名古屋市(なごやし)は、愛知県北西部の尾張地方に位置する市。愛知県の県庁所在地である。愛知県および中部地方で最多の人口を有する市であり、政令指定都市・中枢中核都市に指定されている。 東京特別区部を除くと、横浜市・大阪市に次ぐ全国第3位の人口を有しており、中部地方・東海地方における行政・経済・文化の中枢を担う。名古屋市を中心とする中京圏(名古屋都市圏)は、日本の三大都市圏の一つであり、その範囲は愛知県内や岐阜県南部、三重県北部(北勢)の東海3県に及び、多くの衛星都市を持つ。2019年の都市的地域の人口は約1,024万人と推計され[1]、メガシティの1つでもある。 古くは三種の神器のひとつである草薙剣(くさなぎのつるぎ)を祀る[2]熱田神宮がある鳥居前町であり、江戸時代には尾張徳川家の治める名古屋城の城下町として繁栄した歴史を持つ。市章は、尾張徳川家の合印に由来する「?」であり、市バスの前面などにも施されている[3][4]。戦前は名古屋鎮台(後の日本陸軍第3師団)や名古屋陸軍造兵廠が置かれ、軍都としての性格が強くなったことから、アメリカ軍による名古屋大空襲の被害を受けた。その際に築400年の名古屋城が消失した(その後、鉄筋コンクリートによって復元)。 中心市街地の栄エリア(中区)は中部地方最大の繁華街であり[5]、市のシンボルである名古屋テレビ塔や久屋大通公園が所在している[6]。また、一大ターミナル駅の名古屋駅周辺の名駅エリア(中村区)は2000年代以降の再開発により、日本有数の超高層ビル街へと変貌を遂げた[5][6]。道路網も整備されており、日本に3つしかない100m道路のうち2つ(久屋大通・若宮大通)が名古屋にある。 自動車工業都市である豊田市や石油コンビナートで有名な三重県四日市市などとともに、日本最大の工業地帯である中京工業地帯の中枢を担う。全国的な製造業の本社や工場が集積しており[7]、工場の郊外・海外移転により名古屋市自体の製造品出荷額は低下傾向にあるものの[8]、年間3兆円を超える重工業都市でもある[8]。名古屋港は日本を代表する国際貿易港であり、2018年での取扱貨物量および貿易額は日本一となっている[9]。 2008年にユネスコのデザイン都市に認定された[10]。2019年のアメリカの企業A.T.カーニーによる「グローバル都市指標」やイギリスのラフバラー大学による2020年の「GaWC研究」では「γ-」レベルの世界都市として評価されている[11][12]。また、アメリカのTIME誌において2023年版「世界の最も素晴らしい場所50選」に選出されている[13][14]。 愛知県の南西部、濃尾平野に広がる。県内では、豊田市・新城市・岡崎市に次いで4番目に広い面積を有する市である。 名古屋市の地形は、東部の丘陵地、中央部の台地、北・西・南部の沖積地の、大きく3つに分かれる[15]。 市の中核を担う中区・東区・中村区・熱田区・昭和区・瑞穂区は海抜10 - 15メートルの平野[15] で、官庁街のほか、錦・栄・矢場町・大須・金山・名駅といった大規模な商業地を持つ。
概要
ミッドランドスクエアから見た名古屋都心部
(2015年11月)東山スカイタワーから見た名古屋のスカイライン夜景
(2021年12月)
地理
位置