被甲目 Cingulata
Xenarthra[32]
北方真獣類
齧歯目 Rodents
霊長目 Primates
皮翼目 Dermoptera
登木目 Scandentians
Euarchonta
Euarchontoglires[35]
ローラシア獣類
真無盲腸目 Eulipotyphla(かつての食虫目の一部。詳細は同項参照)
翼手目 Chiroptera
奇蹄目 Perissodactyla
鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
広獣類[33][34][31]
食肉目 Carnivora
鱗甲目 Pholidota
Ferae
Laurasiatheria[33][34]
Boreoeutheria[37][38]
Placentalia
Theria
Mammalia
上記の系統樹の凡例:
系統樹は2012年から2017年までの複数の引用文献(系統樹内を参照)、および2020年のサーベイ論文[44]を用いて作成した。
系統樹中に登場する引用は、その分岐を明示してある参考文献を記したものである。例えば「獣亜綱」のところについている引用(キャンベル11版 pp.852-853)は「獣亜綱」が「有袋類」と「有胎盤類」に分岐する事を記してある文献である
論文から引用した場合は、論文本体ではなく「Abstract」や「Introduction」の節からのみ引用した。これは論文本体の記述は(論文発表時点では)定説になっていない新説であるのに対し、これらの節は既存研究を客観的かつ網羅的に記載するためのものだからである。ただしサーベイ論文[44]や書籍[45]に関してはその限りではない。
上記の系統樹に対して生物学者の間でどの程度合意が取れているかは、系統樹の分岐箇所により異なるが、最初の
哺乳類
の部分に関しては、多くの化石の証拠と分子系統解析の結果から合意が取れている[30]。 哺乳類 - 獣亜綱の下にあたる有胎盤類内の系統が という3つに分かれる事は概ね合意されている[46][47]。 なお、この3つの系統はパンゲア大陸の分裂と密接に関係している事が強く示唆されており[48][49]、実際パンゲア大陸の分裂により誕生したアフリカ大陸、南アメリカ大陸、ローラシア大陸に対応する地域にアフリカ獣類、異節類、北方獣類がそれぞれ分布する[48]。 しかしこれらの大陸の分裂の順番と年代は、分子系統解析が明らかにするアフリカ獣類、異節類、北方獣類の分岐の順番と年代とは異なっている[48]。まず順番に関して言えば分子系統解析はこれら3つの系統がほぼ同時期に分岐した事を示唆する[48]。 また時期に関しても、アフリカ大陸と南アメリカ大陸の分岐の時期がおよそ1億500万年前だとされているのに対し[48]、これら3系統の分岐はおよそ8800?9000万年前と推定されており[31]、両者の年代は大きく異なっている。もちろん分子系統解析は(分岐が何世代前に起こったかはある程度推測できるものの)分岐が起こった年代を直接推定できるわけではなく、年代の推定には仮定をいくつも重ねなければならないという事情はあるが、2010年以降の研究は大陸の分裂よりも3系統の分岐のほうがはっきりと後に起こったとする傾向がある[48]。 こうした差がある原因は、大陸は分裂後も距離的に近くにあった為、しばらくは動物相の交流が可能であった為と考えられる[48]。実際、陸地が分裂状態にあっても海を渡った漂流が居住地域を拡大したと考えられる例は(パンゲア大陸の分裂以外で)いくつか存在し[48]、このような推定を傍証する[48]。 なお上記3系統はほぼ同時期に分岐したので[31]、これらのうちどれが最初に分岐したのかに関する合意は2017年現在存在しない[50][47]。すなわち、下記の3つのいずれの分類が正しいのか決着がついていない[50][47]:
有胎盤類
北方真獣類 + アトラントゲナータ(「大西洋で生じた分化」[51]あるいは「大西洋類」の意[52]:異節類+アフリカ獣類)
アフリカ獣類 + エクサフロプラセンタリア