吾峠呼世晴
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2021年2月時点で、『鬼滅の刃』の単行本および電子書籍版、特装版を合わせた累計発行部数が1億5000万部を突破した[18]

同年2月17日、アメリカのニュース雑誌『タイム』において、さまざまな分野で世界をリードすると期待される「次世代の100人(TIME 100)」に、吾峠が日本から唯一選出された[19][20]。同誌は「日本で最も興行収入の多い映画は約20年にわたり『千と千尋の神隠し』だったが、『鬼滅の刃(劇場版)』がその状況を変えた」と述べた[19]

同年3月には、日本の文化庁による芸術選奨文部科学大臣新人賞(2020年度、メディア芸術部門)を受賞した[21]

同年4月28日に『鬼滅の刃』が第25回手塚治虫文化賞の特別賞を受賞し[2]、7月26日には第50回日本漫画家協会賞コミック部門大賞を受賞した[22]

同年7月23日、東京オリンピック開会式出席のためフランスのマクロン大統領が来日、翌24日に首脳会談を行った際、日本の人気漫画家やクリエイターたちと面会していたことが判明し話題となった。この時マクロンは総理よりもまず吾峠呼世晴氏に会わせてほしい≠ニ吾峠に対しても会談を求めたが、多忙かつ表に出ることを避けていることなどもあり実現には至らなかった[23]

同年8月8日、東京オリンピックの閉会式においてアニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマである「紅蓮華」の一節が演奏された。詳細は各遷移先記事内を参照のこと。
漫画家としての特徴

吾峠の初作品『過狩り狩り』について、初代担当編集者である大西恒平は、「ジャンプ志望の作家の中では珍しいタイプ。センスは感じたが、基本的な漫画づくりの基礎がまだできておらず、今後この才能をどう開花させられるかが重要だ」と当時は感じたと述懐している[10]

また『鬼滅の刃』の初代担当編集者となる片山達彦は、『過狩り狩り』について「初見では分かりにくかったが、2度読んだときに構成や振りの巧みさに気づいた」、「圧倒的な才能は周りも認めていたし、私も感じていた」と評価したと述懐している[6]

富野由悠季は吾峠のセンスを文学者に近く、東京人ではないのが強みと分析している[24]
台詞回し

吾峠が作品中の人物に言わせる台詞の特徴について、片山達彦は次のように評した[6]

セリフの力が圧倒的である。あんな言語体系をあまり見たことがない。

セリフが借り物ではない。ジャンプでは「キャラクターを特徴づけよう」と編集部が漫画家へ厳しく指導するものだが、吾峠は「そのキャラクターが言っているな」と感じられるセリフを自然に書いていた。そこに最も才能を感じた。

キャラクター造形

吾峠は「キャラクターの情緒を感じさせる描写に長けている」と評価される[6]

『鬼滅の刃』の主人公が憎むべき仇敵を殺したあとに同情して優しく手を握る場面を見て、片山は圧倒され、「以前からも他の新人作家とは一線を画しているとは思っていたが、こういうキャラクター造形ができるところが、この人の才能なんだ」と感動したという[6]
執筆速度

ネームの執筆速度がとても早く、寝る間も惜しんで描いたこともあった。片山は「その尋常ではない速度から、絶対にプロになるんだという熱意を感じた」と語っている[6]
編集者の意見に対する姿勢

編集者による意見・提案に対して、吾峠は自身の信念を譲らないこともあれば、柔軟に意見を取り入れることもあるという[6]

例えば『鬼滅の刃』では、序盤に主人公が修行を積む場面について、編集者が「もっと短くすべきだ」と提案したが、吾峠は「普通の人間がすぐに強くなるはずがない」として断った。一方で、主人公の師匠役の容姿について編集者が「変更すべきだ」と提案したところ、すぐに変更した[6]。詳細は「鬼滅の刃#編集者の意見に対する姿勢」を参照
影響を受けた作品

吾峠は『週刊少年ジャンプ』の漫画を全般的に読んでいたが、中でも影響を受けたベスト3は『ジョジョの奇妙な冒険』、『NARUTO』、『BLEACH』を挙げている[25]。また『銀魂』のファンでもあり、それらの影響を担当編集者の片山達彦は指摘している[6]。詳細は「鬼滅の刃#本作が影響を受けた作品」を参照

また、上述のとおり『HUNTER×HUNTER』を参考にした編集者の提案に基づき、『鬼滅の刃』では、吾峠が当初は脇役として構想していた人物を主人公へと変更した[6]。詳細は「鬼滅の刃#主人公の変更」を参照

吾峠が考える「かっこいい」人物として、容姿では『ゴルゴ13』を挙げた。内面では、「とある漫画の登場人物が、自動車に轢殺された死体を、周囲の人々から不気味がられながらも汚れを気にせずに抱えて運んだ。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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