国家社会主義
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これらは道徳国家を主張したラッサールの影響とされており[16]、ビスマルクも自分が今まで会った人物の中でラッサールは「最も知的」とまで公然と評価していた[17]。またアドルフ・ワグナーグスタフ・フォン・シュモラーら講壇社会主義者の台頭することにもなった。ビスマルクは保守であったが、自由主義の進歩党やカトリックなどと対立しており、労働者階級の支持も必要とした。また「強いドイツ」の実現には、階級対立の緩和と民族の団結が必要であった。

ビスマルクは1881年に書いた手紙のなかで、自らの政策を「国家社会主義」 (ドイツ語: Staatssozialismus) と呼んだ[18]。政治学者のバートランド・ラッセルはビスマルクの国家社会主義について「現実には、彼の政策には社会主義よりも国家の方がはるかに多く、国家社会主義という名は大きな誤解を招きやすいのである。」と述べた[19]。ビスマルクの創設した災害保険・健康保険老齢年金などの社会保障制度は労働者階級の福祉向上に大きく貢献し、その後のドイツの社会政策の基礎となり、欧米や日本など世界各国で導入された[20]
ソ連型社会主義「社会主義国」および「en:State socialism」も参照

政治経済学者のデービッド・レーンは著作「国家社会主義の興亡」で、ソ連型社会主義国家などを広く「国家社会主義」と呼んだ[8]

和田春樹は、ソ連の政治社会体制について、「農業の全面的集団化、強行的な工業化、階級闘争としての文化革命を通じて、計画経済化と経済の一元化、党・国家・社会団体の一体化、国家社会の一元化が実現された。ここにおいて人類がこれまでに知ることのない完全に新しい社会システム、国家社会主義体制が完成された。」とし、ソ連の「党と国家と社会団体が一体となった公的主体が政治と経済の全体を一元的に管理する体制」は、「いわゆる全体主義と呼ばれる体制より以上に、全的に一元化されたシステムであった。」と論じた[21]
ナショナル・ソーシャリズム「ナチズム」および「ファシズム#一覧」も参照

国家社会主義(英語: national socialism、ドイツ語: Nationalsozialismus)は、以下のそれぞれの立場から使用された。
フランス

1890年代フランスの社会主義者のモーリス・バレスは、社会主義にナショナリズム反ユダヤ主義を結合し、後に「国家社会主義」とも呼ばれている[22]。また、フランスの社会主義者のピエール・ビエトリー黄色社会主義を掲げ、1903年に「国家社会主義党」 (Parti socialiste national) を結成した[23]。バレスやビエトリーらは、ファシズムやナチズムの先駆とも呼ばれている。
チェコスロバキア

1890年代にオーストリア=ハンガリー帝国からの独立を掲げるチェコの社会主義者とナショナリストによってエドヴァルド・ベネシュ政権の与党となるチェコ国民社会党(?eska strana narodn? socialni)が結成される。後のナチスの党名に影響を与えたともされる[24][25][26]
イギリス

イギリスの経済学者アルフレッド・マーシャルは、1907年に、富が公共の用途に供せられるような経済騎士道に基づく国民的社会主義 (National Socialism)を提唱した[27]

イギリスの社会主義者ヘンリー・ハインドマンは、マルクス主義に傾倒しながらも、愛国的なナショナリズムと社会主義を結合し、1916年国家社会主義党 (National Socialist Party) を結成した。
オーストリア

1918年オーストリアチェコスロバキアドイツ国家社会主義労働者党 (Deutsche Nationalsozialistische Arbeiterpartei)、1919年ハンガリーゲンベシュ・ジュラなども「国家社会主義」を掲げた。これらは反ユダヤ主義など、後のナチスとの類似性を持った。
ドイツ

ナチズム

党組織国家社会主義ドイツ労働者党
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大管区
大管区指導者
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ホロコースト
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指導者原理
強制的同一化
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支配人種(en)
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書籍・新聞我が闘争
二十世紀の神話
フェルキッシャー・ベオバハター
シュテュルマー
関連項目ファシズム
ムッソリーニ
ハーケンクロイツ
ナチス式敬礼
ジークハイル
ナチ党党大会
ナチス左派
旗を高く掲げよ
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強制収容所
ヴァンゼー会議
生存圏
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