受賞者はその市区町村出身の国会議員や首長などの政治家や医師、教育者、研究者、出身の著名人などが多く、政治家の例では元首相の森喜朗が石川県能美市の名誉市民第1号となったことや[33]、羽田孜が長野県上田市の名誉市民になったことが挙げられる[34]。研究者ではノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学教授の山中伸弥が京都市と東大阪市など自身とゆかりある市の名誉市民となっている[35]。 東京都23区のように区制を敷く自治体では名誉市民に相当する名誉区民の称号を制定している。東京都の例では、漫画家から『アンパンマン』の原作者 やなせたかしが新宿区名誉区民に選ばれているほか[36]、『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』の原作者 松本零士が練馬区名誉区民となっている。同様に練馬区では狂言師の野村万作も名誉区民称号の贈呈を受けている[37]。葛飾区では映画監督の山田洋次が同区名誉区民となっている[38]。 町制を敷いている自治体では、名誉市民に相当する称号として名誉町民や特別名誉町民などの称号を制定している。主な例では、ノーベル化学賞受賞者で北海道大学名誉教授の鈴木章が故郷のむかわ町の特別名誉町民に選ばれたことが挙げられる[39]。名誉市民同様、政治家も贈呈の対象だが、佐賀県北方町では当時の町長松本和夫が名誉町民に自身を推薦し、議会で可決したことで物議を醸したことがある[40]。 村制の自治体では名誉市民に相当する称号として、名誉村民などの称号を制定している。政治家では日本航空123便墜落事故の事故現場となった群馬県多野郡上野村の村長で事故対応の陣頭指揮を執った黒沢丈夫が同村名誉村民第1号となっている[41]。 そのほか、著名人の例では、2011年のサッカーワールドカップドイツ大会でなでしこジャパンのDFを務めた岩清水梓に対し、故郷の岩手県岩手郡滝沢村(現滝沢市)の村長 柳村典秀から同村名誉村民の称号が贈られている[42]。熊本県山江村では100歳を超える高齢者に贈っている[5]。 その他、同類の称号として名誉鎮民[43]があり、2018年3月に台湾(中華民国)の苗栗県が創価学会名誉会長の池田大作に名誉鎮民称号を贈った[43]。 日本の国籍法第9条には、日本に特別の功労のある外国人に対して国会の承認を得て行う帰化の制度「大帰化」がある。
名誉区民
名誉町民
名誉村民
その他
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 憲法の専門書では栄誉について、「博士の学位、名誉市民、国会表彰などをいう。」(河野弘幸著『憲法略説』(法律文化社、1982年)67頁。)、「学位、名誉市民、文化功労者、芸術院会員などをいう」(上田正一著『日本国憲法概観』(高文堂、1991年)183頁)、「栄誉は名誉市民、名誉教授などの称号・・・」(服部秀一著『法律学全集 第2巻』(有斐閣、1962年)72頁)などと解説している。
出典^ 本項「国家の名誉市民」の節を参照のこと。
^ 本項「省・州・都道府県など中間自治体における「名誉市民」称号」の節を参照のこと。
^ a b c d 相賀徹夫編『日本大百科全書22』(小学館、1988年) 720頁参照。
^ 新村出編『広辞苑 第六版』(岩波書店、2011年)2757頁、松村明編『大辞泉 第二版』(三省堂、2012年)3564頁、時枝誠記編『角川国語大辞典』(角川書店、1982年) 2061頁、山田忠雄編、酒井憲二編、倉持保男編、柴田武編、笹原宏之編、上野善道編、山田明雄編、井島正博編『新明解国語辞典』(三省堂、2012年) 1483頁参照。
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