古川ロッパ
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全盛期に、尊敬する谷崎潤一郎から榎本健一との共演を勧められたが、ロッパは対抗心むき出しに「これはどっちかが完全にペシャってからでないと、絶対にそんなことはあり得ませんな」と答え、谷崎は「当時はエノケン君に敵意を燃やしてゐたらしかった」と感想を述べている[48]。それでも、曾我廼家五郎を尊敬する2人は1940年ごろから定期的に「親子会」という名で公演に上京する五郎を囲んで食事を楽しんでいた[49]

料理屋でロッパとエノケンが劇団員同志の喧嘩の仲裁に入った時に、初め2人とも険悪なムードだったがお互いに謝罪し、話し合う内に意気投合して楽しい酒席となった。この時ロッパは「エノちゃん、大いにやろう。喜劇と言えばエノケン・ロッパだ。いま日本で一番偉いのは君と僕だ。天皇陛下は別だぜ。ネェ、俺たち二人が一番偉い人間なんだ!」と怪気炎を上げた[50]

最晩年のロッパの日記には、エノケンのテアトロン賞受賞に「癪にさわる。ヤキモチ・ひがみ―その受賞祝いに顔を出すのは辛いやねえ。」[51] と記しており、自身の凋落ぶりと比較してかなり複雑な感慨を持っていた。

林家三平はロッパが評価した数少ない戦後の芸人で、彼の高座を聴いて大いに笑ったことが日記に記されている[52]。逆に評価が低いのは四代目柳亭痴楽や関西の芸人達で、中には「嫌な奴だ」などと日記に名指しで書かれている者もいた。
趣味

麻雀好きであり、日記にはどんなに多忙であろうと・あるいは空襲下であろうと晩年の病苦に悩まされようが麻雀を楽しんでいる記事が書かれている。相手は座員や心を許した友人達だった。日本麻雀連盟(略称 日雀連)が昭和7年に開いた新得点を決める会合において、ケチ臭いから500点に決めよう!とロッパが力説したことにより、麻雀のルールにおいて満貫が子あがりで8000点となった。その他ポーカーもしばしば行っていた。

1934年3月には、多くの文士・俳優らと共に麻雀賭博容疑で警視庁に検挙されている[53]

玉川一郎の著作「泉筆・万年ペン・万年筆」によると、万年筆のコレクターでもあったという。ロッパの死後、その万年筆コレクションは玉川一郎に渡って後に梅田晴夫が手に入れている。
病気

晩年には以前罹患していた結核が再発したが、経済状態の悪いロッパは治療どころではなく仕事が無くなることを恐れ、親族以外には隠し続けた。恰幅のいい体格も病み衰え、外部の者には座布団を腹に巻きつけて太鼓腹であるかのように誤魔化していた[54]。日記には連日のように喀血を表す「SH」が見られ、病気に苦しむ悲惨な姿が窺われる。
血縁の著名人

実兄に弁護士推理作家貴族院議員の浜尾四郎、音楽評論家で子爵京極高鋭がいる。さらに甥には東宮侍従濱尾実カトリック教会大司教枢機卿濱尾文郎がいる。

長男は演劇プロデューサー古川清(東宝所属、のちフリー。主な作品に『屋根の上のヴァイオリン弾き』、『レ・ミゼラブル』、『ミス・サイゴン』などがある)、次男は古川ロックの芸名で俳優となった。なお、芸能活動等はほとんどしていなかったが、長女の洋子とは一度だけラジオ番組で共演した事がある。
主な出演作品
映画
1923年


愛の導き
- 細田忠一

三色すみれ Love in Idleness - 泥棒クマソ

1933年


力と女の世の中 - 主人(声の出演)

