回生ブレーキ
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注釈^ 電気車においても抵抗器が発する熱を冬期の暖房に用いた例はあるが、これは一般に回生ブレーキとは呼ばれていない。
^ この場合高速走行中の界磁制御も界磁接触器による弱メ界磁制御に代えて磁気増幅器で実行界磁束線を制御することが可能となり、主回路上の接点を減少させられるため保守上優位ともされた。
^ 過渡特性の問題から鉄道車両用には不向きな面がある。また、界磁制御域が広くなるが、極端な弱メ界磁制御やそれに準じる状態での運転が長時間続くと、過電流により整流子のフラッシュオーバなどが多発する。実際、国鉄EF60形500番台で極端な弱メ界磁制御状態の続く連続運転をやらせた結果、この種のトラブルに慢性的に見舞われることになった(より速度に余裕のあるEF65形に交代してからは二度と旅客特急・急行運用につくことはなく、EF65形の補完役はより旧式だが高速特性に優れたEF58形がJR時代に至るまで務めることになる)。この為、国鉄からJR化後に至るまで複巻主電動機の採用は忌避された他、私鉄でも運用距離が長くなりがちな東武鉄道では10000系・10050系のみの採用に終わっている。
^ 摩耗により輪軸径が小さくなると、特に動力車では歯車比を大きく(ローギヤード化)したことと同じとなり、設計時の性能からの乖離が大きくなる。
^ 高野山電気鉄道(在籍全電動車)や京阪電気鉄道京津線(50型の一部)、阪和電気鉄道ロコ1000形およびモタ300形の一部)、名古屋鉄道モ3400形)、それに国鉄EF11形ED42形といった第二次世界大戦前の日本で回生ブレーキを導入した各社の車両は輪軸が焼き嵌めであったこともあり、例外なくこの踏面ブレーキの連続使用による輪軸摩耗抑止とこれに伴う過熱による輪軸弛緩阻止、つまり勾配区間対策を主目的としていた。
^ 東急電鉄では、多くの試作要素が盛りこまれて1960年に登場した6000系 (初代)から回生ブレーキの採用が始まり、同社の8000系が登場した1967年以降、ほとんどの大手私鉄の主力車両が界磁チョッパ制御による回生ブレーキ車となった。また帝都高速度交通営団では1971年6000系以降、トンネル内での余分な放熱を抑制する目的で電機子チョッパ制御とそれによる回生ブレーキ車になった。日本国有鉄道のみが労使紛争やそれに起因する財務状況の悪化から回生ブレーキの実用化が遅れ、いくつかの特殊な例を除くと量産回生ブレーキ車は1968年ED78形、もっとも有用な通勤型電車では、1979年に試作され、1981年に量産化された201系まで待たなければならず、より広範に回生ブレーキ車が使用されるようになったのは1987年国鉄分割民営化以降である。
^ 架線に流すことができる最大電流量を超えてしまうと架線が溶断してしまう危険があるため、変電所は電車からの回生電流に応じて、送電する電流量を絶えず調整しなければならない。
^ 交流は時間によって電圧が周期的に変化する為、架線側の周波数と位相がずれた電気を戻すと変電所や他の電車に負担がかかり、正常な送電ができなくなる。
^ 1988年JR東日本651系電車が交直流電車に回生ブレーキを搭載した日本最初の例である。
^ 頻繁な高深度充電は電池の寿命を著しく短くするため回生電力量を抑えなければならず、充電のみの負荷ではブレーキ力をまかなうことができない。
^ 停車駅直前で発生するとブレーキが切り替わっても制動力が足りず、空気ブレーキのような車輪やディスクを締め付けるタイプの機械式ブレーキは、比較的高速域からの減速において制動力が回生ブレーキに劣り、オーバーランの原因となるとされがちだが、少なくとも日本においては、電源喪失時にも非常制動力を確保する法規(制動600m制限)が存在するため、物理ブレーキのみで停れない・制動距離が伸びるということはなく、運転士の操作(空気ブレーキの立ち上げと増圧)が的確であればオーバーランにはならない。ただしこのために急激にブレーキ管が減圧するため、圧力確保の間停車時間が長くなる。
^ 列車同士は事故防止のため一定以上の距離を保つ必要があり、それに列車自体の長さも加わるため、回路を構成する区間(距離)が短ければ、収容できる列車の本数も少なくなる。
^ 失効のような不安定要素を持つ回生ブレーキは抑速目的には向いていないが、もし抑速ブレーキとして使用した場合、その失効時に空気ブレーキだけでは性能が不十分な場合もありうるため、発電ブレーキへの切り替え機構が必要となる。例に挙げた近鉄の場合には、かつて奈良線でブレーキ不良による下り勾配での重大事故で多数の犠牲者を出した経緯があり、ブレーキ力の確保について特に神経質なことも手伝って、VVVF制御で本来は抵抗器を必要としない車両にブレーキ用抵抗器を搭載する状況となっている。
^ 高速域からの減速では、力行制御用の主抵抗器だけでは容量が不足する。
^ デッドセクション長を超えると、両変電所の回路を直結してしまい、トラブル発生の原因となるため。
^ 例えば戦前に回生ブレーキ搭載車を使用していた阪和電気鉄道→南海鉄道山手線では、戦時中の新設変電所まで回転変流機を設置して、回生ブレーキの効果を最大限に発揮可能なよう配慮していた。
^ これに対し、かつて広く用いられていた水銀整流器は少し事情が特殊である。水銀整流器は順変換とは逆に陰極負極に、変圧器中性点を正極へ接続し、変圧器の2次端子電圧を引き下げた上で格子印加電圧の位相をシフトさせることで、逆変換装置として使用可能である。だが、回生ブレーキの使用にあたっては力行と回生の間で電動機のモード遷移が不規則に行われるため、いずれの状態にも対応可能なように順変換と逆変換で最低2組の整流器を常時並列接続で稼働状態に置く必要があり、また整流器を両用可能とするには回路切り替え機構のために複雑な結線とする必要もある。そのため水銀整流器が現役であった時代においては、回転変流機と水銀整流器を回生ブレーキ用途で比較する限り、水銀整流器のコスト面での優位性は整流器の複数設置によるコスト増で相殺されてしまい、むしろ大半の場合は回転変流機の方が回路構成を単純にでき、コスト的に有利という結果となっていた。なお、水銀整流器を順方向への整流にのみ利用可能な状態の変電施設で、回生ブレーキ車を使用して回生失効が頻発するような状況となった場合、整流器に少なからぬダメージを与えることが判明している。
^ なお、不意にエンジンが停止するなどした場合ブレーキ倍力装置の効果が喪失してブレーキの踏み増しが必要になることがあるため、漫然としたブレーキングは厳に戒めねばならない
^ 減速時と加速巡航時とで発電量を変える。

出典^ 京王電鉄 (2014年5月28日). “回生電力貯蔵装置」を導入します” (PDF). 2017年5月4日閲覧。 “1. 回生電力貯蔵装置の役割 発電時に使用されなかった回生電力を、回生電力貯蔵装置内の蓄電池に充電し、電車の走行用電力として供給します。”
^ “低炭素社会の実現に向けた取組み 。TXの取り組み”. つくばエクスプレス(TSUKUBA EXPRESS). 2024年2月18日閲覧。

参考文献

川辺健一『鉄道車両メカニズム図鑑』学研 2012年
ISBN 978-4-05-405338-0 C0076

関連項目

ブレーキ

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