その後制御機能について、その種類が増えたため制御文字に含まれない制御機能が定められたため、図形文字の定義が「制御機能以外の文字であって、通常は、手書き、印字または表示の可視化表現を持つ。」となった。ここで制御機能とは、「データの記録、処理、伝送または解釈に影響を及ぼし、かつ一つ以上のオクテットからなる符号化表現を持つ動作」であり、制御文字とは、「一つのビット組み合わせだけで表現する制御機能」であるとされている[9][10][11][12][13][14][15]。
さらにUnicode(ISO/IEC 10646)の新しい版では図形文字の定義は「制御機能でも書式文字でもない文字であって、通常は、手書き、印字または表示の可視化表現を持つ。」となり図形文字に含まれないものに書式文字が加わっている。ここで書式文字とは、「周囲の文字の配置または処理に作用することを主な機能とする文字。通常はそれ自身の可視化表現を持たない。」であるとされている[16]。
このような図形文字ではないものが複雑化した結果「図形文字ではないもの」の総称として「非図形文字」という呼び方をすることがある。 前述のように、図形文字とは、一般的に使われる意味での「文字」にほぼ相当するが、一般の言語で言うところの文字(大小のラテン文字、ギリシャ文字、キリル文字、平仮名、片仮名、漢字など)だけでなく数字、約物・数学記号やさらには矢印・罫線素片やハートマークといった可視的表現を持つ記号類もすべてこの「図形文字」に含まれる。 図形文字にどのような文字が含まれ、どのように配列され、どの文字にどのコードを割り当てるかは、文字コードの規格ごとに異なっているが、ISO 646などのISO/IEC 2022に適合したコード体系については図形文字はGL領域(列2から列7まで・0x20?0x7F)またはGR領域(列Aから列Fまで・0xA0?0xFF)に図形文字を割り当てるように定められている。 特定の文字コードに依存しない形で定められている情報処理用語の規格においては図形文字は以下のように分類されている。それぞれわずかに表現が異なってはいるものの、含まれる範囲はほぼ同じである。但し後述のように現在は制御文字に含まれている間隔文字はかつては図形文字に含まれていた。 一般的な言語ではスペース(space)は空白の、空白はスペース(space)のそれぞれ訳語とされることが多いが、現在の情報処理の用語規格では以下のように空白(文字)と間隔(文字)は厳密に区別された別のものであるものの「文字集合によっては区別していない」とされている[23]。但し、かつては「間隔文字は制御文字ではないが、書式制御文字と同じような機能を持っている」として間隔文字を図形文字に含めていたこともある[18]。
図形文字に含まれるもの
数字、英字、仮名、漢字、仮名、特殊文字[3]
数字、欧字(英字、その他の欧字)、漢字、仮名、間隔文字、特殊文字[17]
数字、欧字(英字、その他の欧字)、漢字、仮名、間隔文字、特殊文字[18]
数字、欧字(英字など)、表意文字(漢字など)、仮名、特殊文字[19]
数字、英字、表意文字(漢字など)、仮名、特殊文字[20]
数字、欧字、表意文字、特殊文字[21]
数字、表音文字(欧字、仮名、その他)、表意文字(漢字、その他)、特殊文字[22]
スペース(空白)の扱い
空白(文字)blank charecter 図形文字の一つとして「図形文字列において空いている位置を表す文字」と定められている[23]。
間隔(文字)space charecter 制御機能文字の一つとして「印字位置または表示位置を、図形文字を作成しないで行に沿って一桁進める文字」と定められている[24]。
脚注^ JIS C 6220-1969 「情報交換用符号」
^ JIS C 6230-1970 「情報処理用語」
^ a b JIS C 6230-1977 「情報処理用語」
^ JIS X 0201-1976 「情報交換用符号」 p.1
^ JIS X 0208-1983 「情報交換用漢字符号系」 p.1
^ JIS X 0202-1984 「情報交換用符号の拡張法」 p.3
^ JIS X 0208-1990 「情報交換用漢字符号」 p.1
^ JIS X 0212-1990 「情報交換用漢字符号 補助漢字」 p.1
^ JIS X 0201-1997 「7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合」 p.2
^ JIS X 0211-1991 「符号化文字集合用制御機能」 p.4
^ JIS X 0211-1994 「符号化文字集合用制御機能」 p.5
^ JIS X 0221-1995 「国際符号化文字集合 (UCS)」p.3
^ JIS X 0221:2001 「国際符号化文字集合 (UCS)」 p.3
^ JIS X 0208:1997 「ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化漢字集合」 p.3
^ JIS X 0213:2000 「7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化拡張漢字集合」 p.3
^ JIS X 0221-2007 「国際符号化文字集合 (UCS)」 p.5
^ JIS X 0001-1981 「情報処理用語」
^ a b JIS X 0004-1987 「情報処理用語(データの構成)」
^ JIS X 0004-1989 「情報処理用語(データの構成)」 p.3
^ JIS X 0001-1994 「情報処理用語 基本用語」 p.7
^ ISO/IEC 2382-4:1994
^ JIS X 0004:2002 「情報処理用語(データの構成)」p.3
^ a b JIS X 0004:2002 「情報処理用語(データの構成)」 p.5
^ JIS X 0004:2002 「情報処理用語(データの構成)」 p.6
表
話
編
歴
文字コード
日本語用の
文字コード
符号化文字集合
JIS X 0201
JIS X 0208
JIS X 0212
JIS X 0213
JIS X 0221(日本文字部分レパートリ)
文字符号化方式
ISO-2022-JP
EUC-JP
Shift_JIS
Shift_JISX0213
Shift_JIS-2004
EUC-JISX0213
EUC-JIS-2004
ISO-2022-JP-3
ISO-2022-JP-2004
漢字シフトコード
文字一覧
JIS X 0213非漢字一覧
JIS X 0213漢字一覧の1面
JIS X 0213漢字一覧の2面
JIS以外の公規格
MJ文字
入管正字