ただし、語源の痕跡について議論するよりも前に、典型的な英語を母国語とする現代の人に日常会話で通じるかどうかも重要な点である。ハンドルネームのように和製英語と同じ形でないと最早英語圏で通じなくなったり、ライフラインのように特定の分野の学術用語が日本語圏で一般に幅広く普及したり、海外ではポリティカル・コレクトネスの観点から使われなくなった語句が日本語では未だに使われている例もある。 和製英語は「外国語の誤用」として否定的に語られることも多い。しかし、和製英語は英語の語彙ではなく日本語の語彙であり、日本語話者でない者に通じないことはある意味当然である。また国内での英語使用の中には日本限定用法が存在し、英語話者との言葉の意味に不一致が生じることもある。例としてリベンジなど。日本語文脈で使われていた和製英語を原語の語形・意味に回帰しようという圧力が働き、その結果、既存の語形・意味と衝突して、混乱を生じることがある。 原語が英語でないが、多くの人に英語だと誤解されている言葉や、商標や商品名、それにフィクション内での固有名詞が外来の普通名称と誤解されている例もある。多くの人に英語だと誤解されている言葉の例として、元がフランス語の「アベック」、「アンケート」[10]などが、商標や商品名が外来の普通名称と誤解されている例としてはホッチキス、キャタピラー、クラクション、マジックインキ、チャックなどがある。 この他、和製英語が示す内容が日本独自もしくは日本国外では未普及・衰退した事例であるために、英語の対応語が存在しない場合もある。 ここでは、文献により「和製英語」とされているものの一例を掲げる。あくまでも一例であり、和製英語として認定するものではない。なお辞書・研究によって和製英語であるか否かの定義や判断が異なる場合がある。和製英語に関する諸問題については上記を参照のこと。 のように示す。単に日本語単語に対する英訳語を掲げるのみ、或いは英単語に対する日本語訳語を掲げるのみで、「和製英語である」という指摘のない出典は対象としない。また単に「(2017年3月現在の)英語圏では使わない」というだけのものも除外する。なお相当する英単語が指摘されないものは出典だけを示す。 和製英語では無いという指摘のある出典があれば併せて掲げる。
和製英語は「日本語」
和製英語の一例
凡例
日本語 ー「相当する英単語」(この英単語に相当する「和製英語」であると指摘している出典)
出典略号
CLHJ
小島義郎・竹林滋・中尾啓介(編)『カレッジライトハウス和英辞典』研究社、1995年
CLHE
竹林滋・小島義郎・東信行(編)『カレッジライトハウス英和辞典』研究社、1995年
NJED
渡邉敏郎・E. Skrzypczak・P. Snowden(編)『新英和大辞典 第5版』研究社、2003年
広辞苑
岩波書店『広辞苑』第五版、1998年 (和製語であるとの記載のみ)
日本語圏での一般的な造語
ア行
アウトコース - outside (CLHJ)
アクセル(ペダル) - gas pedal(米)、accelerator(英)
アドバルーン - advertising balloon(CLHJ)
アフターサービス - customer service, user support, aftersales service
アフレコ - postrecording、dubbing
イートイン - stay、for-here、 eat out food and drinks in a casual style
イメージガール - promotional model [11]
インコース
ウインカー - turn signal(米)、blinker(米)、(directional) indicator(英)
エンカウント - encounter
エントリーシート - application form
オートバイ - motorcycle (CLHJ)
オーバーシュート - outbreak, pandemic, surge (of infections)(感染拡大の意味合いとしては和製英語)
オーブントースター - toaster oven
オープンカー - convertible, cabriolet
オフィスレディー (OL) - (female) office worker (NJED)、company employee
オフヴォーカル - instrumental, backing track
カ行
Size:38 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef