名探偵コナン_(アニメ)
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また、実写作品に引けを取らない本格的なドラマ作りを目指していたため、音楽の方向性としても『太陽にほえろ!』のようなサスペンスドラマタッチなものを当初から検討していた[3]。その後、音楽プロデューサーが同ドラマの音楽担当である大野克夫に直接依頼して快諾してもらえたため[3]、本作の劇伴担当に決定した。なお、大野へは「アニメの音楽を作って」ではなく「『コナン』というミステリードラマを作りたいので、大人も楽しめる部分も際立たせて」という形で楽曲制作を依頼している[3]
作風

過去に放送したエピソードを年に数回「デジタルリマスター特別版」と題して事実上の再放送を行っている。諏訪は「土6(ドロク)の枠は基本的に新作を放送するが、放送開始(中略)の時代に見ていない人のためにも、年に数本懐かしくも優れた名作をお届けしていく」と述べている[4]

初登場もしくは前回の登場から間が空いたキャラクターや単発のゲストキャラクターの場合、「半透明の座布団[注 5]に白抜きでふりがなが振られた名前テロップ」を挿入している。これは原作においての名前表記を踏襲したもので、配置は上部に名前と年齢で下に小さく職業が表記されているが、放送開始後からしばらくの間は職業が名前よりも上に来ていたり、テロップの大小・座布団の有無・フォントが回によっては違いが生じるなど、安定していなかった。
原作エピソードのアニメ化

放送開始当初は原作漫画での3話 - 4話相当のエピソードは1話完結形式、5 - 6話の長編エピソードにおいても前後編という構成がほとんどであった。その後、事件の複雑化や内容をより重厚にするため、原作漫画での3話 - 4話相当のエピソードは前後編[注 6]、5話を超える長編エピソードは3話以上の構成にされる形式となった。前者の構成時においては尺の都合で原作のシーンの一部が削除ないし変更されることが多かったが、話数が増えてからの構成においてはほぼ原作通りの展開となっている他、補遺として一部シーンに演出や台詞が追加される場合もある。また、基本的に脚本は置かず、絵コンテ担当者が構成を兼任することが多い。

各回のネーミングは、2話連続の場合は「前編」「後編」とすることが多いが、それぞれにまったく別のタイトルをつけることもある。3話以上連続の場合は、「事件編」「疑惑編」または「推理編」「解決編」など、各回別々のサブタイトルが付けられることが多かったが、2016年3月5日放送の第811話「県警の黒い闇(中編)」で、シリーズ初の「中編」というサブタイトルが付けられた。また、2020年1月4日から1月25日まで4週にわたって放送された「大怪獣ゴメラVS仮面ヤイバー」では、「序破急結」という雅楽に由来する変則的なサブタイトルが用いられた[6][7][8][9][10]。アニメ化されるエピソードの順番は原作と多少異なり、更にDVD収録時にはテレビ放送時とは順番が異なる場合もある。アニメ化するまでの間隔が長かったり[注 7]、単行本化前の事件が放送されることもある[注 8]。他にも、その年の劇場公開の内容や社会的出来事による影響で、本来はその月に放映される予定だった原作エピソードが数ヶ月後または翌年放送に回ったり、本来は後で放映される予定の原作エピソードが前倒しで放送されるケースがある。

放送開始当初、ストーリーの核心である「黒ずくめの組織」が絡む話については結末の改変が見受けられた[注 9]。また、同じく放送開始当初は少年探偵団を原作での出番が無かった話にも登場させる改変が見受けられたが[注 10]、やがて無理に登場させることはなくなった。

原作のパラレルワールドに当たる『名探偵コナン 特別編』からは、第86話の「誘拐現場特定事件」と第113話「白い砂浜殺人事件」の2エピソードのみがアニメ化されている。

2021年12月4日から2023年3月11日まで『警察学校編』が不定期でアニメ化された。
アニメオリジナルエピソード

漫画の連載開始から間もない状況でのアニメ放送だったため、原作にアニメが追いつかないように最初の段階からアニメオリジナルの話も入れていきたいと、原作者の青山剛昌とやり取りをし、実際に1996年2月12日放送の第6話「バレンタイン殺人事件」からアニメオリジナル回が始まった[2][3]

アニメオリジナル回については1話構成もしくは2話構成が多いが、「降霊会W密室事件」のような3話構成、「大怪獣ゴメラVS仮面ヤイバー」のような4話構成のものが放送される場合もある。

アニメオリジナル回を何本か執筆した辻真先によると、辻が担当した回の脚本会議は文芸担当者の他にストーリーエディターの飯岡順一、諏訪プロデューサー、監督の山本泰一郎、更に数人のプロデューサーが同席して行われるという[17]。最初にどんなジャンルの事件を書きたいかが決められ、大まかなプロットが作成されるものの、第1稿から決定稿にかけては大幅に話が削ぎ落とされるが[17]、これは1話放送分が24分程と時間の制約があるためである[18]。登場人数、舞台や小道具、メカの説明、台詞など様々な要素が削られ凝縮されるため、構成も変更せざるを得ない場合もある[17]。以上のように、「アイディアの骨組みが露呈」して「ミステリの狙いがミエミエ」にならないように[17]、根本のアイディアをしっかり考える、と辻は語っている[18]

アニメオリジナル回のプロットを選ぶ際には特に明確な基準があるわけではないが、監督の山本は「コナンが何を解き明かすのか」がハッキリとしているかどうかを見て、プロデューサーの米倉功人は「ちゃんとコナンが動ける物語か」を見ていることから、主人公であるコナンが謎を解くという根幹部分やコナンが介入する必然性や妥当性および「トリックが面白い」ことが一定の基準にはなっている[19]

2015年以降は原作の長期休載などもあって、アニメオリジナル回が放送される頻度も増加している[19][注 11]。アニメオリジナルのキャラクターや設定に関しては、後に原作に取り入れられることもある[20]

2013年以降はそれまで発売されていたOVAシリーズから継承する形で、毎年4月に劇場版のプレストーリーとなるオリジナルエピソードを放送しており、それらはOVA同様に殺人事件を殆ど扱わない作風となっている。

ストーリーの根幹に関わる主要人物は基本的にOVAや劇場版のプレストーリーを除いて登場しないが、第129話「黒の組織10億円強奪事件」等、例外も何度かある。
表現の変更

ゴールデンタイム全日帯[注 12]で放送するにおいて相応しくない表現は、削除されたり変更されたりすることがある[注 13]。例を挙げると、原作では「慙愧の念」[21]や「色情魔」[22]などという幼年層には難解な言葉や、ジンとベルモットの肉体関係を暗示する台詞があったが、「慙愧の念」は「悔い」に、「色情魔」は「浮気男」にそれぞれ変更され、ジンとベルモットの間柄についてのシーンは削除されている。このほか、原作で散見される「死体」という台詞も、アニメでは基本的に「遺体」に変更されている[2][注 14]。また、ビートルズの曲といった版権関係の台詞も、一部変更されることがある。

放送当初から事件現場のは凄惨な印象の赤い血でなく、黒い血にする配慮が取られていた[2][注 15]


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