国内総生産
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円建てでの日本の国内総生産(実質GDPと名目GDP、GDPデフレーター)の経年変化[33]

1990年代以降の約20年間は、円建てでの国内総生産の名目経済成長率は年率マイナス0.7%程度、実質経済成長率は年率0.6%程度、インフレ率は年率マイナス1.3%程度になった[34]。名目GDPは1997年に記録した536兆円をピークとし、2010年にはそれより63兆円少ない473兆円にまで低下した[34]

1999年4月に実施した消費税の増税の影響で第二四半期の成長率は2.9%のマイナス成長に陥った[35]。これは過去23年間で最悪の数字であった。その後名目GDPは低迷を続けた。

日本は2012年現在、毎年1%前後のデフレが続いているため、仮に実質GDP成長率が1%あっても差し引きで名目GDP成長率はゼロとなる(実質GDP成長率1%+インフレ率-1%=名目GDP成長率0%)[36]

US$建てにしたGDPでは、円ではなくてUS$で給料を受け取っている人は日本には稀有なので他国のGDPと正確に比較することは出来ない。ただし、ユーロのような共通通貨を使っているEU加盟国同士では為替による変動が無いため実体を反映した比較ができる。例えば、日本で前年より経済成長したため、円建てのGDPが増加していても、前年より円安の時は同じ額をUSドル建てにしたGDPでは伸びるどころか逆に減少しているようにみえることが多い。一方、円建てのGDPが減少又は低迷している不景気でさえ、前年より円高だとUS$建てのGDPだと前年より増加していることが多い。日本のGDPを約500兆円だと仮定して1US$= 80円の円高に日本のGDPをUS$建てで換算すると約6兆US$になり、1US$=120円の円安でなら約4兆US$となり、円建てでのGDPが同じ額にもかかわらず減少しているような統計結果になってしまう。実際に2015年に国民1人当たり名目GDPはドルに換算した「ドル建て」では「減少」しているが、円建てベースでは1994年以降最高で前年比3.4%程増加している[37][38]。一方で、円安はUSドルベースでのGDPにおいてはマイナス要因となるが、円安は輸出を促進するため、輸出増加分がGDPに反映される頃にはプラス要因となる。このように、ドルベースのGDPは為替の影響を大きく受ける。そのため、USドルベースのGDPは日本と日本以外の国のGDPを比較するときに主に用いられ、日本国内の経済成長の推移を解析する上では、日本円ベースのGDPが主に用いられる。 日本の実質GDP成長率の推移1954年 - 1980年1980年 - 1993年1994年 - 2016年

暦年名目GDP実質GDPGDPデフレーター対前年増加率(%)
1954年8,369.547,075.0
1955年9,422.250,602.74.7
1956年10,858.354,557.86.9
1957年11,538.357,946.90.0
1958年13,190.363,402.74.5
1959年16,009.771,683.17.4
1960年19,336.580,179.88.0
1961年21,942.787,072.64.5
1962年25,113.294,724.05.2
1963年29,541.3105,319.55.8
1964年32,866.0111,294.35.3
1965年38,170.0122,700.25.3
1966年44,730.5136,300.25.5
1967年52,974.9152,532.15.8
1968年62,228.9170,764.54.9
1969年73,344.9188,323.16.9
1970年80,701.3196,588.95.4
1971年92,394.4213,129.05.6
1972年112,498.1230,248.812.7
1973年134,243.8227,427.720.8
1974年148,327.1234,458.77.2
1975年166,573.3243,778.58.0
1976年185,622.0254,481.26.7
1977年204,404.1267,897.54.6
1978年221,546.6282,588.92.8
1979年240,175.9290,551.15.4

暦年名目GDP実質GDPGDPデフレーター対前年増加率(%)
1980年242,838.7284,375.0
1981年261,068.2296,252.93.2
1982年274,086.6306,256.21.6
1983年285,058.3315,629.90.9
1984年302,974.9329,719.31.7
1985年319,401.9350,601.61.0
1986年340,559.5360,527.41.8
1987年354,170.2375,335.81.1
1988年387,742.9402,159.90.3
1989年420,122.2423,756.52.2
1990年454,781.0447,369.92.3
1991年481,421.8468,242.02.6
1992年493,782.8477,027.91.6
1993年496,711.8478,825.10.4

