国鉄名古屋駅は、1886年(明治19年)5月に設置された当初は当時の名古屋市街の西端にあたる2013年現在の笹島交差点付近にあった。ここから、名古屋市街中心部に向けて、1898年(明治31年)に名古屋鉄道の前身の一つである名古屋電気鉄道(名電)により路面電車(後の名古屋市電)が開業すると、当地区は交通結節点としての発展を始めた。その後1913年(大正2年)には、名電の郊外向けのターミナルが当地区の東端の柳橋駅に設置された。
昭和になって、1937年(昭和12年)に名古屋駅が現在地に移転すると、名古屋駅東側を南北方向に走る名駅通や名古屋駅から東に伸びる桜通が整備された。また1938年(昭和13年)には関急名古屋駅(2014年現在の近鉄名古屋駅)、1941年(昭和16年)には新名古屋駅(2014年現在の名鉄名古屋駅)が相次いで開業し、これらの駅を擁する名駅地区は交通の集積地としてさらに発展するようになった。
第二次世界大戦後には、名鉄百貨店、近鉄百貨店、松坂屋が相次いで出店し、1957年(昭和32年)には、名古屋で最初の地下鉄である東山線が名古屋駅から栄町駅(2014年現在の栄駅)まで開業すると、名駅地区は地下街の開業など商業地区としての大きな発展を見せることとなる。それでも、この時期の名駅地区は名古屋駅と名古屋市中心街(栄など)への乗換えで通過する町という側面が強かった。
しかし、1999年(平成11年)にJR名古屋駅がオフィス・ホテルや商業施設から成る超高層ビルであるJRセントラルタワーズに建て替えられ、メインのテナントとして島屋が進出してくると、名駅にも人の流れが出来るようになった。また2005年には常滑沖に中部国際空港が開港し、名鉄特急の利用により同空港まで30分以内で乗り換えなしでアクセス可能なビジネス拠点という立地に着目した企業が名駅にオフィスを構えるようになった。
JRセントラルタワーズの開業以降も、名駅地区ではミッドランドスクエア(2006年竣工)・アクアタウン納屋橋(2006年竣工)・名古屋ルーセントタワー(2007年竣工)・モード学園スパイラルタワーズ(2008年竣工)・名古屋プライムセントラルタワー(2009年竣工)などの超高層ビルの建設が相次いでいる。その後も、JRゲートタワー(元:名古屋ターミナルビル、2017年竣工)、JPタワー名古屋(元:名古屋中央郵便局名古屋駅前分室、2015年竣工)や大名古屋ビルヂング(2代目、2015年竣工)などを超高層ビルとして建て替える工事が実施されるなど国内屈指の超高層ビル街への変貌を遂げつつあり、栄と並ぶ名古屋圏を代表するビジネス街としての拠点性が高まっている。
2004年には、それまでのJR西名古屋港支線を旅客路線とした名古屋臨海高速鉄道あおなみ線の名古屋駅が開業している。
町名の沿革
1977年(昭和52年)10月23日 - 以下の通り、中村区名駅一?五丁目および西区名駅一?三丁目が成立[1][2]。
中村区名駅一丁目 - 中村区鷹羽町全域および笹島町・泥江町・広井町・広小路西通・堀内町の各一部
中村区名駅二丁目 - 中村区小鳥町・笹島町・島崎町・広井町の各一部
中村区名駅三丁目 - 中村区上笹島町全域および小鳥町・米屋町・笹島町・志摩町・島崎町・泥江町・広井町・堀内町の各一部