国立大学・公立大学・私立大学で名誉教授になると、旧文部省・現文部科学省より、叙勲の推薦が行われ、国立大学で教授をしていても、名誉教授への到達年数に満たなければ、同省では叙勲対象から除外したあるいは除外するようである[9][10][11]。叙勲となるかどうかは、国立大学教授の場合でも、同一大学における教授としての在職年数が極めて重要になり、以前は10年であったが、そのうち12年となり現在は15年と言われている[12]。
叙勲の前提となる名誉教授の称号は、基本的には、教育上又は学術上功績があるといういわば実質要件が満たされていることに加え、何年教授として在職したのかといういわば形式要件が満たされているのでなければ、授与されない。授与基準は各大学によって異なり、国立大学だけでも以下のように基準が異なる。
通算規定を設けずに、教授として5年以上在職した者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[13]
通算規定を設けずに、教授として5年以上在職し、かつ、教育上又は学術上特に功績がある者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[14]
通算規定を設けた上で、当該大学の専任教授として5年以上かつ大学の教授として15年以上在職し、教育上又は学術上の功績がある者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[15]
通算規定を設けずに、教授として7年以上在職し、かつ、教育上又は学術上功績のあった者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[16][17][18][19]
通算規定を設けた上で、教授として10年以上在職し、かつ、教育上又は学術上功績のあった者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[20][21][22][23]
通算規定を設けた上で、教授として12年以上在職し、かつ、教育上又は学術上功績のあった者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[24]
通算規定を設けた上で、教授として13年以上在職し、かつ、教育上又は学術上特に功績のあった者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[25]
通算規定を設けた上で、教授として15年以上在職し、かつ、教育上又は学術上特に功績のあった者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[26][27][28][29][30][31][32][33][34][12]
通算規定を設けた上で、教授として16年以上在職し、かつ、特に功績のあった者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[35]
通算規定を設けた上で、大学専任教授として20年以上在職し,教育上又は学術上特に功績のあった者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[36]
通算規定を設けた上で、当該大学の専任教授として20年以上在職し、教育上又は学術上特に功績のあった者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[37]
通算規定を設けずに、教授として在職した者であって、かつ、芸術上・教育上又は学術上において、社会的に高い評価を得ている賞等の受賞者あるいはこれと同等以上の者であって、かつ、当該大学の教育・研究上に多大の功績のあった者にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[38]
在職年数を問わず、従って通算規定も設けずに、教育上又は学術上特に功績があった教授にのみ、選考の上、名誉教授の称号の授与を認める大学[39]「大学教員#名誉教授の称号」も参照
なお、名誉教授を授与される本人には、叙勲を辞退する自由がある[40]。
関連する称号
学校教育法上の称号ではないが、東京大学、東京工業大学及び大阪府立大学では、大学規則において特別栄誉教授の称号を制定し、功労ある教授が退任する際などに授与している。その他に名誉客員教授、特別功労教授などがあるが、いずれも学校教育法によらない大学独自の称号である。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 学校教育法第106条 「大学は、当該大学に学長、副学長、学部長、教授、准教授又は講師として勤務した者であつて、教育上又は学術上特に功績のあつた者に対し、当該大学の定めるところにより、名誉教授の称号を授与することができる。」学校教育法第123条「(前略)第百五条から第百七条まで(中略)の規定は、高等専門学校に準用する。」
^ 名誉教授の個人個人に与えられる居室ではなく、来学の際に利用できる部屋として設定されている場合が多い[要出典]。
出典^ 新村出編『広辞苑 第六版』(岩波書店、2011年)2757頁および松村明編『大辞林 第三版』(三省堂、2006年)2495頁参照。
^ a b “特任教授とは?教授や客員教授との違いや仕事内容・給与を徹底解説