暦年名目GDP実質GDPGDPデフレーター対前年増加率(%)
1994年507,743.4490,779.90.1
1995年516,706.9501,537.71.7
1996年532,934.8520,715.82.6
1997年550,698.3537,289.43.6
1998年550,438.6534,142.50.0
1999年518,903.2514,957.2-5.3
2000年519,860.0521,408.5-1.2
2001年505,543.2489,501.1-1.2
2002年499,147.0487,914.9-1.6
2003年498,854.8485,968.3-1.7
2004年503,725.3490,440.7-1.4
2005年503,903.0488,921.0-1.3
2006年505,687.0492,451.9-1.1
2007年506,975.2495,685.8-0.9
2008年497,209.3493,230.9-1.3
2009年464,138.7480,588.4-3.5
2010年473,384.4489,364.6-2.2
2011年460,623.2478,439.9-1.9
2012年474,403.6492,547.2-0.9
2013年493,175.5501,781.4
2014年503,698.0510,489.2
2015年510,465.7516,635.6
2016年517,289.4521,794.3



統計のGDPは円建てであり、単位は10億円

1954 - 1980年は、「平成10年度国民経済計算」(平成2年基準・68SNA)による。実質値は1990(平成2)暦年基準。1980年は連続性のために示した。

1980年 - 1993年 は、2000(平成12)暦年連鎖価格

1994年 - 2012年 は、2005(平成17)暦年連鎖価格

2008年以降については、計数の改定が行われる可能性がある。



米国

アメリカ合衆国のGDPは米国商務省経済分析局(BEA=The Bureau of Economic Analysis, U.S. Department of Commerce)から発表されている[39]。発表時期は1、4、7、10月に速報値、次月の2、5、8、11月に改定値、さらに3、6、9、12月に確定値が発表される[39]。「アメリカ合衆国の経済」および「アメリカ合衆国の経済史」を参照
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 「ストック(物と知識)をつくるを含む」と「フロー(需要と供給)」がともに可能な産業職業は、主に製造業建設業(日本のGDPを試算・算出する際に製造業の内閣府機械受注統計調査と建設業の国土交通省建設工事受注動態統計調査を使用する)、知識産業医師歯科医師獣医師薬剤師プログラマシステムエンジニアなど)や、職能産業・エッセンシャルワーカー(航空旅客機パイロットトラック運転手バス運転手、タクシードライバー、旅客船海技士看護師愛玩動物看護師歯科衛生士歯科技工士登録販売者介護士保育士教員ブルーカラー建設作業員など)

出典^ IMF (2019年10月). “World Economic Outlook, October 2019” (Excel). 2020年2月17日閲覧。
^ a b c GDPとGNI(GNP)の違いについて内閣府経済社会総合研究所
^ 【NHK】1からわかる!景気【下】オリンピック後は?就活への影響は?2020年2月13日
^ a b c d “用語の解説(国民経済計算)”. 内閣府経済社会総合研究所. 2020年2月18日閲覧。
^ 日本学術会議「地球温暖化問題解決のために ―知見と施策の分析」2009年,p.17.
^ a b 大和総研 『最新版 入門の入門 経済のしくみ-見る・読む・わかる』 日本実業出版社・第4版、2002年、24頁。
^“オランダの売春・麻薬の経済規模、チーズ消費額を上回る”. ロイター (ロイター通信社). (2014年6月26日). ⇒http://jp.reuters.com/article/wtOddlyEnoughNews/idJPKBN0F10XQ20140626?rpc=223 2014年7月27日閲覧。 
^ “The Problem with GDP” (英語). Vision of Humanity (2022年5月6日). 2022年6月15日閲覧。
^ この節は、クルーグマン『マクロ経済学』東洋経済新報社、2009年、38 - 41ページおよび189 - 190ページを参考にした。
^ 飯田泰之・雨宮処凛 『脱貧困の経済学』 筑摩書房〈ちくま文庫〉、2012年、32-33頁。
^ 飯田泰之・雨宮処凛 『脱貧困の経済学』 筑摩書房〈ちくま文庫〉、2012年、83頁。
^ a b “用語の解説(国民経済計算)”. 内閣府経済社会総合研究所. 2020年2月18日閲覧。
^ 松原聡 『日本の経済 (図解雑学シリーズ)』 ナツメ社、2000年、30頁。
^ 読売新聞記者
^ 『GDP 秘密のレシピ」』山内竜介。


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