哈日族
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台湾のマクドナルド各店では、販売促進のため、ハローキティ人形を、1ヶ月で計4タイプ、マックセットを注文した客には69ニュー台湾ドル、ハローキティ人形だけの場合には119ニュー台湾ドルで販売したところ、台湾のマクドナルド各店では開店前の夜中から長い行列ができ、50万個用意したハローキティ人形は開店とほぼ同時に売り切れ、台湾のマクドナルド各店は販売を正午に変更するなどして対応したが、その後も毎週販売とほぼ同時に売り切れとなり、行列を待つ人の間での暴力事件も起きた[1]。ハローキティは、アジアでの人気が特に高く、香港のマクドナルド各店も1999年7月にハローキティ人形を販売したが、全部で250万個のハローキティ人形は3日で売り切れた。また、ハーモニーランド1998年の外国人観光客の80%が香港人であり、1999年は70%が台湾人である[1]

台湾では図書の輸出入に関しては行政院新聞局の審査が必要なため、言語別の輸出入冊数の統計が公開されており、その統計によると、全輸入図書に占める日本語の割合は、1990年には5%であったが、1997年には10.1%となっている。輸入雑誌に占める日本語の比率は、1990年の15.7%から1997年の22.1%へと増加しており、金石堂書店(中国語版)の1997年の雑誌ベストセラーのランキングの6位に『non-no』が入っている[6]

台湾全土の住民を対象とした市場調査(『1997 ICP行銷資料年鑑』)における「最も好きな音楽」の回答比率では、日本の演歌はあまり変化はみられないが(1991年の4.0%、1993年の5.3%、1996年の4.8%)、J-POPについては1991年の7.3%、1993年の9.3%、1996年の12.8%と一貫して「好き」の比率が増加しており、1994年頃から日本のトレンディドラマ台湾衛星放送局で放送されて人気を博しており、これがJ-POPの人気の高まりと関係しているとみられる[4]

台湾の雑誌『動脳』は、哈日族の特徴を、東方広告公司の市場調査に基づいて以下のようにまとめている[7]
女性がやや多い、若者が多い、高学歴、北部の住民が多い、学生サービス業事務職が多い、家庭収入が高い。

C-POPJ-POP洋楽の全てについて好きな率は全体平均を上回っているが、J-POPは全体が13.3%なのに対して哈日族は38.7%と差が大きい、漫画専門店貸本屋)によく行く。

流行娯楽情報への接触度が高い、日本のドラマをよく見るが、アメリカのドラマも全体平均よりよく見ている。

友達付き合いが上手、休日のスポーツなどに満足度が高い、個性のある商品を好む、ロマンチックで流行的な生活にあこがれている、新しい情報に注意を払っている、広告重視ブランド志向、外出時に化粧をきちんとする。

哈日族に対する分析

比較的親日的とされる台湾においても日本文化に反感をもつ人はみられ、特に、中国大陸から台湾に移住した外省人の哈日族に対する以下のような批判がある[8]


理解できないのは、こんなに多くの者がなぜ日本好きなのかということである。あちこちに日本製品があふれている。「ハローキティ」、「メロディー」、「たれぱんだ」、「団子3兄弟」...ここは日本かと思うくらいだ。我々自身の文化に関心を払う者は誰かいるのか? 古いことを持ち出すつもりは毛頭ないが、彼ら「哈日族」が歴史の勉強をしたことがあるのかどうかを私は知りたい。日本の中国侵略が中国に与えた苦しみは、人々の心の奥深くに埋もれてしまった、とでも言うのだろうか。我々は「徳を以って怨みに報いる」という独特の美徳で日本人を許したが、日本の高官たちが歴史の事実を認めないでいることは、我々にとって不可思議である。新しい世代の日本人はもう戦争に責任をもつ必要はないかもしれない。私自身にも日本人の友人がいる。しかし、それでも私は「哈日族」の行為は、次のように日本政府に言っているように見えるのだ - 「また侵略することを歓迎します!」

1997年に神戸市で中学生による幼児殺害事件が発生時、台湾新聞聯合報』には以下のような意見が掲載されており、実際、台湾で流通しているアダルトビデオや漫画はほとんどが日本製であり、低級な日本文化が多く流通しているという指摘は正しく、台湾と日本の文化的な類似性、台湾では規制が比較的強いことが、日本から低級な文化が多く流入する原因となっている[2]。神戸市の14歳の少年が起こした残酷な殺人事件をみても、日本のマンガやアニメが残酷で性が過剰にすぎることとの関係を否定できない。台湾を日本の低級な文化の販売地帯にさせてはならない。 ? 聯合報、1997年6月30日

李其南は、日本のたまごっちハローキティ香港?仔?アメリカマクドナルドオーストラリアコアラなど、台湾の文化が諸外国から来た消費文化に破壊されており、こうしたことが続くと台湾の独自文化は失われてしまうとして、文化政策の重要性を訴えている[9]

李永熾(中国語版)は、日本文化だけが流行文化ではないのに、台湾では日本の流行文化ばかり取り入れるのが早く、台湾は海外から文化を一方的に取り入れるのではなく交流の視点が必要だと強調している[9]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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