商船旗（しょうせんき）とは、商船をはじめとする民間の船において国籍・用途を示すために掲揚される旗である。民間用海上旗とも呼ぶ。英語ではCivil ensignという。通常の国旗と同じものを定めている国も多いが、デザインの異なるものや、全く別のデザインのものを商船旗にしている国もある。また、英連邦諸国や日本のように軍艦旗と商船旗が異なる場合もある。

政府が所有する軍艦以外の船（公船）は国旗を掲げるが、沿岸警備隊には独自の旗を制定している国が多い。
各国の商船旗
日本

日本国の商船旗は、1870年（明治3年）制定の太政官布告第57号商船規則によって日章旗と定められた。日本においてはこれ以後この商船旗が慣習的に国旗と扱われていたため、当然ながら日本の国旗と商船旗は同一である（のちの1999年に国旗及び国歌に関する法律として法制化）。また船舶法（明治32年3月8日法律第四十六号[1]）においても商船などの日本の船舶には日本の国旗を掲げる事が明記されている。

第二次世界大戦後の占領下の日本では、連合国から日章旗の掲揚を禁止された期間においては国際信号旗の"E"の旗を基にした商船旗が用いられた。同様に、アメリカ占領下の沖縄では国際信号旗の"D"の旗を基にした商船旗（琉球船舶旗）が用いられた。

一方、現在の日本の自衛艦旗（軍艦旗）は旭日旗であり、商船旗と異なるデザインである。

日本の商船旗である日章旗

日本の軍艦旗・自衛艦旗である十六条旭日旗

?被占領期に用いられた日本商船管理局旗(SCAJAP)

?琉球船舶旗

英国型

イギリスでは、軍艦旗にはホワイト・エンサインが用いられ、商船旗にはレッド・エンサインが用いられた。海事制度を英国に範を採った諸国では同様の旗が用いられている。

イギリス商船旗

オーストラリア商船旗

ニュージーランド商船旗

香港商船旗

フィジー商船旗

インド商船旗

スリランカ商船旗

バングラデシュ商船旗

パキスタン商船旗

マレーシア商船旗

モーリシャス商船旗

ソロモン諸島商船旗

アラブ首長国連邦商船旗

その他

国旗と異なる意匠の商船旗としては次のものなどがある。

アルバニア共和国の商船旗。

イタリア共和国の商船旗。海軍旗とほぼ同一だが、左上の意匠と王冠がない点が異なる。

イスラエル国の商船旗。

サウジアラビア王国の商船旗。

シンガポール共和国の商船旗。

中華民国（台湾）の商船旗

マルタ共和国の商船旗。

ルクセンブルク大公国の商船旗。

フランスの商船旗。国旗よりも赤色の面積比が大きい。

注釈^ “船舶法（明治三十二年法律第四十六号）”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2018年5月25日). 2019年12月30日閲覧。 “2019年4月1日施行分”

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