機動憲兵隊と県憲兵隊の大佐以下の階級章は肩章に入っている線の色が黄色(機動憲兵隊)、白色(県憲兵隊)と異なる。
正規憲兵官は、将校(d'officiers)および下士官(sous-officiers)で構成される。また兵士としては、任期制(第1任期2年、更に3年延長可能)の憲兵助手(当初はGA
、1998年以降はGAV)の制度がある。第二次世界大戦後、国家憲兵の装備火器は、連合国のものやナチス・ドイツによるフランス占領下に持ち込まれたり生産されたりしたドイツ製のものなどが混在し、非常に多彩になっていた。拳銃としては、ドイツ製のルガーP08やワルサーP38が多用されていたが、フランス製のSACM 35
やMAS 35も用いられていた。また短機関銃についても、フランス製のMAS 38のほか、ドイツ製のMP40、イギリス製のステン、アメリカ製のトンプソンが用いられていた[12]。1950年代に入ってフランスの兵器生産能力が復旧するのに伴い、整理が始まった。おおむねフランス軍に準じた装備体系が採用されており、準軍事的任務に備えて、MAS 36小銃および半自動式のMAS 49小銃が導入されるとともに、短機関銃はMAT 49に統一された。拳銃については、1957年以降、軍と同様のMAS 50への統一が進められていった。国家警察で主力装備とされていたマニューリン MR 73回転式拳銃は、装弾数の少なさが嫌われて、国家憲兵ではごく少数の導入に留まったとされている[12]。
1980年代からは、やはり軍と同様に、PAMAS G1(ベレッタM92G)の導入が開始された。また1986年より、機動憲兵隊においては、ヴィジピラート計画(フランス語版)のような非常配備に備えた装備として、FA-MAS小銃が導入された。これに伴って短機関銃の装備はいったん廃止されたものの、その後対テロ作戦部隊を中心として、H&K MP5が配備された[12]。また2000年代に入ると、国家警察と歩調をあわせて、制式拳銃はおおむねSIG SAUER SP2022に統一されている[13]。
なお国家憲兵の武器使用基準については、国家警察よりも自由裁量を許したものとなっている。国家警察では、警察官の武装は警察官あるいはその保護下にあるものを守るためにのみ使用可能であり、特に危害射撃は人を守るためにのみ許されるのに対し、国家憲兵では、物や部署を守る場合にも危害射撃が可能とされる[12]。
車両機動憲兵隊のVBRG装甲車 高速道路警備隊のパトカー
2005年12月、フランス国家憲兵隊の高速道路警備隊の取り締まり車両として使用されているプジョー・306の置き換え時期が迫ったことから、その代替車として初の日本車スバル・インプレッサWRXを150台購入し準備配備されるというニュースが伝えられた。フランスではプジョー306は「追われても逃げ切れるパトカー」として知られており、その他ドイツ車をはじめとする高速車の速度違反を多数取り逃がしていたことから、それらを捕まえるためでもあると言われる。2010年からはルノー・メガーヌのスポーツバージョンである「メガーヌ ルノー・スポール」をベースとした車両も導入されている[14]。
ツール・ド・フランスのコース上における観衆整理、走っている選手集団の警護(青灯付きの白バイで先導している)、競技の不正(ドーピング)取り締まりを行なっているのも彼らである。 IT関連の導入・維持・管理費用を削減するため、オープンソースのソフトウェアを積極的に取り入れている。2013年現在、3万7000台のコンピュータでUbuntuを使用しており、2014年夏には7万2000台まで台数を増やし、ほぼすべてのコンピュータにオープンソースのOSを入れる予定[15]。フランス議会上院やウィーン市政府を抜いて、単一組織としては世界最大のUbuntuユーザーとなる。 シンボルは手榴弾。これはイタリアのカラビニエリやイギリスのグレナディアガーズと同じで、世界中の国家憲兵に共通している。
ICT
シンボル
脚注[脚注の使い方]
出典^ a b 下條 1999, p. 236.
^ Police-Nationale.net. “ ⇒La Gendarmerie” (フランス語). 2016年1月27日閲覧。
^ 例:トミカ No.44(2014年7月?) メガーヌ ルノー・スポール ジャンダルムリ。ちなみに上述の通りこのパトカーは実在する。
^ France Enseignement (2008年). “ ⇒L'histoire de la Gendarmerie” (フランス語). 2016年1月24日閲覧。
^ a b c d 清水 1973.
^ a b フランス内務省. “ ⇒La gendarmerie, heritiere des marechaussees” (フランス語). 2016年1月24日閲覧。
^ Cour des comptes
^ フランス内務省. “ ⇒Protection” (フランス語). 2016年1月24日閲覧。
^ Vie-publique.fr (2009年1月6日). “ ⇒Police-gendarmerie : le rapprochement officialise” (フランス語). 2016年2月6日閲覧。