台湾客家語
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海陸腔 [hoi? liug? kiong?]は、清朝期の広東省恵州府に属していた海豊県 [hoi? fung?]および陸豊県[liuk? fung?]の2県[注釈 3](現在の汕尾市海豊県陸豊市陸河県および掲陽市掲西県普寧市恵来県のそれぞれ一部[6])の客家語方言をルーツとする[注釈 4]。また現代の台湾では竜川県河源県、永安県、帰善県博羅県などの地域(現在の河源市竜川県・源城区紫金県恵州市恵陽区・博羅県、広州市および汕頭市に相当)からの移民も海陸腔を用いる事がある。

声調は7種類と四県腔より一つ多く(去声が陰去調と陽去調の二つある)、また海陸腔の各声調の調値は四県腔と逆になっており、広東語に近い。

台湾客家語の中では2番目に話者数の多い方言である。四県腔と海陸腔の話者数を合わせると台湾客家語全話者の大部分を占める。

海陸腔は新竹県で最も広くかつ常用されている事から、新竹腔と呼称される事もある。新竹県以外では花蓮県に話者が多い[注釈 5]

分布は以下の通り。

桃園市:観音区、新屋区、楊梅区(一部)。

新竹県:新豊郷、新埔鎮、湖口郷、?林郷、山郷、関西鎮(一部)、北埔郷、宝山郷、峨眉郷(一部)、竹東鎮、竹北市(一部)。

苗栗県:頭?市(一部)、南庄郷(一部)、後龍鎮(一部)。

花蓮県:花蓮市、吉安郷、寿豊郷、光復郷、玉里鎮、瑞穗郷、鳳林鎮、富里郷、新城郷。

大埔腔「zh:大埔腔」も参照

大埔腔 [tai? pu+ kiong+]は、広東省潮州府大埔県および豊順県の一部地域(いずれも現在は梅州市管轄下)の客家語方言をルーツとする[8]

大埔腔は多くの発音や声調が他の方言と異なっている[注釈 6]。ただし海陸腔とは類似しており、大埔腔にも後部歯茎音が存在する[9]。大埔腔の声調は四県腔の6種類や海陸腔の7種類と異なり、6つの基本声調の他超陰平調と去声変調が加わった8種類を用いる。全体的な声調のサウンドはより低音でより複雑なものとなっている。大埔腔においては単音節語に接尾辞を付加して他音節語にしないという傾向がある。一例として、「息子」を表す語は四県腔では「?仔 lai e?」となるが、大埔腔では「? lai?」となる。表記上の特徴としては、四県腔における文末語気助詞「? ted?」は大埔腔では「? ped^」と、「私達」を意味する語は「恩兜en?deu?」ではなく「恩等en+ nen?」と書かれ、「一様」を意味する語は「共樣 kiung iong」よりも「共款 kiung kuan^」が好まれる傾向にある[10]

大埔腔はかつての東勢郡(現在の台中市東勢区石岡区新社区和平区)に最も話者が集中している事から、東勢腔と呼称される事もある。

分布は以下の通り。

台中市東勢区石岡区新社区和平区豊原区。(元台中県長陳庚金(中国語版)、元立法委員林豊喜(中国語版)家族)

苗栗県卓蘭鎮(中街里、内湾里、水尾里)

饒平腔「zh:饒平客家語」も参照

饒平腔 [ngiau pin kiong?](卓蘭:ngiau? pin? kiong?)は広東省潮州府饒平県、海陽県、恵来県、普寧県、掲陽県、潮陽県(現在の潮州市饒平県・潮安区掲陽市恵来県・普寧市榕城区掲東県汕頭市潮陽区)における客家語方言をルーツとする。

ルーツとなる地域の地理的関係から、饒平腔の音声は詔安腔に近い。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}たとえば第3グループ文字の一部に韻母/-iu/が現れたり[訳語疑問点](例:「去」kiu?)、他の客家語方言で無声後部歯茎摩擦音/?-/として発音されるものの一部が饒平腔と詔安腔では無声唇歯摩擦音/f-/として発音される事がある(例:「水」fi?)などの点が挙げられる[11]

主な分布は以下の通り。

桃園市中?区(芝芭里、興南里、三座屋、過嶺里)、平鎮区(南勢地区)、新屋区(犁頭洲)、観音区(新坡)、八徳区(霄裡)。八徳区官路缺袁、張、邱姓、大園区の許姓、邱姓、南?、平鎮南勢、大崙王姓、中?、芝芭里(元県長劉邦友、劉興善家族)、雙連坡劉姓(劉璞珍、劉奕坤家族)、中?ケ姓、国立中央大学三座屋邱姓(邱奕勝家族)、張姓、過嶺、新坡、芝芭里許姓(元県長許信良、元内政部次長許應深家族)、新屋冨源陳姓、新屋劉姓、楊梅、山子頂許姓、龍潭邱姓、龍岡後寮陳姓の饒平話。

新竹県?林郷(紙寮窩、上山)、竹北市(六家)元新竹県長、台灣省主席林光華家族。

苗栗県卓蘭鎮(老庄)。

彰化県員林市永靖郷田尾郷(現在この地域の客家人は台湾語を用いているが、客家語の特徴がいくらか残った言葉となっている。永靖腔も参照のこと)。

屏東県枋寮郷

雲林県斗六劉姓、?桐郷饒平村。

花蓮県:一部。

詔安腔「zh:詔安客語」も参照

詔安腔 [zhio^ on? kiong? ]は、福建省?州府詔安県南靖県平和県、雲霄庁(現在の?州市詔安県・南靖県・平和県・雲霄県)における客家語方言をルーツとする。

福建省南部で用いられた方言がベースという事もあり、同省では優勢な?南語と同じ語彙を多く持つが、?州の?南語の調値とは高低が逆のように感じられる。また詔安腔独特の語彙や音韻の組み合わせも存在する[12]。他の客家語母語話者からも理解がしづらい方言となっている。

声調の調値は饒平腔の苗栗県卓蘭鎮における発音とほぼ一致する。

分布は以下の通り。

雲林県崙背郷二崙郷西螺鎮

桃園市八徳区大渓区?興村、大渓区南興の黄姓、龍潭区

台中市西屯区北屯区一部地域。(元議員廖学?、元議長張廖貴專、現任議員張廖乃綸、張廖万堅家族)《張廖家族族譜》

新北市新店区安坑庄。

南投県中寮郷一部地域。

嘉義県中埔郷の詔安?。

台南市白河区の詔安?。

宜蘭県:一部地域。

ただし現在では雲林県と桃園市を除き、これら詔安出身の客家人が住む地域に詔安腔の話者はほとんどおらず[12]、話者人口はきわめて少ない(数千人とされている)。
それ以外の少数方言
永定腔「zh:永定腔」も参照

永定腔を用いる客家人は、福建省汀州府の永定県、上杭県武平県の3県(現在の竜岩市永定区・上杭県・武平県)からの移民である。

1970年代の時点では武平方言を話せる人が残っていたものの、現在では台湾語に取って代わられている[要説明]。
長楽腔「zh:長樂腔」も参照

長楽腔はかつて台湾客家語の七大方言(四海永楽大平安)のひとつに数えられた方言のひとつで、嘉応直隷州長楽県(現在の梅州市五華県)および恵州府永安県(現在の河源市紫金県)からの移民が用いていた方言である。


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