和歌山毒物カレー事件
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ただし、事件前年の1997年(平成9年)は病原性大腸菌O157の影響で中止されていた[12]。事件後、自治会の夏祭りは開かれていない[14]
^ 後に混入された毒物は亜ヒ酸[3]と判明した。
^ a b 青酸反応については、被害者の吐瀉物に含まれていたチオシアン(タマネギに含まれる)を前処理により除去しなかった為に反応したことが後に判明している。
^ a b c 退屈などの理由で、役員班長会議の段階で複数人で見張る約束をするなどの動きがあった。実際に当日は、眞須美を除く当番は全て複数人で鍋の見張り当番をした。
^ a b この住民Aは、後に自責の念に大変苦しむ事となった。ただし、見張り当番は本来は班長の役割であり、Aは役員ではあったが班長ではなかった。
^ 当初発表では患者数は66人とされていたが[12]、7月27日になって新たに1人(軽症)が入院した[28]
^ 和歌山市保健所には25日22時ごろ、患者が搬送された一病院から「青酸化合物特有の瞳孔が閉じている症状が出た」という連絡があったが、他の病院に問い合わせても同様の報告はなかったため、保健所は毒物対応を具体的に指示しなかった[12]
^ この際、使用された毒物の組成を調べるために、SPring-8が使用された。亜ヒ酸に含まれる特定の不純物元素の量を比較して、異同識別が行われた。この為の重元素不純物の検出には『SPring-8の性能が必要』とされたためである[34]
^ a b c 林健治(1945年〈昭和20年〉5月6日[39] - )は2014年、実名で妻・眞須美や篠田博之月刊『創』編集長)とともに著書『和歌山カレー事件 獄中からの手紙』(創出版)を出版している[40]
^ 林夫婦が共謀し、健治の病状を偽って高度障害保険金約1億3,700万円を詐取したとされる容疑[41]
^ 当時の園部周辺ではヒ素の所持がありふれていたという出所不明の情報が散見されているが、その様な事実は確認されていない。
^ a b ガレージで使用されたゴミ袋から発見された青色紙コップ付着の亜ヒ酸も含む。
^ a b ヒ素は白アリ駆除に非常に有効であるが、人体への影響で1986年に使用が禁止され、以降の使用は違法である。また、バリウムはヒ素を白アリに付着させて巣に返す目的で使用される。
^ 青色紙コップが入ったゴミ袋は、カレー鍋等の移動と同時に住民Gによって夏祭り会場北東端に移された。その際に、ゴミ袋の両端で縛って口を閉じた状態で置かれた。仮に夏祭り会場で混入されたとすると犯人は、会場の北端に置いてあったゴミ袋の口をほどいてその紙コップを捨てたことになり非現実的とされた。
^ ただし、眞須美とTはさほど親密な関係にあったわけでない上に、同人は旧宅ガレージ内にヒ素があったことさえ知らされていなかった。そのため眞須美は、ヒ素の証拠隠滅等をTに気楽に依頼できる立場にはなかった。
^ ヒ素は無機ヒ素と有機ヒ素の2つに大きく分類され、無機ヒ素の方が毒性が強い。無機ヒ素には、3価と5価のヒ素があり、3価の無機ヒ素がヒ素の中で最も毒性が強い。亜ヒ酸は代表的な3価の無機ヒ素であり、5価の無機ヒ素にはヒ酸がある。メチルヒ素中心とした有機ヒ素には、メチル化ヒ素、ジメチル化ヒ素、トリメチル化ヒ素(アルセノベタイン)がある。動物実験では、メチル化ヒ素は無機ヒ素の1/50、ジメチル化ヒ素は無機ヒ素の1/100、トリメチル化ヒ素(アルセノベタイン)は無機ヒ素の1/300の毒性という報告例もある。
^ 健治の白蟻駆除業は、園部に引っ越す3年前に廃業していて、ヒ素は眞須美の実兄に引き取られていた。そして、白アリ駆除工事等で園部の林宅にヒ素が持ち込まれる合理的な理由は存在せず、健治が持ち込んだ事実も認められなかった。
