図鑑
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したがって、種多様性の高い昆虫などでは蝶を除くと実際的な同定には堪えない。ただし一部の種子植物と鳥類を扱ったものなどは、種数もある程度限られているうえに、分野として需要が高く、充実したものも多いので、主として野外での同定用に編集されてその用途に耐える。また、この傾向の出版物は各地の有名な山や自然公園などにおける案内書として出版されているものも良くある。この形の図鑑の多くはむしろ、総合的なその分類群や地域の自然史ガイドブックとしての性格が強い。出版市場における図鑑の主流はこのスタイルに移行したともいえる。

なお、そのような中で2007年頃に相次いで出版されたカヤツリグサ科の写真図鑑は、各種について細部も含む複数の写真を組み合わせることで、同定の精度を上げようと試みているのは興味深い。
持ち出し用図鑑

一般に図鑑は図版が多く、その印刷がきれいである方が良いから、大型厚手の書籍となりがちである。他方で、その目的が生物などの同定であることから、野外で活用したい場面もある。中には大部の図鑑を担いで山に出るものもあるが、出来れば小さい方が扱いやすいであろう。そのような観点から、あえて小さい形の図鑑が作られる場合もある。フィールド図鑑、ポケット図鑑、ハンディ図鑑などと名付けられているのはそのような書籍である。最初からそのために作られているものもあるが、しっかりした図鑑として企画された図鑑に対して、その省略版の形で作られたものもある。
類図鑑的出版物

上記のように、図鑑は博物学的書籍であるが、それが一般化するにつれ、それ以外のジャンルにおいても図鑑的体裁の書物が出されるようになった。上記のように学習書を多く手がける出版社が出した児童向け図鑑シリーズには、自動車鉄道など工業生産物の図鑑や国語や歴史など教科に関わる図鑑も見られる。後者の場合図鑑と言える体裁は、もはや同シリーズの図鑑と共通の外見であること以外には見出せず、実質は図版を多用した、学習百科事典の一様式といったほうが適切である(鉄道図鑑の中には「特急列車」「ブルートレイン」など、鉄道趣味の方面に踏み込んだものまであった)。怪獣ブームの際には、当然のように怪獣図鑑が、妖怪ブームの際には妖怪図鑑が出版された。これは、むしろ生物図鑑の体裁を意図的に取ることによって、それらしさを演出したと見るべきだろう。
図鑑の例

自然科学・理工学系
動物植物鉄道航空機宇宙人体など

人文・社会科学系地図など

芸術その他切手美術など

低学年向け博物学学習図鑑

脚注^ 文部省日本図書館学会編『 ⇒学術用語集 図書館情報学編丸善、1997年。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-621-04305-6。 ⇒http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi。 [リンク切れ]
^ 俵浩三『牧野植物図鑑の謎』平凡社平凡社新書〉、1999年、98-106頁。ISBN 4-582-85017-0。 

関連項目

学習図鑑

一般人図鑑

典拠管理データベース
国立図書館

ラトビア

その他

公文書館(アメリカ)


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