古くは三種の神器のひとつである草薙剣(くさなぎのつるぎ)を祀る[2]熱田神宮がある鳥居前町であり、江戸時代には尾張徳川家の治める名古屋城の城下町として繁栄した歴史を持つ。市章は、尾張徳川家の合印に由来する「?」であり、市バスの前面などにも施されている[3][4]。戦前は名古屋鎮台(後の日本陸軍第3師団)や名古屋陸軍造兵廠が置かれ、軍都としての性格が強くなったことから、アメリカ軍による名古屋大空襲の被害を受けた。その際に築400年の名古屋城が消失した(その後、鉄筋コンクリートによって復元)。
中心市街地の栄エリア(中区)は中部地方最大の繁華街であり[5]、市のシンボルである名古屋テレビ塔や久屋大通公園が所在している[6]。また、一大ターミナル駅の名古屋駅周辺の名駅エリア(中村区)は2000年代以降の再開発により、日本有数の超高層ビル街へと変貌を遂げた[5][6]。道路網も整備されており、全国に3つしかない100m道路のうち2つ(久屋大通・若宮大通)が名古屋にある。
自動車工業都市である豊田市や石油コンビナートで有名な三重県四日市市などとともに、日本最大の工業地帯である中京工業地帯の中枢を担う。全国的な製造業の本社や工場が集積しており[7]、工場の郊外・海外移転により名古屋市自体の製造品出荷額は低下傾向にあるものの[8]、年間3兆円を超える重工業都市でもある[8]。名古屋港は日本を代表する国際貿易港であり、2018年での取扱貨物量および貿易額は日本一となっている[9]。
2008年にユネスコのデザイン都市に認定された[10]。2019年のアメリカの企業A.T.カーニーによる「グローバル都市指標」やイギリスのラフバラー大学による2020年の「GaWC研究」では「γ-」レベルの世界都市として評価されている[11][12]。また、アメリカのTIME誌において2023年版「世界の最も素晴らしい場所50選」に選出されている[13][14]。 愛知県の南西部、濃尾平野に広がる。県内では、豊田市・新城市・岡崎市に次いで4番目に広い面積を有する市である。 名古屋市の地形は、東部の丘陵地、中央部の台地、北・西・南部の沖積地の、大きく3つに分かれる[15]。 市の中核を担う中区・東区・中村区・熱田区・昭和区・瑞穂区は海抜10 - 15メートルの平野[15] で、官庁街のほか、錦・栄・矢場町・大須・金山・名駅といった大規模な商業地を持つ。 市の東部の守山区・千種区・名東区・天白区・緑区は海抜50 - 100メートルの丘陵住宅街[15] で、千種区の東山公園・平和公園、守山区の小幡緑地、名東区の猪高緑地・牧野ヶ池緑地、緑区の大高緑地などの森林を残した大規模な緑地公園も点在し、星が丘や藤が丘、覚王山、本山といった丘や山の字がつく地名が多く、商業も発達している。 北・西・南部(北区・西区・中村区・中川区・港区と熱田区・南区の一部)は河川の堆積作用によって形成された沖積地[15] のため海抜が低く、水害に悩まされてきた地域である。港区は海抜0 mの臨海工業地帯(中京工業地帯の一部)で、名古屋港を有する。港区西部は市最大の穀倉地帯が広がる。南区は港区とともに工業地を抱えている。北区・西区・中川区は主に住宅地が広がる。 以上のように市の中心部より西側は低地が多い一方、東側は台地や丘陵地帯が多いことから、名古屋市の地形は東高西低であると評されている[15][16]。 丘陵名よみ画像標高
地理
位置
地形
山岳・丘陵
(m)標高の根拠所在地基準点など備考
東谷山とうごくさん198.4国土地理院地図[17]守山区大字上志段味字東谷
瀬戸市十軒町上志段見村二等三角点名古屋市内最高地点。頂部に尾張戸神社古墳・尾張戸神社が座す。
(名称不詳)133.3都市計画基本図[18]守山区大森北
守山区大字吉根字長廻間
親鸞山しんらんやま111.4
106.4現地案内板
都市計画基本図[18]名東区猪高町大字高針字勢子坊
長久手市市が洞
ロバの背山ろばのせやま109.1都市計画基本図[18]名東区猪高町大字高針字勢子坊