^ 和歌山地裁はガレージで次女が味見をした事実を認めたが、大阪高裁は以下の理由から認めなかった。「次女が西鍋カレーの味見をしたことを示す直接的な証拠は、被告人の当審供述を除けば、次女の供述があるだけであり、それを裏付け得るものとしては、被告人の長男が、原審において、次女からその旨を聞いたと供述しているほか、被告人及び健治の逮捕前の言動の中に、子供が夏祭りカレーを食べたことをほのめかすかのようなものがあるだけである。これらの証拠のうち、次女の供述が基本的に信用できないものであることは、前記のとおりである。そして、カレーの味見をしたという点についても、次女がガレージに居たのは、当日13時に見張り当番を交代する前のせいぜい数分間であると認められ、その間、いつ次の当番が来てもおかしくなかったはずであることや、次女が指を直接突っ込んでなめたという西鍋カレーは、火を止めてから数十分しかたっておらず、まだ熱かったはずであること(ちなみに、関係証拠によれば、捜査機関において、カレー毒物混入事件当日と同一条件でカレーの調理状況を再現し、火を止めた後のカレーやカレー鍋の温度変化等について実験したところ、火を止めて1時間経過した後でも、カレーの温度は6度しか下がらなかったことが認められることに照らし、その内容自体不自然の感を否めない。加えて、関係証拠によれば、被告人が蓋を開けた場面を目撃した女子高生Fは、カレー毒物混入事件当日以降、被告人がカレー鍋の蓋を開ける場面を目撃したことを母親や友人、警察官らに告げていたことが認められ、次女も、そのような目撃供述があることを「次女供述」の当時から知っていたと推測されること、また、次女は、事件当時の自分自身の服装を被告人のそれに合わせるような虚偽の供述をしており、周辺住民(特にF)が自分と被告人とを見間違えたかのようにする意図がうかがわれることにかんがみると、次女は、被告人がカレー鍋を開ける場面を目撃した旨のFの前記供述を否定するため、自分がカレーの蓋を開けて味見をした旨の虚偽の供述をした可能性が高いというべきである。そしてまた、長男の原審供述についても、原判決が判示するとおり、同人の供述は変遷が著しい上に、周辺住民の供述との食い違いも大きく、全体として信用性を欠くといわざるを得ないし、被告人や健治の上記各言動も、そもそも次女の供述を裏付けるものとはいい難い上、次女が被告人の面前でカレーを口にしたという事実は、被告人がカレーに亜ヒ酸を混入させた犯人でないという主張の根拠となり得るにもかかわらず、被告人らがそのことを捜査機関やマスコミ等に主張した形跡がうかがえないことからすれば、かえって、その事実がなかったことが推認される。以上によれば、被告人と一緒に見張りをしていた際にカレーの味見をしたという次女の証言は信用できず、そのような事実はなかったと認めるのが相当である。そしてまた、被告人は、次女と2人でカレーの見張りをしていた際の状況に関し、次女との間の具体的な会話内容に至るまで詳細に供述しているが、さほど印象に残るとも思われないような事項にまで詳細に記憶し供述できること自体不自然であるし、その内容は、比較的詳細な「次女証言」や、事件に近い時期になされた「次女供述」にもほとんど表れておらず、しかも、その会話の流れは、次女がカレーの味見をしたことがさも自然であるかのような都合のよい内容となっているのであって、信用し難いものといわざるを得ない」
^ 大阪高裁は動機について、「経緯にかんがみると、ガレージ内で他の主婦から疎外され、氷の件で近隣を回らされるなどしたことに対する腹立ち紛れから犯行に及んだと見るのが最も自然であるが、被告人が真実を語ろうとしない状況において、そのように断定することまでは困難である」とした上で、「本件全証拠を精査しても、被告人の行為を多少なりとも正当化し得る事情はうかがえないのであって、少なくとも、被告人が、およそ人を殺傷する理由とはならない理不尽で身勝手な動機目的のために上記犯行に及んだことは確かである」と判示した。
^ 保険金詐欺事件を除く。
^ 従業員Mに対する殺人未遂事件については無罪となった。
^ # バイク事故偽装事件:1993年5月、健治が旅館で転倒して骨折したのをバイク事故が原因と偽装し、後遺障害保険金など2,052万円を詐取した[52]
やけど事件:1996年2月の眞須美の両足やけどの原因を自転車事故と偽り、入院給付金459万円を詐取したほか、後遺障害保険金など7,443万円の詐取を図った[52]

高度障害偽装事件:1997年4月 - 8月に健治が入院した際、両手足の機能を失ったように装い、高度障害保険金1億3,768万円を詐取した[52]
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