和名
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しかし、伝統的な名称になじみがあること、名前に意味を持たせていたものが失われること(鱗翅目→チョウ目)、あまりになじみのある名前の場合、所属する種との間に違和感が生じること(ネコ目にイヌが含まれる)など、批判するものも多い[9][10][11][12]

また、有力な研究者や学会などの総意などによって、科や目など上位分類群すべてまとめて和名を変更する場合がある。その場合、その分類群に所属する種ほとんど全部の名前が変わることもある(例:少脚綱・ヤスデモドキ綱→エダヒゲムシ綱、ドクグモ科→コモリグモ科)。最近は差別的表現とみなされる言葉の含まれる名前などがその対象となる例もある(イザリウオ→カエルアンコウ[13]。ただし、言葉狩り的運動を嫌い、旧来の名を使う人もいて、複数の和名が併用されている例もある(例:メクラヘビ→ミミズヘビ)。

分類群の統合や分割による分類の変更により、学名に対応する和名が変更される例も多々ある(例:トカゲ属は属の細分化に伴いEumecesからPlestiodonへ変更)[14][15]。和名の変更は混乱を産むことから、できるだけ変更を伴わないよう考慮すべきという指摘もある[16]
出典[脚注の使い方]^ a b 瀬能宏「 ⇒標準和名とは? 差別的語を含む魚類の標準和名の改名をめぐって」(PDF)『自然科学のとびら』第13巻第2号、神奈川県立生命の星・地球博物館、2007年6月15日、10-11頁、2019年6月12日閲覧。 
^ 日本藻類学会 藻類和名ワーキンググループ「 ⇒藻類における和名の提唱と使用に関するガイドライン案について」(PDF)『藻類』第66巻第2号、日本藻類学会、2018年7月10日、130-133頁、2019年6月12日閲覧。 
^ 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
^ 山階芳麿『世界鳥類和名辞典』 大学書林、1986年。
^ 山崎剛史・亀谷辰朗・太田紀子「フクロウ目の新しい種和名」『山階鳥類学雑誌』第49巻 1号、山階鳥類研究所、2017年、31-40頁。
^ 今泉吉典 監修『世界哺乳類和名辞典』平凡社、1988年。
^ 日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ「 ⇒日本モンキーセンター 霊長類和名リスト 2018年11月版」(2018年12月16日公開)2022年12月17日閲覧。
^ 文部省・日本動物学会 編「動物分類名」『学術用語集 動物学編(増訂版)』丸善、1988年、1060-1100頁。
^ 青木淳一「動物分類名の表記に関する論議―食肉目か, ネコ目か」『動物分類学会誌』第51巻、日本動物分類学会、1994年、69-72頁。
^ 田隅本生「哺乳類の日本語分類群名,特に目名の取扱いについて―文部省の“目安”にどう対応するか」『哺乳類科学』第40巻 1号、日本哺乳類学会、2000年、83-99頁。
^ 青木淳一「動物の目名の表記に関する論議―カナ表記か,漢字表記か」『哺乳類科学』第43巻 1号、日本哺乳類学会、2003年、67-68頁。
^ 日本哺乳類学会 種名・標本検討委員会 目名問題検討作業部会「哺乳類の高次分類群および分類階級の日本語名称の提案について」『哺乳類科学』第43巻 2号、日本哺乳類学会、2003年、127-134頁。
^ 松浦啓一 (2007年2月1日). “ ⇒差別的語を含む標準和名の改名とお願い”. 日本魚類学会. 2019年6月12日閲覧。
^ 疋田努「本邦爬虫両棲類和名考」『爬虫両棲類学会報』2002巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2002年、99-111頁。
^ 疋田努「トカゲ属の学名変更〜EumecesからPlestiodonへ〜」『爬虫両棲類学会報』2006巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2006年、139-145頁。
^ 千石正一「和名は日本のことば」『爬虫両棲類学会報』2002巻 2号、日本爬虫両棲類学会、2002年、93-97頁。

関連項目

日本を意味する和の一覧


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