台風
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明治末頃、岡田武松によって颱風という言葉が生まれたとされている[13][14]1956年(昭和31年)に指針として「同音の漢字による書きかえ」が示されて以降は多く台風と書かれるようになった[13](これに対し台湾、香港では現在も「颱風」と呼称する)。由来には諸説があり、主な説としては、以下のものが挙げられる[9]
ギリシア神話に登場する怪物・テュポン (τυφων, Typhon) に由来する「typhoon」から「颱風」となった。

アラビア語で嵐を意味する「????? (tufan)」が東洋に伝わり、「颱風」となった。また、英語では「typhoon」(タイフーン)となった。

中国広東省で、南または東の激しい風のことを外国からの風のとして大風(daai6fung1、ターイフォン)といい、その後、西洋に伝わり、ギリシア神話のテュポンの影響でギリシャ式の"typhoon"というつづりで書かれるようになり、東洋に逆輸入され「颱風」となった。

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}沖縄(当時は琉球)でつくられた言葉とする説:久米村の気象学者蔡温造語であるといわれる[要出典]。

英語の「typhoon」は、古くは「touffon」と綴り、中国語の「大風」が由来とする説は不自然とされており、アラビア語起源、ギリシア語起源の二つの説が有力とされる。

[誰によって?]

ちなみに沖縄のウチナーグチでは「カジフチ(風吹き)」または「テーフー(台風)」と称される。
台風の構造と階級

台風の中心位置、最大風速、中心気圧、暴風域半径、強風域半径などを総称して台風諸元という[2]
台風の構造熱帯低気圧の構造図(垂直方向に拡大してある)。目の周辺部では上昇気流、目の中心部の上空では下降気流が起きている。

亜熱帯熱帯で海から供給される大量の水蒸気が上昇して空気が渦を巻き、できるのが熱帯低気圧で、これが最大風速17.2m/sを超えると台風となる[15]。この点で冷たい空気と暖かい空気が混ざりあおうとして空気が渦を巻きできる温帯低気圧とは構造が異なる[15]。温帯低気圧では冷たい空気と暖かい空気がぶつかりあっており前線を伴うことがあるが、台風本体は暖かい空気のみでできているため前線を伴うことがない[15]。台風の北上によって冷たい空気が流入したときには温帯低気圧に変化する(「#台風の発生から消滅」参照)。中央に見える丸い空洞のような部分が「台風の目」である。

台風の中心付近は、風向きが乱れているために暴風が互いに打ち消し合う[注 3]。台風の中心付近の下降気流となっている風や雲がほとんどない区域を台風の目と呼び、勢力が大きい台風ほど明瞭に表れるが、勢力が衰えると判然としなくなることがある。

発達した台風では背の高い積乱雲が中心部を取り巻いておりアイウォールと呼ばれている[16]。構造としては、台風の目の周囲付近は中心に向かって周囲から吹き込んだ風が強い上昇気流をつくっており積乱雲が壁のように取り囲んでいる(内側降雨帯)。壁の高さは地上1000mから上空1万mに達する。そして、その外周には外側降雨帯が取り囲んでいる。また、台風本体から数百キロ程度離れた場所に先駆降雨帯が形成されることがあり、さらに、この位置に前線が停滞していると前線の活動が活発になり大雨となる。

なお、台風は一般的にその中心よりも進行方向に対して右側(南東側)のほうが風雨が強くなる。これは、台風をめがけて吹き込む風と台風本体を押し流す気流の向きが同じであるために、より強く風が吹き荒れるためである。気象学上ではこの台風の進行方向右側半分を危険半円と呼ぶ。また、台風の左側半分は吹き込む風と気流の向きが逆になるために相対的に風は弱く可航半円と呼ぶ。しかし、可航半円という概念はかつて帆船が台風の中心から遠ざかる針路をとるとき台風の進行方向左側に入っていれば右舷船尾に追い風を受けながら避航できたこと(逆に、帆船が台風の進行方向右側に入っていると右舷前側に向かい風を受けながら中心に引き込まれないよう保針しなければならなくなる)の名残であり、あくまでも右側半分と比較して風雨が弱いだけであり、可航半円の範囲といえども風雨は強いため警戒を要する。
台風の階級

台風の勢力を分かりやすく表現する目的などから、台風は「強さ」と「大きさ」によって階級が定められ分類されている[17][18]

強さによる分類は、国際的にはWMOが規定する分類法が使用されているが、それに準じた多少差異のある分類法も熱帯低気圧の等級のようにいくつか使用されていて、同じ台風でも気象機関によって異なるレベルに分類される場合がある。具体的には、米軍の合同台風警報センター (JTWC) では1分間平均の最大風速、日本の気象庁では10分間平均の最大風速によって分類する。例えば同じ台風の同時刻の観測において、米軍の合同台風警報センターが台風の強度に達したと判断しても、日本では強い台風の強度に達せず並の強さと判断する場合も生じる(1分間平均風速は10分間平均風速よりも1.2 - 1.3倍ほど大きく出る傾向にある)。また、最大風速で強さを分類しているが過去には中心気圧が用いられており、その名残りから、日本で発表される台風情報には中心気圧も網羅される。

なお、日本でもマスメディアなどにおいて用いられる「スーパー台風」の呼称については、気象庁における明確な定義は無いが[19]、米国の合同台風警報センターでは最大強度階級130 knot(約67m/s・240 km/h)以上の台風のことを指して「スーパー台風」と呼んでいるほか[20][21]、中華人民共和国(香港マカオを含む)などでは風速100 ノット (185 km/h) 以上の台風を「スーパー台風」としている。

最大風速 (m/s)最大風速 (knot)国際分類日本の分類
(旧)(新)
<17.2≦33Tropical Depression /トロピカル・デプレッション (TD)弱い熱帯低気圧熱帯低気圧
17.2 - 24.534 - 47Tropical Storm /トロピカル・ストーム (TS)台風弱い台風(特になし)
24.6 - 32.648 - 63Severe Tropical Storm / シビア・トロピカル・ストーム (STS)並の強さ
32.7 - 43.764 - 84Typhoon / タイフーン (TまたはTY)強い強い
43.7 - 54.085 - 104非常に強い非常に強い
>54.0≧105猛烈な猛烈な

JTWCによる分類階級最大風速 (1分間平均)
スーパー台風130 knot (240 km/h) 以上
台風63 - 129 knot (118 - 239 km/h)


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