古生代(こせいだい、仏: Paleozoique、英: Paleozoic era)は、古生代・中生代・新生代と分かれる地質時代の大きな区分の一つである。約5億4100万 - 約2億5190万年前。先カンブリア時代(隠生代)の後に相当する。地質学的には、古生代以前の地質年代をはっきりと確定することはできない。無脊椎動物の繁栄から、恐竜が繁栄しはじめる中生代の手前までの期間に対応する。 古生代初期の頃には、既に様々な種類の生物が誕生し、同時にその数は急激に増加していった。この現象はカンブリア爆発として現代に知られている。 当時の生物のほとんどは海洋の中で生息しており、殻や外骨格などの固い部分で身を覆っている。海底の砂を主なすみかにしている生物(ベントス)もいれば、海中を動き回る生物(ネクトン)まで種類は多様であった。特に腕足動物や三葉虫はこの時代に一般的であった生物であり、古生代初期の生物の内訳では、ほとんどがこのような部類に入っていた。この時代から、新たな生物の分類として無顎類が誕生している。 シルル紀に突入すると多くの植物が上陸し、地上での成長を開始した。これらの植物は最初、水面に近く比較的湿度の高い場所を好んで生息していた。デボン紀では乾燥した気候[注釈 1]に耐えられる植物も出現し、それまで簡易的であった植物の構造を一転させ、より複雑なものへと変化していく。 デボン紀はしばしば「魚類の時代」として伝えられる場合がある。これはさまざまな魚類が海中で繁栄していたからによる。この時点でほとんどの魚類は既に顎及び鱗を持ち合わせている。デボン紀では同時にクラドセラケ[注釈 2]などの軟骨魚類が出現し始めた。また同時期ごろから動物は海中から陸上への進出を果たし、石炭紀後期(ペンシルベニア紀[注釈 3])には爬虫類が出現し始める。 基底年代はICSチャートの2018年8月版に基づく[1]。基底年代の誤差の記述は省略している。
生命の始まり
区分
カンブリア紀詳細は「カンブリア紀」を参照
約5億4100万 - 4億8540万年前
ほぼ全ての動物門が出そろい、生物種の増加(通称「カンブリア爆発」、ただし実際にはエディアカラ紀後期からの長期的な増加であるともされる[2])。
三葉虫、ラディオドンタ類(アノマロカリス、フルディアなど)[3][4]、葉足動物[5]などの繁栄。
最古の脊椎動物である無顎類の登場(ミロクンミンギア、ハイコウイクチスなど)。
オルドビス紀(オルドヴィス紀)詳細は「オルドビス紀」を参照
約4億8540万 - 4億4380万年前
オゾン層の形成。
フデイシ(筆石)と頭足類の繁栄。
前の時代に引き続き三葉虫が繁栄した。
植物の陸上進出(胞子化石が知られる[6])。
末期には大量絶滅が起こった。三葉虫はこれ以降衰退の道をたどっている。
シルル紀(ゴトランド紀)詳細は「シルル紀」を参照
約4億4380万 - 4億1920万年前
顎を持つ魚類(棘魚類、板皮類、硬骨魚類)の出現[7][8][9]。
サンゴ類(床板サンゴ類など)[注釈 4]とウミサソリ類の繁栄[10]。
維管束植物の出現(クックソニアなど)。
最古の陸上動物・気門で呼吸を行う節足動物の化石[11]。
デボン紀(デヴォン紀)詳細は「デボン紀」を参照
約4億1920万 - 3億5890万年前
板皮類の繁栄(ダンクレオステウス、ボトリオレピスなど)。
棘魚類の繁栄。
硬骨魚類が増加した。
アンモナイト類の出現。
ハイギョの出現。
昆虫の出現?[12]
種子植物の出現。
最初の森林の形成(アーケオプテリス[注釈 5]など)。
シダ植物の繁栄が始まる。
四肢動物の出現(アカンソステガ、イクチオステガなど)[注釈 6]。
後期には大量絶滅があり、同時に板皮類が姿を消した。
石炭紀詳細は「石炭紀」を参照
約3億5890万 - 2億9890万年前
前期(ミシシッピ紀)と後期(ペンシルベニア紀)に分けられる。
シダ植物の繁栄。
両生類の地上上陸。
有羊膜類(爬虫類と哺乳類の系統群)の出現。