して有料道路の新天城トンネルが開通し、下田街道のメインルートは新トンネルに移った[8]

1978年(昭和53年)1月に発生した伊豆大島近海地震で、天城峠の南面の崖のような地形で起こった地盤崩壊により、下田街道は大きな被害を受けている[9]。この震災によって新たな道路を建設する復旧工事では、崖に沿わずに狭いスペースで高度を稼ぐ720度ループ橋である七滝高架橋を完成させて、1981年(昭和56年)に通行止めを解除させた[9]

1981年(昭和56年)4月30日の一般国道の路線を指定する政令の一部改正が行われ、主要地方道13号修善寺下田線は主要地方道19号沼津伊東線の一部とともに一般国道になることが決まると、翌1982年(昭和57年)4月1日に一般国道414号に昇格した[10][11]

一般国道指定当初から旧天城トンネルも、有料の新天城トンネルとともに国道414号の一部として指定されていたが、2000年平成12年)に新天城トンネルは償還期限を迎えて無料開放された[10]
年表

1982年昭和57年)4月1日 - 一般国道414号(下田市 - 沼津市)指定。

路線状況

伊豆半島を南北に移動する際に、曲がりくねった海岸線沿いの国道よりも移動時間は短縮できる[12]。天城峠の南に2回転ループで45 mの高低差を上り下りする河津七滝ループ橋と、「天城越え」で知られる旧道の天城山隧道(国重要文化財)は国道414号の名所となっている[12]。旧道の天城山隧道の前後は砂利敷きの道路であるが、整備が行き届いているため自動車での通行も可能である[12]
バイパス

静浦バイパス

伊豆縦貫自動車道(大平IC - 月ケ瀬IC)

別名

天城峠越えの道筋は、下田街道の名で知られ、なかでも河津町湯ヶ野 - 伊豆市湯ケ島間の旧天城トンネルで峠を越える旧道は、天城路や、天城街道ともよばれる。

下田街道(天城路)

八間道路(沼津市内)

重複区間

国道136号(伊豆市 - 伊豆の国市)

道の駅

道の駅天城越えにある昭和の森会館は、川端康成の短編小説『伊豆の踊子』をはじめとする天城文学ゆかりの展示品を集めた伊豆近代文学博物館がある[13]

天城越え(伊豆市)

伊豆月ケ瀬(伊豆市)

伊豆のへそ(伊豆の国市)

交通量

平成22年度道路交通センサスより

下田市東中 12,529

下田市河内 10,109

下田市箕作 4,218

賀茂郡河津町梨本 5,154

伊豆市湯ヶ島 4,840

伊豆市月ケ瀬 7,884

伊豆の国市長銅 10,894

伊豆の国市北江間 18,212

沼津市下香貫 21,868

沼津市三園町 24,247

三園橋 25,015

沼津市杉崎町 26,170

沼津市大岡 17,294

沼津市下香貫から三園橋にかけて土日祝日は激しい渋滞が起きている。

バス路線

伊豆箱根バスの沼津駅 - 伊豆長岡駅系統の路線バスがある。

地理

伊豆半島のほぼ真ん中に位置する天城峠を越える道路沿いは、天城の自然豊かな深い山間地域であり、ヤマメマスが生息する渓流が流れ、沢には特産のワサビ田が点在し、伊豆市湯ケ島には天城随一の名瀑である浄蓮の滝がある[13]。天城峠一帯の原生林は、昭和天皇在位50周年を記念して国民休養林に指定した「昭和の森」である[13]。天城周辺は湯ヶ野河津七滝湯ヶ島など数多くの温泉が点在し、古くから湯治場として栄えたといわれる[13]
通過する自治体

静岡県

下田市 - 賀茂郡河津町 - 伊豆市 - 伊豆の国市 - 沼津市


交差する道路沼津市役所前交差点
静岡県道139号原木沼津線との交差点

(単独区間のみ。国道136号との重複区間は国道136号を参照。)

中島橋交差点 - 国道136号(下田市、起点 / 伊豆市 - 伊豆の国市、重複)

柳生入口交差点 - 静岡県道118号蓮台寺本郷線

静岡県道404号河津下田線

箕作交差点 - 静岡県道15号下田松崎線

下佐ケ野交差点 - 静岡県道14号下佐ケ野谷津線

静岡県道115号湯ケ野松崎線(河津町、起点)

湯ヶ島宿交差点 - 静岡県道59号伊東西伊豆線

市山交差点 - 静岡県道349号修善寺天城湯ケ島線

吉名入口交差点 - 静岡県道124号吉奈門野原線
この間、国道136号と重複

三福インターチェンジ交差点 - 静岡県道19号伊東大仁線


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:74 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef