国王陛下万歳
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イギリス国外においても、ニュージーランド1977年 - )では2つの国歌のうちの1つであり、オーストラリア1984年 - )およびカナダ[1]1980年 - )、ジャマイカツバルマン島[2]では王室歌(Royal Anthem)として、ジャージー[3]ガーンジー[4]マン島[5]においても、イギリス王室属領の立場では公式な国歌として歌われている。

1745年9月(ジョージ2世) - 1837年6月20日ウィリアム4世)、1901年1月22日エドワード7世) - 1952年2月6日ジョージ6世)、2022年9月8日 - 現在(チャールズ3世) にかけて、男性君主版である『国王陛下万歳』が歌われている。

1837年6月20日 - 1901年1月22日ヴィクトリア女王)、1952年2月6日 - 2022年9月8日(エリザベス2世)まで、女性君主版である『女王陛下万歳』が歌われた。

行事などで歌唱される場合、通常は第1節のみ、もしくは第1節と第3節が歌われる。
概要

イギリスにおいて国歌として法律で制定されてはいないが、一般に国歌として広く認知されている。

なお、連合王国の構成国であるウェールズ北アイルランドスコットランドでは独自の国歌を持ち、サッカーなどウェールズ、スコットランド[6]が個別に代表を出しているスポーツの試合では、『国王陛下万歳』ではなく、それぞれの国歌が演奏され歌われる(ただし、いずれも法律上の定めはなし)。

かつてイギリス連邦諸国(旧イギリス帝国)でも国歌として採用されていたが、現在は公募などによって別の歌を国歌として採用している。

ニュージーランドでは、今日でも『神よニュージーランドを守り給え』とともに国歌のひとつである。

カナダオーストラリアバハマジャマイカマン島では王室歌(Royal Anthem)として採用されている。

イギリス連邦非構成国ではあるが、リヒテンシュタインでは同じ旋律を流用して独自の歌詞を乗せて国歌としている。歴史上では過去に、かつてのスイスドイツ帝国(現:ドイツ連邦共和国)、ザクセン王国(現:ドイツ、ザクセン州)、ロシア帝国(現:ロシア連邦)、アメリカ合衆国も同様であった。

動詞が三人称・単数・現在形で活用して「saves」とならず原形の「save」なのは、「神に対する加護の要請」を示す仮定法現在、いわゆる祈願文であるためである[7]

公式の場で斉唱する場合であっても、国王(女王)自身が歌唱することは一切ない[8]
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少なくとも16世紀まで遡ることが出来るものの、あくまで君主を礼賛する歌であり国歌とは看做されていなかった[9]

国王ジョージ2世在位下、1744年にイングランド上陸に失敗した小僭王チャールズ・エドワード・ステュアートは、1745年に側近のみを引き連れてスコットランドに上陸した。ハイランド地方氏族は小僭王の下に結集し、政府軍をプレストンパンズ(Prestonpans)において破り、以後ジャコバイトはイングランドへ向けて侵攻を開始した。ジャコバイトがイングランド中部ダービーまで南下してロンドンを脅かす中で、トマス・アーンは君主と国家の安寧を祈って「神よ、国王陛下を護り給え」を編曲した。

1745年9月28日、ドルリー・レーン王立劇場(Theatre Royal, Drury Lane)においてベン・ジョンソンの喜劇『錬金術師』(The Alchemist)終演後に公式に演奏され、以後ロンドン各地の劇場で演奏されるようになって爆発的に広まった。

ただし、以上はあくまで現在確認されている公式の初演の経緯であり、アーンが自ら作曲したとは考えられていない。1740年にヘンリー・ケアリー(英語版)が作曲したという説もあれば、さらに遡って16世紀の聖書の詩句、賛美歌にその起源を求める声もある。そもそもイングランド起源ではなく、ジャコバイトの側の歌であり、フランスから輸入されたものだとする者もいる。

このように多くの研究があるものの、明確な起源は今なお判明していない。
歌詞

イギリスの君主に国王ではなく女王が在位している場合は、「King」の代わりに「Queen」を、「Father」の代わりに「Mother」を、「his/him」の代わりに「her」をそれぞれ用いる。また、男性君主の治世では3番の第6行の「"To sing with heart and voice"(声無きも声高きも歌ひぬ)」の部分が「"With heart and voice to sing"(歌ふ心で歌ふ声で)」となるとする主張があるが、王室の公式ウェブサイトでも"To sing with heart and voice"のまま変更されていない[10]ジョージ6世までの「God Save the King」でも"To sing with heart and voice"で歌われている[11]。一方で、チャールズ3世の即位後に"With heart and voice to sing"で歌った例も存在する[12]。なお、エリザベス2世の崩御によりチャールズ3世が即位し、イギリス王位継承順位は「ウィリアム王太子(1位)→ジョージ王子(2位)」となっている。順当にこの順位で王位が継承されれば3代続いて男性君主の在位となり、この期間の国歌は「God Save the King(国王陛下万歳/神よ国王を守り給え)」となる。

これまでの君主の性別による国歌の変遷は、以下の通りである。

イギリス国歌の変遷期間[注釈 1]国歌国王/女王
1745年9月 - 1837年6月20日


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