台風
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さらに、2020年(令和2年)9月9日からは、24時間以内に台風に発達する見込みの熱帯低気圧についても120時間先までの予報が出されている[36]
台風の影響
台風による被害伊勢湾台風による愛知県半田市における被害の様子2013年の台風30号通過後のタクロバン市街(フィリピン)

台風が上陸あるいは接近すると、暴風(強風)による人工物や樹木の倒壊、高潮・高波や大雨による水害洪水浸水のほか、土砂崩れ・地すべりなどの被害が発生する。


渦性降雨 - 台風の中心付近では激しい雨となる。

地形性降雨 - 台風により山地に向かって気流を生じるような地形では大雨となりやすい。

前線の発達 - 台風の接近により時期によっては
秋雨前線や梅雨前線を刺激して大雨をもたらし、これによる被害が発生することも多い(例:平成24年台風第4号)。なお、台風の中心付近は暖かい空気で覆われた構造であり、台風そのものが前線を伴うことはない[3]。しかし、冷たい空気の影響で台風の中心に前線が達した場合、台風は温帯低気圧に変化する[3]

台風により暴風・強風を生じる。海岸近くでは吹き付けられた海水による塩害を生じることがあり、送電線の碍子(がいし)で放電現象を伴うこともある。

台風により高波やうねりを生じる。波の高さが10mを超えることもある。強風による吹き寄せと気圧低下によって高潮を生じることがある。珊瑚礁のある海岸など地形によっては波群津波が発生することもある。

雲が発達する割には台風本体接近時にはを伴うことは少ない。しかし台風による間接的な雷雨が発生することがある。台風本体においては、進行方向の左側で比較的発生しやすい[37]
その他

竜巻 - 関連性は解明されていないが、台風の接近による
竜巻も発生することがある。

雪 - 熱帯低気圧であるため台風である時期にはは降らないが、温帯低気圧に変化した後に高緯度地区で降雪となることや、冬型気圧配置となることによる降雪となることがある。稀に1932年晩秋に上陸した七五三台風や1990年の晩秋に上陸した台風28号のように、台風接近時に山間部の集落で大雪が降ったケースもある。

台風が日本海側を通った時、接近時の日本海側や、台風が太平洋側を通った時の離れていく時の太平洋側で、台風によるフェーン現象が発生しやすく(特に前者)乾燥した熱風による火災や急激な気温上昇による雪崩なども起こりやすい。

なお、台風が過ぎ去った後、台風が通過した地域では空が晴れ渡って良い天気になることがあり、これを「台風一過(たいふういっか)」と呼ぶ[38]。( ウィクショナリーには、台風一過の項目があります。)

日本における台風の被害は、記録が明確な20世紀中盤以降、確実に減少してきている。これには、学術面では台風研究の発展、行政では予報の充実や経験等をもとにした防災体制の構築、民間では災害記録の伝承や自主防災活動による効果と考えられる。上陸時勢力が日本史上稀に見る強さであった伊勢湾台風以降、災害対策基本法制定をはじめ、伊勢湾台風クラスあるいは「スーパー伊勢湾台風」クラスの台風に耐えられるような防災体制が目標とされてきた[39][21]。しかし、現在においても大きな被害が出て、さらなる防災の強化が行われている地域もある。また、日本の周辺諸国、特に東南アジアでは防災体制やインフラ等がまだ成熟していないため、地すべりや洪水等により多数の死者を伴う甚大な被害が発生することがある。
雨台風・風台風


雨台風であったカスリーン台風は、関東を中心に豪雨による甚大な浸水被害をもたらした。風台風であった洞爺丸台風は、記録的暴風や高波により洞爺丸を沈没させた。

風による被害は比較的小さい一方で、雨による被害が大きい台風を雨台風と呼ぶ[40][41][42]。一般的に、梅雨期に接近上陸する台風や秋雨前線の活動が活発な秋季の台風は、風よりも雨による被害が大きい[40]。過去の代表的な雨台風の例としては、1947年のカスリーン台風や1958年の狩野川台風などが挙げられる[40][43]。反対に、雨による被害は比較的小さい一方で、風による被害が大きい台風を風台風と呼び[44][41][42]、過去の代表的な風台風の例としては、1954年の洞爺丸台風や1991年の平成3年台風第19号、2004年の平成16年台風第18号などが挙げられる[45]。しかし、これらはいずれも気象庁が定めた俗称であり[41]、あくまで便宜的な区別であるため厳密な定義はない[44][40]。なお、台風そのものに「雨が強い」「風が強い」などの性質があるわけではなく、台風によって引き起こされた災害の結果によって、これらの言葉が使用されているだけである[46]

勢力が強い台風の場合は、雨と風の両方で甚大な被害が出ることも少なくない。平成18年台風第13号(2006年)では、九州付近の前線の活発化で、梅雨末期のような集中豪雨を呈した。佐賀県伊万里市では期間降水量の7割が上陸前日に降る集中豪雨となった。
台風による社会的な影響


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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