無尽業法には、無尽が営業として行われる場合には商行為となる旨の規定が存在していた(同法旧2条)。しかし、無尽業を行うことができるのは営業免許を受けた株式会社に限られているので、この規定は実益がなかった(無尽業法の適用を受ける無尽業者は、現在は日本住宅無尽株式会社のみ)。また、担保付社債信託法には、同法による信託の引受を商行為とする旨の規定が存在していた(同法旧3条)。しかし、担保付社債の信託事業を行うことができるのは免許を受けた会社に限られているので、無尽業の場合と同様に実益がなかった。
無尽業を営業的商行為とする旨の規定は、会社法の制定に伴い、担保付社債信託法による信託の引受を絶対的商行為とする規定は、新しい信託法の制定に伴い、それぞれ削除された。
これらの他、旧信託法には信託の引受けを営業的商行為とする旨の規定が存在していたが(同法6条)、新信託法には同旨の規定は存在せず、商法502条13号に営業的商行為として追加された。 法人の性質に鑑み、会社による法律行為、特定目的会社による法律行為、および投資法人による法律行為は、当該法律行為が上記の501条または502条に列挙されたものに該当するか否かにかかわらず、その事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為となるとされている(会社法5条
会社法等における商行為
例えば、貸金業は商法典にいう絶対的商行為にも営業的商行為にも該当しない(502条にいう「両替その他の銀行取引」には該当しないと解されている。)ため、貸金業を営むだけでは商人とも言えないので、手形割引(501条4号に該当)を業とするなどの事情がなければ商法の商行為に関する規定の適用はない。しかし、会社が貸金業を営む場合は、商法典の商行為に該当するか否かを問題とすることなく、会社法の規定の結果、商法の商行為に関する規定が適用されることになる。
このほか、相互会社、外国相互会社
および農林中央金庫については商法典の商行為に関する規定の一部が準用される(保険業法21条2項、198条2項、農林中央金庫法7条)。典拠管理データベース: 国立図書館
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