国土地理院
[Wikipedia|▼Menu]
このように、一時期日本における測地測量は内務省地理局と参謀本部測量課により二元的に実施されてきたが、1884年(明治17年)6月26日、一連の太政官達[注 7]によって地理行政の業務が整理され、内務省地理局から大三角測量業務を参謀本部に移管、以後、同局の主な業務は地誌編纂中心に縮小されたこれに伴い参謀本部の地図課・測量課は「測量局」へと拡充(1884年9月)、さらに参謀本部の一局から分離され陸地測量部として本部長直属の独立官庁となるのは1888年(明治21年)5月[注 8]である。全国規模の陸地部における測量を統括するという原則は第二次世界大戦終戦時まで継続され、1945年(昭和20年)には東京大空襲を受けて各部署毎に長野県松本盆地に分散疎開した[6]
陸地測量部発足以前

1869年(明治2年)

4月 -
民部官に庶務司戸籍地図掛が設置される。地誌編纂地理資料の収集にあたる。

7月 - 民部官が廃止され民部省となる。


1870年(明治3年)7月 - 民部省庶務司戸籍地図掛が廃止され、民部省地理司測量掛、図籍掛、戸籍掛を設置。

1871年(明治4年)7月 - 兵部省陸軍参謀局に間諜隊を設置。地理調査と地図編集を担当。

1871年(明治4年)9月 - 工部省に測量司が設置される。測量、地図作製を担う部門が整備される。

1872年(明治5年)

2月 - 兵部省が陸軍省及び海軍省に分割され、陸軍参謀局は陸軍省参謀局となる。

3月 - 工部省測量司が東京府下で三角測量を開始。

5月 - 工部省測量司が皇居測量を開始。


1874年(明治7年)

1月 - 工部省測量司が内務省に移管され、すぐに地理寮量地局に改組される。

12月 - 内務省地理寮が御殿山金星日面通過観測を行う。


1875年(明治8年)7月 - 内務省庁舎が焼失し、ほとんどの地図原図、測量野帳、測量器機を失う。

1875年(明治8年) - 内務省地理寮量地局が関東地方全域の大三角測量事業(一等三角測量)を開始。

1877年(明治10年)1月 - 内務省地理寮が廃止され、内務省地理局が設置される。測量・地図作成・地誌編纂にあたる。

1878年(明治11年) - 陸軍省参謀局が廃止され参謀本部が設置。

1879年(明治12年) - 参謀本部が全国測量計画を策定。

1883年(明治16年) - 参謀本部が一等三角測量、一等水準測量を開始。

1884年(明治17年)

6月 - 内務省地理局所管の陸上測量業務が参謀本部へ移管。

9月 - 参謀本部の地図課・測量課を合せて測量局設置。新たに三角測量課、地形測量課を設置。


参謀本部 陸地測量部

1888年(明治21年)5月 - 陸地測量部条例が公布。
参謀本部陸地測量部が発足。三角、地形、製図の3科と修技所を置く。

1891年(明治24年) - 東京三宅坂参謀本部内に日本水準原点を設置。

1892年(明治25年) - 東京麻布日本経緯度原点を設置(東京天文台子午環中心)。

1910年(明治43年) - 2万5千分1地形図の作成を開始。

1915年(大正4年) - 一等三角測量が完了(明治成果)。

1924年(大正13年) - 全国5万分1地形図がほぼ完了(陸測の5万)。

1938年(昭和13年) - 国内の2万5千分1地形図の作成を中断。

1941年(昭和16年)4月 - 昭和16年勅令第505号により陸地測量部条例が全部改正。陸地測量部令となる。三角科が第一科、地形科が第二科、製図科が第三科、修技所が教育部となる。

1944年(昭和19年)4月 - 杉並区明治大学予科校舎に疎開。

1945年(昭和20年) - 長野県中信地方疎開。(波田村梓村塩尻町明盛村温明の各国民学校

5月 - 陸地測量部三宅坂庁舎が空襲により焼失。


終戦後

終戦直後、参謀本部第二部参謀・渡邊正少佐の「戦後の復興にも地図作成機関が必要」として文民組織へのいち早い切り替えの努力により[7][8]、「内務省官制中改正ノ件」(昭和20年勅令第502号)の制定・施行により、陸地測量部令[注 9]廃止とともに陸地測量部は消滅、終戦2週間後の1945年(昭和20年)9月1日付けで文民組織である内務省地理調査所が新たに発足。貴重な資料・機器は、多くが戦後の混乱による散逸から免れた。翌年には、疎開先の長野県から千葉県千葉市稲毛(旧千葉陸軍戦車学校跡地)に移る(再移転は後述)。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:80 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef