結婚(妻帯)可否の正教会・カトリック教会・聖公会対照表
-正教会カトリック教会聖公会
教区司祭(在俗司祭
プロテスタントには万人祭司の教理をもとに司祭制度はないため、対照表には司祭制度を持つ正教会・カトリック教会・聖公会についてのみ含まれている。司祭と比較される事が多いプロテスタントにおける教役者である牧師は妻帯が可能。
「神父は結婚できない」といった記述が様々な媒体で散見されるが、不十分な説明である。カトリック教会の神父(司祭)は妻帯出来ないが(一部に例外あり)、正教会の神父(司祭)は神品 (正教会の聖職) になる前(司祭の前段階である輔祭になる前)であれば結婚でき、その上で結婚生活・家庭生活を営む事は出来る(上記対照表および下記比較詳細参照)。従って正教会の司祭は、輔祭になる前に結婚するかしないかを決心しなければならない[9]。
各教派の比較詳細
正教会 - 叙聖前であれば妻帯可。
リヤサを着用し、妻子ら家族と共に写って居る正教会の司祭の写真(1910年代から1920年代)。
男性のみが司祭職に就く。呼称は神父。
聖職者(神品)のうち、輔祭・司祭には妻帯が許されている。
ただし正教会では輔祭・司祭・主教という順序を経て叙聖されていくが(生涯輔祭、もしくは司祭を務める者がほとんどであり、主教となる者は少ない)、結婚(婚配機密)は輔祭叙聖前に受けなければならない。
離婚は許されず、離婚した場合は神品職を解かれる。死別等の理由であっても、司祭の再婚は許されない。
独身で輔祭となった者は生涯独身を維持する。万が一結婚する場合には、神品職を解かれる。
正教会では在俗司祭のほとんどが妻帯している(死別した場合はそのまま独身)。これに対し修道司祭は修道士なので独身を維持している。
主教は修道士から選ばれるため、必然的に独身(但し妻と死別した後に修道院に入り、その後主教となる例[注 1]や、夫が司祭である夫婦が修道司祭・修道女となり、その後夫が主教となる例もある)。