音楽喜劇 ほろよひ人生 - ロッパ

1934年


只野凡児 人生勉強

踊り子日記

1935年


ラヂオの女王

1936年


歌ふ弥次喜多 - 弥次呂兵衛

1937年


ハリキリ・ボーイ

日本女性読本

見世物王国

1938年


ロッパのガラマサどん - ガラマサどん

ロッパのおとうちゃん - 小原六之助

1939年


ロッパの大久保彦左衛門 - 大久保彦左衛門

ロッパの頬白先生 - 青路法二郎、藤田百庵

忠臣蔵 前篇・後篇 - 栗川六左衛門

ロッパの子守唄

ロッパ歌の都へ行く

1940年


ロッパの新婚旅行

ロッパの駄々っ子父ちゃん

1941年


長谷川・ロッパの家光と彦左 - 大久保彦左衛門忠教

歌へば天国

男の花道 - 土生玄磧

1942年


南から帰った人

婦系図 - 酒井俊蔵

続婦系図 - 酒井俊蔵

久遠の笑顔

1943年


音楽大進軍

1944年


芝居道 - 大和屋栄吉

敵は幾万ありとても

1945年


勝利の日まで

突貫駅長

東京五人男 - 古川六郎

1946年


僕の父さん - 田川六太郎

東宝ショウボート - チエリオ、酔えば大将

おかぐら兄弟 - お神楽留吉

1947年


縁は異なもの

轟先生 - 轟先生、息子・雷太

音楽五人男 - 山浦貞一

浮世も天国

新馬鹿時代 - 小原庄之進

愉快な仲間

1948年


金色夜叉 - 富山唯継

それは或る夜の事だった - 祖父・健作

かくて忍術映画は終りぬ - 稲田福次郎

生きている画像

結婚狂時代 - 藤川緑太

1949年


新東京音頭 びっくり五人男 - 倉井一

男の涙 - 古田大作

右門捕物帖 謎の八十八夜 - おしゃべりの伝六

花嫁と乱入者 - 川上重剛

おどろき一家 - 六助

1950年


なやまし五人男 - 大川

東京カチンカ娘 - 新田時久

憧れのハワイ航路 - 山口五郎

傷だらけの男 - 徳

素晴らしき求婚

母情 - 香村源太郎

エノケン・ロッパの弥次喜多ブギウギ道中 ※脚本も担当

恋愛台風圏

1951年


情艶一代女 - 山吹周吉

宝塚夫人 - 沖輪平

無宿猫 - 保田刑事

黄門と弥次喜多 からす組異変 - 水戸黄門

東京河童まつり - 山井庄次郎

極楽六花撰 - 河内山宗俊

1952年


大当りパチンコ娘 - 古山大作

娘十八びっくり天国 - 今井先生

生き残った弁天様 - 栗川六太

水色のワルツ - 校長先生

貞操の町 - 支配人・富永

東京のえくぼ - 林長十郎

歌くらべ荒神山 - 緒方洪庵

さくらんぼ大将 - 蛮洋先生

底抜け青春音頭 - 古山六助

七色の街 - 先輩

1953年


珍説忠臣蔵 - 大石内蔵之助

アチャコ青春手帖 第三話 まごころ先生の巻 - 朝倉大伍

姫君と浪人 - 舟木長左衛門

アジャパー天国 - 土井一八

アチャコ青春手帖 第四話 めでたく結婚の巻 - 堀内

名探偵アジャパー氏 - 荘田博士

亭主の祭典 - 小林栄助

青春ジャズ娘 - 浅井良策

大岡政談 びっくり太平記

初笑い寛永御前試合 - 大久保彦左衛門

1954年


娘十六ジャズ祭 - 二宮正太郎

花祭底抜け千一夜 - 鳥沢

落語長屋は花ざかり - 伊勢屋宗右衛門

よい婿どの - 館林邦太郎

ジャズ・オンパレード1954年 東京シンデレラ娘 - 山田吾平

夏祭り落語長屋 - 宗右衛門

落語長屋お化け騒動 - 大家

たん子たん吉珍道中 - 松平右京太夫

浮かれ狐千本桜 - 弥左衛門

1955年


陽気な天国 - 栗川社長 ※監督・脚本も担当

やんちゃ娘行状記 - 草尾一兵衛

花嫁立候補 - 草尾一兵衛

初恋三人息子 - 署長

お笑い捕物帖 八ッあん初手柄

1956年


へそくり社長 - 赤倉

ますらを派出夫会 - 古井蔵之進

逃げてきた花嫁 - 亀之助

びっくり捕物帖 女いれずみ百万両 - 溜屋彦右衛門

続・ますらを派出夫会 お供を辛いね


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