ギリシア人はエジプト文明を単に先行する文明ではなく、ギリシア文明の起源とみなしていた。事実として多くのギリシア人がエジプトを訪れ、科学・技術・宗教・思想などを学び、それらをギリシアに導入していた。特にギリシア哲学のルーツとして重要なタレスやピタゴラス、プラトンらもエジプトを訪問した経験があるとされている。しかし、プラトンがエジプトを訪れた可能性については疑問視する向きもある。もしこれが作られた伝説であるなら、プラトンをタレス、ピタゴラスに並ぶ哲学の祖であると位置づける意図が考えられ、ギリシア人にとってエジプトが知的先進地として大きな役割を果たしていたことがうかがえる。これに対抗してディオゲネス・ラエルティオスなどのように、哲学の発祥地がギリシアであると主張する者もいた[8]。
エジプトに関わっていた主な哲学者・知識人は以下の通り[9]。
ソロン - エジプト訪問伝承あり
タレス - エジプト訪問伝承あり
ピタゴラス - エジプト訪問伝承あり
プラトン - エジプト訪問伝承あり
エウドクソス - エジプト訪問伝承あり
リュクルゴス - エジプト訪問伝承あり
オルペウス - エジプト訪問伝承あり
メラムプース - エジプト訪問伝承あり
ダイダロス - エジプト訪問伝承あり
ホメロス - エジプト訪問伝承あり
デモクリトス - エジプト訪問伝承あり
オイノピデス
メソポタミアはエジプトほどギリシアにとって大きな存在ではなかったが、ギリシアの叙事詩の中に『ギルガメシュ叙事詩』の影響が垣間見えるとされている[10]。 ギリシア人はペルシア人の諸宗教(イラン神話・マゴス神官団・ズルワーン教・ゾロアスター教など)について不正確ながらも度々言及している。これらの言及は後のゾロアスター教・ザラスシュトラ観に影響を与えた[11]。 一部の学者から以下の者にはゾロアスター教の影響があると指摘されている[12] ギリシア神話は多神教であり、エジプト・メソポタミア・トラキアなどの神々を取り入れる柔軟さがあった。この点がギリシア哲学者たちから批判され、一神教的な思想が形成された。それゆえギリシア哲学とセム的一神教(キリスト教・イスラム教・ユダヤ教)の相性は悪くない[13]。特にプラトンは古代から『旧約聖書』との関係が指摘されていた。アレクサンドリアのフィロンはプラトンがモーセから影響を受けたとみなし、ヌメニオスもプラトンを「アッカド語を話すモーセ」と呼んだ[14]。
ゾロアスター教
アナクシマンドロス
ヘラクレイトス
プラトン
プロティノス
セム的一神教