名誉市民
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与党社会党の賛成により、スーチーの誕生日である同月19日に称号が贈呈されたこと[22] (2018年12月、ロヒンギャに対する暴力・虐殺に対応しなかったため、パリ議会が剥奪を決定[23][24])、また、2008年に中国の人権活動家の胡佳とダライ・ラマ14世にパリ市から名誉市民称号が贈呈され、中国政府が反発したことが挙げられる[25]。パリ市名誉市民の称号は、その他、ムミア・アブ=ジャマール、イングリッド・ベタンクール、ユーリ・バンダジェフスキー、シャルリー・エブド、タスリマ・ナスリン[26]らに贈られている。芸術分野では2011年7月12日、米国人歌手のレディー・ガガが同性愛者支援の功績で豪州シドニー市から名誉市民の称号が贈られている[27]。一方、称号を剥奪した例としては2004年にハンガリーの首都ブダペストが同国のEU加盟を目前に、かつてソ連のスターリンに贈っていた名誉市民称号を「人類に対する重要な罪」を理由に取り消したことが知られているほか[28]、ドイツ北部のゴスラー市では2013年10月27日、1934年にアドルフ・ヒトラーに贈られていた名誉市民称号が手続き上の見落としにより、取り消されていなかったことが発覚し、同日、市議会の全会一致で称号剥奪が決議されている。なお、ヒトラーのは存命中、ドイツ国内の約4000の自治体から名誉市民称号が贈られているが、死後ほとんど取り消しとなっている[29]。アウンサンスーチーもロヒンギャ問題への対応不足により、カナダ[30]、パリ[31]、英国のグラスゴー市、ニューカッスル市、エディンバラ市[32]の名誉市民の称号を剥奪された。日本では、1949年(昭和24年)仙台市が志賀潔、土井晩翠、本多光太郎らに名誉市民の称号を贈ったのに始まり、今日では多くの市がこの制度を設けている。また、町、村などの自治体も、この制度に倣って、名誉区民、名誉町民、名誉村民などの称号を贈ることも多くなっている[3]。名誉市民を表す英語honorary citizenのhonoraryは義務や特権、報酬を伴わないことをその重要な意味としているが、日本では贈られた人には、その自治体の公共施設の利用や生活の便宜などの、若干の特権が与えられることが多い[3]。
受賞者はその市区町村出身の国会議員や首長などの政治家や医師、教育者、研究者、出身の著名人などが多く、政治家の例では元首相の森喜朗が石川県能美市の名誉市民第1号となったことや[33]、羽田孜が長野県上田市の名誉市民になったことが挙げられる[34]。研究者ではノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学教授の山中伸弥が京都市と東大阪市など自身とゆかりある市の名誉市民となっている[35]。
名誉区民東京都23区のように区制を敷く自治体では名誉市民に相当する名誉区民の称号を制定している。東京都の例では、漫画家から『アンパンマン』の原作者 やなせたかしが新宿区名誉区民に選ばれているほか[36]、『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』の原作者 松本零士が練馬区名誉区民となっている。同様に練馬区では狂言師の野村万作も名誉区民称号の贈呈を受けている[37]。葛飾区では映画監督の山田洋次が同区名誉区民となっている[38]。
名誉町民町制を敷いている自治体では、名誉市民に相当する称号として名誉町民や特別名誉町民などの称号を制定している。主な例では、ノーベル化学賞受賞者で北海道大学名誉教授の鈴木章が故郷のむかわ町の特別名誉町民に選ばれたことが挙げられる[39]。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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