余震は長期間続き、5月22日までに782回観測されている[17]。中国地震局は24日までにM4.0以上の余震が173回、そのうちM5.0以上が27回、M6.0以上が4回あったと報告した。
8月30日午後4時半(日本時間同5時半)ごろ、雲南省に程近い四川省攀枝花市と涼山イ族自治州の境界付近を震源とするマグニチュード6.1の攀枝花地震が発生、死傷者は600人以上で100万人以上が被災した。5月の大地震と同じ断層の南端のズレに起因するものの、余震ではなく別の地震とみられている[18]。
被害揺れと地滑りで大きな被害が出た北川チャン族自治県。農業発展銀行の北川県支店(前)と宿舎(後)
この地震によって道路や電力・水道・通信などライフラインが寸断された。2008年7月22日、中国民政部の報告によると、現地時間21日正午現在までで、この地震による死者は6万9197人、負傷者は37万4176人に上り、1万8222人がなおも行方不明となっている[19]。14日時点での発表によれば、家屋の倒壊は21万6千棟、損壊家屋は415万棟である[20]。中でも学校校舎の倒壊が四川省だけで6898棟に上り、校舎倒壊による教師と生徒の被害が犠牲者全体の1割以上を数え、学校建築における耐震基準の甘さと手抜き工事の横行が指摘された[21][22]。11月21日の四川省副知事による発表では生徒の死亡者数を1万9065人とし、これは9万人以上とされる死者、行方不明者全体の2割を超えている[23]。国際連合の国際防災戦略(ISDR)は死者は8万7476人としている[24]。
地震により避難した人は約1514万7400人、被災者は累計で4616万0865人となった。
震源地の?川県映秀鎮の死者、行方不明者は全人口1万人の約8割の少なくとも7,700人に上った[25]。
死者・行方不明者が多い地震(世界)順位震央発生日(UTC)死者・行方不明者数(人)規模(M)
1中国・華県1556年1月23日約830,0008.0
2ハイチ・ポルトープランス2010年1月12日約320,0007.0
3アンティオキア115年12月13日約≧260,0007.5
4アンティオキア526年5月29日約≧250,0007.0
5中国・唐山1976年7月28日約≧240,0007.8
6中国・海原1920年12月16日約200,000 - 240,0008.6
7インドネシア・アチェ州沖2004年12月26日約230,0009.1
アゼルバイジャン・ギャンジャ
また、都江堰市を流れる岷江の上流にある紫坪埔ダムなど複数のダムに亀裂が生じたり土砂崩れによって川が堰きとめられて地震湖が生じるなどの被害が確認されており、ダムの緊急放流や下流域からの避難を含む対策が取られている[26][27][28]。 多くの観光客が訪れる地域で起きた地震であったため、文化財などにも大きな被害が出ている。例えば都江堰を建設した父子を祀った二王廟
世界遺産、文化財などの被害
九寨溝においては、九寨溝地域そのものや九寨黄竜空港への道は大きな被害がなかったものの、成都市からの陸路(西回り国道213号、東回り省道205号)が甚大な被害を受け通行不能となり、空路のみとなった。道路復旧に難航したが、2010年11月に、国道213号の復旧により、従来通りの陸路が全面回復した。
西安市郊外の兵馬俑坑でも7体の兵馬俑が損傷した[28]。 被害者の救済のための寄付金と称する詐欺事件が発生している[29]。また、中国紅十字会(赤十字社)のサイトが不正侵入による改竄を受け、義援金の振込先を別の口座番号に書き換えられる被害が出た[30]。 地震発生の数日前から、複数の宏観異常現象が観測されていた事が明らかになっている[31][32] 5月18日までに、武装警察部隊や人民解放軍など15万人近くが現地に動員された[27]。 温家宝総理は即日被災地入りし、地震対策本部を設置するとともに被災地で陣頭指揮を執っている。また、震災5日目には胡錦濤党総書記も震災地の視察を行った[33][34]。中国公安部はデマを流したり、扇動を行ったりする者には厳しい対処を行うと通知している[35]。 またネットでは、専門家が今回の大地震を予報したが、中国の地震局がこれを無視したとの発表もされた[36]。 四川省綿竹市にある、地震発生時刻を指して止まった時計塔は、そのままの状態で永久保存されることになった[37]。最も被害のひどかった北川は、町の再建が不可能と判断し住民全員を移住させ、町全体を「地震教育基地」として保存することになると言われている[38]。 5月18日、中国国務院より、19日から21日までの3日間は全国哀悼日と制定[39] され、中国国内のほか海外の中国大使館などで半旗が掲げられ、この地震による死者に弔意を表した。これは中国の歴史上、初めて自然災害による死者のために、天安門広場で半旗が掲げられたことになる。また、全国の映画館や劇場などの公共娯楽施設の営業が禁止された[40]。 全国哀悼日の初日である5月19日には、地震の発生時刻である14時28分に全国一斉に3分間の黙祷をささげた。
地震に便乗した犯罪
前兆現象
5月10日、四川省綿竹市西南鎮の檀木村で、数十万匹のヒキガエルの大規模な移動があった[32]。
地震の数日前、四川省に近い湖北省の恩施の池で、8万トンの水が5時間でなくなった[32]。
中国国内の反応天安門広場に掲げられる半旗(2008年5月19日)香港、中環(セントラル)で掲げられる各国の半旗(2008年5月19日、なおサウジアラビアの国旗は半旗にしてはいけないことになっている)