古川登志夫
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農家の10男5女の15人兄弟の末っ子として誕生[1][3][4][21][22][23]。古川自身は「僕ぁ、田舎育ちで……」と、声優界の千昌夫を自認し、気取らないところが、人間味あふれており、人を魅きつけているという[4][21]。長兄の善一郎は太平洋戦争時に重巡洋艦鳥海の機関砲手を務めていたが、艦が爆撃を受けてフィリピン海で没し、古川が生まれる前に22歳で戦死している[24][25][26][27][28]。古川が生まれた時、両親が「この子は善一郎の生まれ変わりだ」と言っていたという[29][30]。小さい頃はいい子で、「神童」と言われており、住んでいた家の前に、新しい道があったことから、「新道(通称、神童)」と呼ばれていた[9]。その頃から人前でヒョーキンなことをしているような陽性の面があったという[20]。小学校卒業後、早くも兄を頼って上京、その兄の勤務地が変わる度に転校し、東京都千葉県の4つの中学校を転々としていた[4][21]。小学校時代から、漠然と「俳優になってみよう」、と考えており、「お金儲けができて、早く親を安心させることができる」と思ったからかもしれないという[4]。古川が芸能界を目指すことになったきっかけを作ってくれたのも、東京都で働いていた[23]兄の忠治[31]で、「何かひょうきんでおもしろいからそういうことをやらせよう」と東京から児童劇団のパンフレットを送ってきた。そのパンフレットに掲載されていた子役が、当時普及し始めたばかりのテレビでよく観ていた『月光仮面』の出演者が多数掲載されていたため興味を持ち[32]、中学1年生の頃、12歳で劇団日本児童に入団することになった[1][4][18][22]。それまでは、銀行員になるつもりでいたという[9]。当初は栃木から東京へ通っていたが大変だったので、一年ほど経って親元を離れ東京の兄の元で暮らすようになった。とにかく坊主頭が嫌で、東京に出れば髪を伸ばせるということも動機になったとのこと[33]。父の「田舎で銀行員になれ」という猛反対を押し切って、俳優への道を踏み出す[1]
キャリア

東京都立第四商業高等学校に進学後は演劇部に所属しており、演劇部の先輩に富田耕生関根信昭がいる[4][21]。ある日、先輩に連れられて劇団手織座公演のマクシム・ゴーリキー作『どん底』の公演で初めて新劇を観てのめり込み「よし、俺はなんとかしても役者になるぞ……」、「あっこれがやりたいっ!」と演劇を志す[4][21][20]。大学は、演劇が学べる学科をということで1965年、日本大学芸術学部演劇学科[11]に進学[4][20]。役者志望と聞いて高校の教師も驚いていたが、それ以上に故郷の父が目を丸くしていたという[4][21]。在学中は、新劇史は秋庭太郎の授業を選考し、殺陣同志会に在籍した[32]。当時は、仲間と組んでコンビ、トリオで、キャバレーのフロアシューに出演、小遣い、学費を稼ぎ出していた[4]チャンバラトリオのようなショーをストリップショーの合間にしており、刀、槍などの小道具は大学からちょいちょい無断借用させてくれた[4]。そのショーの台本はいつも書いており、興がのるとひと晩に何本も書いていたという[4]。自身の特技にも殺陣と書かれている[11]。このため『ジャンボーグA』『ファイヤーマン』では怪獣の中に入っていたという記述もあるが、本人は自身のホームページで、声での出演履歴であり、スーツアクター経験を否定している。また声優アニメディアのインタビューでも怪獣のスーツアクターもしていたという情報は間違いであり、役者として、そういう特撮作品には出演していたと語っている[23]。大学中退[10]後に舞台俳優になろうと劇団「櫂(KAI)」に参加[34]。同時に、貧乏生活のスタートでもあり、この劇団が食べていけず、困るほどの金のない毎日だった[3][4][9]。当時は新劇青年のお決まりコース、ウェイター、東京都新宿区のバーテン、コック見習いと、思い出せないくらいあらゆるアルバイトをしていた[3][4][21]。高校時代に「クラシックギターの手ほどきを受けたことがある」と聞いていた友人が、東京都港区新橋のバーの弾き語りの仕事を見つけてくれた[4][20]。毎夜、深夜までギターをつま弾きながら、知っている限りの曲を歌っていた[4]。実家に帰省するたび、父から「同級生は親に小遣いを渡すのに、おまえはまだ貰う側か」と小言を言われ、落ち込んだりもしていたという[23]。その劇団の座長をやっていた中田浩二に誘われ、中田が出演していた海外ドラマを収録したスタジオを見学した際に[35]ディレクターやオーディションを紹介された。このことを古川は、「その劇団に入っていなかったら、たぶん、声優にはなっていなかった」と回想し、感謝していると述べている[33][34]


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