国盗り物語_(NHK大河ドラマ)
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司馬遼太郎の同名小説『国盗り物語』を核に、司馬の『新史太閤記』『功名が辻』『尻啖え孫市』『梟の城』などを合わせて[1]大野靖子が脚色した。
企画・制作

美濃一国を「盗る」ことに生涯を賭けた斎藤道三と、道三に後継者と目され共に天下統一に邁進しながらも最期には本能寺で激突する織田信長明智光秀の生き様を描く[2]。原作同様に道三と信長の二人が、前後編のリレー形式で各々の主人公となっている、

チーフディレクターの斉藤暁も「分厚く、幅広く、いろんなことを拾い上げて、しかも現代性のあるドラマとして作る」という考えから、司馬が戦国時代を扱った作品をすべて使いたいと依頼したと述べている[1]。制作陣は織田信長と明智光秀を、破壊をいとわず感情的な信長に対して、知的で冷静な光秀がときに信長の横暴に耐えるという構図で描いた[3]。また斎藤道三について斉藤は、「『悪党』と言われた人が持っているエネルギー」が魅力であると述べている[3]

技術面では大河ドラマで初めてハンディカメラを撮影に使用し、ダイナミックな演出が可能になった[4]。一例を挙げると、桶狭間の戦いの場面ではカメラマンが乗った車椅子をスロープからスタジオのセット(今川義元の陣)に突入させて、織田方の兵士の視線を再現した[4]。なお、セカンドディレクターの村上祐二も、ほとんど俯瞰で撮られていた場面をより人間に近い高さで見せられるようになったという意義を語っている[4]

キャスティングでは、信長役を高橋英樹が演じた[注釈 1]。村上も、信長を偉人ではなく「ワル」として演じた高橋を評価している[5]。本作の企画と同時期に「金曜時代劇」の枠で『尻啖え孫市』を高橋主演で制作する企画が立てられていたが、ドラマ部長だった川口幹夫が「(原作と主役を)大河に譲れ」と同作のスタッフに話し、「金曜時代劇」側は企画を『赤ひげ』に変更することとなった[6][注釈 2]

道三役の平幹二朗もあまりの高橋信長の人気に、「高橋英樹君の若さがうらやましかった」と述懐している[要出典][注釈 3]

二枚目俳優として女性に大きな人気があった近藤正臣も本作の光秀で初の敵役を演じた。ただし、原作では後半は光秀の視点で多くが描かれており、事実上三人目の主役である。村上も、前記の演出意図に沿って「清潔な感じ」で光秀を演じた近藤を「非常によかった」と評している[5]。また、木下藤吉郎役には「のし上がった役柄同様に新人がよい」という理由で無名だった火野正平が起用された[5]。近藤の所属事務所からの写真を見て惹かれた制作陣が近藤本人に会い、その野性味ある姿に起用が決まった[5]。このほかにも、こちらも無名だった西田敏行を、村上の抜擢で雑賀孫市と対峙する百姓の若大将役で出演させている[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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