台湾の国旗
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青天白日満地紅旗

一方、北京政府から追放された孫文をはじめとする革命勢力は、北京政府に対抗すべく1919年広東で国民党を結成し、その際に青天白日の紋章を党章とした。そして、勢力を拡大した国民党は1925年に広州で国民政府を樹立するが、張永福の妻が構想していた国旗案のひとつを参考に孫文が赤地を加えて完成させた青天白日満地紅旗を国旗として定めたため、中華民国には2種類の国旗が並存する事態が生じた。この並存状態は、1928年に?介石の南京国民政府が全国を統一した際に、正式な国旗を五色旗から青天白日満地紅旗へと変更したことで解消した。その際に、青天白日の紋章も正式な国章として制定され、これ以降中華民国の国旗・国章は今日まで変更されることなく使用され続けている。国民革命軍の軍旗としても採用され、1948年以降は中華民国陸軍の軍旗として使用されている。
中華人民共和国の成立と国際的な扱いの変遷

青天白日満地紅旗と青天白日は、1949年中華人民共和国成立までは中国共産党が支配していた陝甘寧辺区や国民革命軍に編入された八路軍でも使用されていた。「中国の国旗」として世界的にも認知され、中華民国政府が台湾に退いた後も「中国を統治する唯一の合法(正統)国家は中華民国である」という主張が国際的に認知されている間は、国際連合などの国際的な公式の場で掲揚された。しかし中華人民共和国が1970年代に取り組んだ西側諸国との関係改善と、国連における「中国」代表権を中華民国から中華人民共和国に移す1971年国連総会決議2758の採択などの結果、「中国を統治する唯一の合法(正統)国家」として中華民国を承認する国が激減し、青天白日満地紅旗も「中国の国旗」として国際的に認知されなくなっていった。そのために現在では、青天白日満地紅旗が台湾以外の公式な場で掲揚される機会が大変少なくなっている。

かつて英国領だった時代の香港では、自由・民主・自治の実現を願い、青天白日満地紅旗がはためく光景が見受けられた。1997年香港返還により英国植民地から中華人民共和国の特別行政区になってからは、香港でこの旗が公然と掲げられることはごくまれになった。 その後の中国共産党による強権的な一党独裁支配に対する体制運動においては、むしろ英国植民地時代の香港旗が掲げられる傾向にある。2019年-2020年香港民主化デモでは、台湾への支持と連帯を示す意図から、青天白日満地紅旗を掲げるデモ参加者が見受けられる。
国際スポーツにおける扱いオリンピック委員会旗(梅花旗)詳細は「チャイニーズタイペイ」を参照

青天白日満地紅旗は、オリンピックFIFAワールドカップなどの世界的なスポーツ大会の場でも公式に掲揚されることはなくなった。1984年以降、オリンピックに中華民国の選手が「チャイニーズタイペイ(中華台北,Chinese Taipei)」代表として出場する際には、青天白日満地紅旗の代わりにチャイニーズタイペイオリンピック委員会旗(中華奥林匹克委員會旗、通称:梅花旗)が使用・掲揚されている。同旗は国旗に使われる青白赤の3色で国花のをかたどり、その中に国章とオリンピックシンボルの五輪を掲げている。
「台湾旗」の提唱「台湾共和国#国旗」も参照台湾旗

大陸から移ってきた中華民国の統治と国民党による一党独裁を拒否し、主権国家である「台湾共和国」の樹立を目指す台湾独立運動では青天白日満地紅旗の使用が忌避され、独自のデザインを持つ旗の使用が提案されてきた。2001年、世界台湾人大会において元民進党主席・姚嘉文によりデザインされた「台湾旗」が提案され、以後同大会の旗として、あるいは民進党内にも多い台湾独立派のシンボルとして使用されている[3]。なお、台湾旗では民進党のイメージカラーでもある緑色が使われ、泛緑連盟として総称される「台湾本土化」の色として、国民党を中心とする泛藍連盟との対比をなしている。
脚注^ 台湾の国旗 世界の国旗図鑑
^ a b 東京都立図書館 台湾2019年7月22日公開、2022年11月27日閲覧。
^ 台湾建国応援団、 ⇒【情報】台湾旗(台湾独立旗)の入手方法について、2013年1月20日付

関連項目

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