回生ブレーキ
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^ 架線に流すことができる最大電流量を超えてしまうと架線が溶断してしまう危険があるため、変電所は電車からの回生電流に応じて、送電する電流量を絶えず調整しなければならない。
^ 交流は時間によって電圧が周期的に変化する為、架線側の周波数と位相がずれた電気を戻すと変電所や他の電車に負担がかかり、正常な送電ができなくなる。
^ 1988年JR東日本651系電車が交直流電車に回生ブレーキを搭載した日本最初の例である。
^ 頻繁な高深度充電は電池の寿命を著しく短くするため回生電力量を抑えなければならず、充電のみの負荷ではブレーキ力をまかなうことができない。
^ 停車駅直前で発生するとブレーキが切り替わっても制動力が足りず、空気ブレーキのような車輪やディスクを締め付けるタイプの機械式ブレーキは、比較的高速域からの減速において制動力が回生ブレーキに劣り、オーバーランの原因となるとされがちだが、少なくとも日本においては、電源喪失時にも非常制動力を確保する法規(制動600m制限)が存在するため、物理ブレーキのみで停れない・制動距離が伸びるということはなく、運転士の操作(空気ブレーキの立ち上げと増圧)が的確であればオーバーランにはならない。ただしこのために急激にブレーキ管が減圧するため、圧力確保の間停車時間が長くなる。
^ 列車同士は事故防止のため一定以上の距離を保つ必要があり、それに列車自体の長さも加わるため、回路を構成する区間(距離)が短ければ、収容できる列車の本数も少なくなる。
^ 失効のような不安定要素を持つ回生ブレーキは抑速目的には向いていないが、もし抑速ブレーキとして使用した場合、その失効時に空気ブレーキだけでは性能が不十分な場合もありうるため、発電ブレーキへの切り替え機構が必要となる。例に挙げた近鉄の場合には、かつて奈良線でブレーキ不良による下り勾配での重大事故で多数の犠牲者を出した経緯があり、ブレーキ力の確保について特に神経質なことも手伝って、VVVF制御で本来は抵抗器を必要としない車両にブレーキ用抵抗器を搭載する状況となっている。
^ 高速域からの減速では、力行制御用の主抵抗器だけでは容量が不足する。
^ デッドセクション長を超えると、両変電所の回路を直結してしまい、トラブル発生の原因となるため。
^ 例えば戦前に回生ブレーキ搭載車を使用していた阪和電気鉄道→南海鉄道山手線では、戦時中の新設変電所まで回転変流機を設置して、回生ブレーキの効果を最大限に発揮可能なよう配慮していた。
^ これに対し、かつて広く用いられていた水銀整流器は少し事情が特殊である。水銀整流器は順変換とは逆に陰極負極に、変圧器中性点を正極へ接続し、変圧器の2次端子電圧を引き下げた上で格子印加電圧の位相をシフトさせることで、逆変換装置として使用可能である。だが、回生ブレーキの使用にあたっては力行と回生の間で電動機のモード遷移が不規則に行われるため、いずれの状態にも対応可能なように順変換と逆変換で最低2組の整流器を常時並列接続で稼働状態に置く必要があり、また整流器を両用可能とするには回路切り替え機構のために複雑な結線とする必要もある。そのため水銀整流器が現役であった時代においては、回転変流機と水銀整流器を回生ブレーキ用途で比較する限り、水銀整流器のコスト面での優位性は整流器の複数設置によるコスト増で相殺されてしまい、むしろ大半の場合は回転変流機の方が回路構成を単純にでき、コスト的に有利という結果となっていた。なお、水銀整流器を順方向への整流にのみ利用可能な状態の変電施設で、回生ブレーキ車を使用して回生失効が頻発するような状況となった場合、整流器に少なからぬダメージを与えることが判明している。
^ なお、不意にエンジンが停止するなどした場合ブレーキ倍力装置の効果が喪失してブレーキの踏み増しが必要になることがあるため、漫然としたブレーキングは厳に戒めねばならない
^ 減速時と加速巡航時とで発電量を変える。

出典^ 京王電鉄 (2014年5月28日). “回生電力貯蔵装置」を導入します” (PDF). 2017年5月4日閲覧。 “1. 回生電力貯蔵装置の役割 発電時に使用されなかった回生電力を、回生電力貯蔵装置内の蓄電池に充電し、電車の走行用電力として供給します。”
^ “低炭素社会の実現に向けた取組み 。TXの取り組み”. つくばエクスプレス(TSUKUBA EXPRESS). 2024年2月18日閲覧。

参考文献

川辺健一『鉄道車両メカニズム図鑑』学研 2012年
ISBN 978-4-05-405338-0 C0076

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