吹き替え
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

生放送時代の吹き替えは狭いアナウンスブースに出演声優が全員入り、1本のマイクを取り合いながら台詞を喋っていたが、読み間違いなどのミスも多かったとされる[6]。やがて、16ミリ磁気フィルム録音装置が導入され[6]、日本語音声をテープで収録するアフレコは、1956年4月8日から日本テレビが放送した海外アニメ『テレビ坊やの冒険』から始まったが、この段階では映像と音声をシンクロさせるのが難しく、翻訳家の額田やえ子によれば生放送からアフレコに本格的に移行したのは1958年頃であるという。編集技術が未発達の初期の録音では台詞を失敗すると、再び最初からアフレコし直しとなり、声優の負担は大きかった[7][5]。NHKが音声のシンクロ用に2台の映写機を用いて作品の映像と台詞の音声波形を同時に投映する装置を開発し、台詞のタイミングを合わせやすくし、声優の負担が軽減された[8]。初期の録音スタジオは防音設備も整っておらず、スタジオの外にいた犬の鳴き声が原因でアフレコがやり直しなるほどであった[6]。録音用テープも高価であり、かつてアテレコ口調と言われた独特の平板な喋り方は、演技力よりも何よりも台詞を失敗しないことを最優先にして培われたものである[5]。MEテープが無い場合には効果音と音楽も効果スタッフや選曲家が原音に似た効果音や音楽を用意していた[6]。録音技術が発展したことで演技力に重点を向けることが可能になったとされる[5]

デジタル録音を用いた収録が行われるようになって収録の合理化が進み、制作費を安く抑えることが可能になったことから、予算の少ない専門チャンネルなどでも吹き替え版を制作して放送することが可能になったとされる[7]
日本語版制作会社

日本語版音声の制作は専門の音声制作会社が行なう。当初はテレビ局が行なっていたが、1960年代前半頃より外部のプロダクションに発注するようになった。日本語版制作会社には、太平洋テレビジョントランスグローバル東北新社[9]ブロードメディア・スタジオ(旧:ムービーテレビジョン)、グロービジョン[9]コスモプロモーション[9]ザック・プロモーションニュージャパンフィルム[9]ACクリエイトなどがある。

テレビ用の吹き替えの制作会社はテレビ局に指名権があり、配給権を持つ会社が吹替版制作を行っている業者であっても制作を担当できるとは限らないとされる[9]
吹き替えの種類

作品の公開状況や媒体によって異なる(以下は主に作られるものである)。権利元が制作した一種類に統一するなど一作品に一つとなることもあれば、一つの作品に複数の吹き替えが制作されることもある。
劇場公開版
劇場公開時に制作されるもの。かつては日本語
字幕のみの公開が多かったことから数は少なくアニメ映画[10]や後日公開[11]、再公開が中心だったが、1999年以降は大作[注釈 2]やメジャースタジオ配給の作品を中心に多く作られており、二次利用も想定されているためソフトや配信、テレビ放送時などに流用される場合が多い。基本的には原語に忠実である。本国から翻訳や演技面の監修が行われたり、作品に合わせてサラウンド制作されていることが多いのも特徴である。
ソフト版
メディアソフトに収録のため制作されるもの。レーザーディスクVHS発売のため制作されるようになった。当初は技術的な問題から原語音声との併録が困難だったため字幕(原語音声)のみ発売される作品も多かったが、字幕版と別に「吹替版」として単体発売するなど主にVHSでソフト版は数を増やし、複数の音声が収録可能になったDVD以降は多く作られるようになった。劇場公開版と同じく原語に忠実なものが多い。
テレビ版
かつて(ソフトや配信が無い時代)は主流だった、テレビ局が主体となり制作されるもの。放送枠に合わせて本編をカットした上で収録されるケースが多いが、ノーカット放送の場合などノーカット収録されることもある[注釈 3]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:64 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef