四川大地震
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震源地の?川県映秀鎮の死者、行方不明者は全人口1万人の約8割の少なくとも7,700人に上った[25]

死者・行方不明者が多い地震(世界)順位震央発生日(UTC)死者・行方不明者数(人)規模(M)
1中国・華県1556年1月23日約830,0008.0
2ハイチ・ポルトープランス2010年1月12日約320,0007.0
3アンティオキア115年12月13日約≧260,0007.5
4アンティオキア526年5月29日約≧250,0007.0
5中国・唐山1976年7月28日約≧240,0007.8
6中国・海原1920年12月16日約200,000 - 240,0008.6
7インドネシア・アチェ州沖2004年12月26日約230,0009.1
アゼルバイジャン・ギャンジャ1139年9月30日約230,000-
9中国・洪洞1303年9月25日約≧200,0007.6
10イラン・ダームガーン856年12月22日約200,0007.9
11イラン・アルダビール893年3月23日約150,000-
12シリア・アレッポ(英語版)533年11月29日約130,000-
シリア・アレッポ1138年10月11日約130,0007.1
14イタリア・メッシーナ1908年12月28日82,000 - 120,0007.1
15トルクメニスタン・アシガバード1948年10月6日約110,0007.3
16日本・関東1923年9月1日105,3857.9
17中国・直隷1290年9月27日約100,0006.8

また、都江堰市を流れる岷江の上流にある紫坪埔ダムなど複数のダムに亀裂が生じたり土砂崩れによって川が堰きとめられて地震湖が生じるなどの被害が確認されており、ダムの緊急放流や下流域からの避難を含む対策が取られている[26][27][28]
世界遺産、文化財などの被害

多くの観光客が訪れる地域で起きた地震であったため、文化財などにも大きな被害が出ている。例えば都江堰を建設した父子を祀った二王廟では、山門の一部が倒壊し、本堂にも被害が出ている。また、江油市李白旧居も山門が全壊し、建物も一部が損壊した。

九寨溝においては、九寨溝地域そのものや九寨黄竜空港への道は大きな被害がなかったものの、成都市からの陸路(西回り国道213号、東回り省道205号)が甚大な被害を受け通行不能となり、空路のみとなった。道路復旧に難航したが、2010年11月に、国道213号の復旧により、従来通りの陸路が全面回復した。

西安市郊外の兵馬俑坑でも7体の兵馬俑が損傷した[28]
地震に便乗した犯罪

被害者の救済のための寄付金と称する詐欺事件が発生している[29]。また、中国紅十字会(赤十字社)のサイトが不正侵入による改竄を受け、義援金の振込先を別の口座番号に書き換えられる被害が出た[30]
前兆現象

地震発生の数日前から、複数の宏観異常現象が観測されていた事が明らかになっている[31][32]

5月10日、四川省綿竹市西南鎮の檀木村で、数十万匹のヒキガエルの大規模な移動があった[32]

地震の数日前、四川省に近い湖北省の恩施の池で、8万トンの水が5時間でなくなった[32]

中国国内の反応天安門広場に掲げられる半旗(2008年5月19日)香港、中環(セントラル)で掲げられる各国の半旗(2008年5月19日、なおサウジアラビアの国旗半旗にしてはいけないことになっている)

5月18日までに、武装警察部隊や人民解放軍など15万人近くが現地に動員された[27]

温家宝総理は即日被災地入りし、地震対策本部を設置するとともに被災地で陣頭指揮を執っている。また、震災5日目には胡錦濤党総書記も震災地の視察を行った[33][34]。中国公安部はデマを流したり、扇動を行ったりする者には厳しい対処を行うと通知している[35]

またネットでは、専門家が今回の大地震を予報したが、中国の地震局がこれを無視したとの発表もされた[36]

四川省綿竹市にある、地震発生時刻を指して止まった時計塔は、そのままの状態で永久保存されることになった[37]。最も被害のひどかった北川は、町の再建が不可能と判断し住民全員を移住させ、町全体を「地震教育基地」として保存することになると言われている[38]

5月18日中国国務院より、19日から21日までの3日間は全国哀悼日と制定[39] され、中国国内のほか海外の中国大使館などで半旗が掲げられ、この地震による死者に弔意を表した。これは中国の歴史上、初めて自然災害による死者のために、天安門広場で半旗が掲げられたことになる。また、全国の映画館や劇場などの公共娯楽施設の営業が禁止された[40]

全国哀悼日の初日である5月19日には、地震の発生時刻である14時28分に全国一斉に3分間の黙祷をささげた。電車、船、車などは汽笛を鳴らし、防空警報も鳴らされた。この模様は、中国全土に生中継され、夕方のニュースでも大々的に取り上げられた。この全国哀悼日の期間、各地で政府機関や学校、または市民らの自発的な行動により、募金活動やろうそくを使った追悼集会などが行われ、市民らが「中国加油! 四川加油!(中国がんばれ! 四川がんばれ!)」と声援を送る様子が震災特別番組にて繰り返し流された。

2009年3月2日中国民政部により四川大地震発生日である毎年5月12日を「防???日(=防災減災日、防災の日)」と制定された。国民の防災意識を高め、防災に関する知識を普及するのが目的。1年目となる2009年には、四川?川県映秀鎮にて中国共産党総書記である胡錦濤国務院副総理である李克強らが参加する追悼式典が行われた[41]。また、中国各地でも追悼式典や、防災訓練などが行われた。
北京オリンピックへの影響

北京オリンピック組織委員会は中国各地で行われる聖火リレーではリレー開始前に1分間の黙祷を行い、関連イベントも縮小すると発表した[42]。だが地震発生翌日の13日に行われた福建省竜岩市でのリレーではスタート時に黙祷などの犠牲者を悼む行事は全く行われず、ネット上には「われわれ中国人には良心のかけらもないのか」「聖火リレーをやめ、節約したお金を救援活動に回すべきだ」といった批判的な書き込みも多数寄せられた[43]

地震直後にはリレーの日程自体やコースは変更しないと発表していたが[44]、地震発生から1週間目にあたる5月19日から21日までは追悼のため一時中止した。また、6月中旬に予定されていた四川省内でのリレーは8月の開会式直前に延期[45]、チベットでは3日間の予定を1日に短縮した[46]


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