古人類学
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

アウストラロピテクス・アファレンシス以前の化石が長い間見つかっていなかったため400万年前までの期間はミッシング・リンクと呼ばれていた[19][20]

しかし、1990年代にはいるとミッシング・リンクを埋める化石が発見されるようになった。

1992年から1993年にかけて日本とアメリカの調査隊が、エチオピアアルディピテクス・ラミドゥス (Ardipithecus ramidus) を発見[21]。約440万年前のものだったが、その後の調査で、約580万年前のアルディピテクス・カダッバの化石も見つかる[22]

さらに、2000年12月4日フランスのブリジット・スニュ (Brigitte Senut) らがケニアのトゥゲン・ヒル (Tugen Hill) で約600万年前の猿人化石を発見。これはオロリン・トゥゲネンシス (Orrorin tugenensis) と名づけられた[23]。オロリンとは現地の言葉で最初のヒトという意味。
現在論じられている人類進化説詳細は「人類の進化#人類進化のモデル」を参照
アフリカサバンナ起源説詳細は「アフリカ単一起源説」を参照

現在もっとも支持されている説。分子時計の解析からも有力であるとされている。

約1000万年前までアフリカ大陸は、広大な熱帯雨林に覆われていた。しかし同時期から、ヒマラヤ山脈が造山活動を活発化しはじめた。ヒマラヤ山脈にぶつかった風は上昇して、アフリカ北部に乾燥した空気を運ぶようになった。このためサハラ砂漠が形成されるようになった。また、グレート・リフト・バレー(大地溝帯)がアフリカ東部に形成され、インド洋から吹き込む湿った風を遮断するようになった。これにより、熱帯雨林が急速にサバンナ化を始めた。

サバンナ化により、類人猿の主たる食糧である果実を提供する広葉樹の数が激減した。このため、果実を得るために木から木へ地面に一度下りて移動する必要性に迫られた。
多地域人類進化説詳細は「人類の進化#多地域進化説」を参照

北京原人ジャワ原人の存在を根拠に、アフリカで進化した原人がそのまま他の大陸へ移動。そこで、ヒト(新人)へと各地で進化を遂げたという説。北京原人はモンゴロイドに、ジャワ原人はオーストラロイドに、ネアンデルタール人コーカソイドに進化したと考える。分子時計解析によりネアンデルタール人はホモ・サピエンスとは別系統の種であるとの結果が出るなど、反証が増えつつある。
アクア説(水生類人猿説)詳細は「アクア説」を参照

ヒトの体毛が頭部を除いて極端に少ないこと、体脂肪が多いことなどの水棲ほ乳類との共通点に着目し、ヒトに進化した猿人(または類人猿)は水辺を生息圏に半水棲生活をしていたとする仮説。非人類学者には支持する者もあるが、学術的な検証に耐えない所が多く、積極的に肯定する人類学者はいない。
著名な古人類学者

諏訪元 (1954-)

ロバート・ブルーム (1866?1951)

レイモンド・ダート (1893?1988)

ルイス・リーキー (1903?1972)

ウジェーヌ・デュボワ(1858-1940)

関連項目

霊長類学

分子時計

ミッシングリンク

人類の進化

人類の知能の進化

トバ・カタストロフ理論

イーストサイドストーリー

化石人類

猿人

原人

旧人

新人

Y染色体アダム

ミトコンドリア・イヴ

地質時代/先史時代/紀元前11千年紀以前

脚注^ コパン 2002, p. 96.
^ コパン 2002, pp. 97?98.
^ "Light will be thrown on the origin of man..." Darwin, Charles (1861). ⇒On the Origin of Species (3rd ed.). London: John Murray. p. 488. ⇒http://darwin-online.org.uk/content/frameset?itemID=F373&viewtype=side&pageseq=506 
^ en:Man's Place in Nature
^ en:The Descent of Man, and Selection in Relation to Sex
^ コパン 2002, pp. 125?126.
^ Oakley, Kenneth P. et al. (1950). ⇒“New evidence on the antiquity of Piltdown man”. Nature 165: 372-382. doi:10.1038/165379a0. ⇒http://www.clarku.edu/~piltdown/map_expose/new_eviden_antiq_pilt.html 2015年12月24日閲覧。. 
^ p.61 "...during the 1932 Yale-North India Expedition." Russell H. Tuttle (1975-01-01). Paleoanthropology: Morphology and Paleoecology. Walter de Gruyter. https://books.google.co.jp/books?id=ejsyIZMsC9oC&lpg=PA59&ots=hD2kBBZgwD&dq=Ramapithecus%201932&lr&hl=ja&pg=PA61#v=onepage&q=Ramapithecus%201932&f=false 2015年12月24日閲覧。 
^ a b Andrews, Peter, and J. E. Cronin (1982). “The relationships of Sivapithecus and Ramapithecus and the evolution of the orang-utan” (PDF). Nature 297: 541-546. https://www.researchgate.net/profile/Peter_Andrews2/publication/16152719_The_relationships_of_Sivapithecus_and_Ramapithecus_and_the_evolution_of_the_orang-utan/links/540dc9e50cf2df04e75662cb.pdf 2015年12月18日閲覧。. 
^ Dart, Raymond A. (1925). ⇒“Australopithecus africanus: The man-ape of South Africa” (PDF). Nature 115: 195-199. ⇒http://www.nature.com/nature/ancestor/pdf/115195.pdf 2015年12月19日閲覧。. 
^ Leakey, Louis SB, Phillip V. Tobias, and John Russell Napier (1964). ⇒“A new species of the genus Homo from Olduvai Gorge” (PDF). Nature 202: 7-9. ⇒http://users.clas.ufl.edu/krigbaum/proseminar/leakey_etal_nature_1964.pdf 2015年12月19日閲覧。. 
^ “ ⇒Homo habilis”. Smithsonian Institution. 2015年12月19日閲覧。
^ Sarich, VM; Wilson, AC (1967). ⇒“Immunological time scale for hominid evolution” (PDF). Science 158 (3805): 1200-3. ⇒http://www.rpgroup.caltech.edu/courses/Evolution_GIST_2014/files_2014/articles/Articles%20added%20during%20class/Sarich%201967.pdf 2015年12月17日閲覧。. 
^ Sibley, Charles G., and Jon E. Ahlquist (1984). “The phylogeny of the hominoid primates, as indicated by DNA-DNA hybridization”. Journal of molecular evolution 20 (1): 2-15. doi:10.1007/BF02101980. 


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:54 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef