古事記
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

しかし、偽書説においては太安萬侶の表記の異同が問題ではなく、安萬侶自身が『古事記』編纂に関与したことが何ら証明されていないことが問題とされる[26]

その後、平城京跡から出土した、太安万侶の墓誌銘を含む木簡の解析により、『古事記』成立当時には、既に『古事記』で使用される書き言葉は一般的に使用されていたと判明した。それにより序文中の「然れども、上古の時、言意(ことばこころ)並びに朴(すなほ)にして、文を敷き句を構ふること、字におきてすなはち難し。」は序文の作成者が当時の日本語の使用状況を知らずに想像で書いたのではないかと指摘されている[誰?]。

また、『古事記』が編纂された時期の正史とされている『続日本紀』は、元々は全30巻で編纂されていたものが途中で全20巻に変更された結果、原稿から相当の記述が削除もしくは圧縮された後の姿が現在の『続日本紀』になったと考えられている。この際に『古事記』に関する記述も元の原稿には記載されていたものの、全20巻にする過程で完成記事も含めて削られてしまったことも十分考えられる。これは『日本書紀』に関しても同様で、こちらには完成した事実を示す記述があるもののの、本来ならば記述されるべき舎人親王が『日本書紀』の編纂責任者となった経緯を示す記事や完成時に天皇に出された筈の上表文、完成後に行われた筈の編纂関係者への褒賞に関する記事が載せられておらず、不完全な記述に留まっている[27]。つまり、『続日本紀』編纂における分量圧縮の過程で『古事記』に関する記事が省略された可能性がある以上、史書への記述の有無によって偽書説の根拠にはなりがたいことを示している。
外国語訳

『古事記』の最初の英語完訳は、1882年(明治15年)に初版された英国人のバジル・ホール・チェンバレンによる「KO-JI-KI or “Records of Ancient Matters”」である[28]。日本に関心を持っていたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、この英訳本をアメリカの出版社から渡され、日本行きの決意を固くした[29]
サブカルチャーでの受容

『古事記』はサブカルチャーでも受容され、漫画化・ライトノベル化などもされている。

『古典コミックス古事記』1990年、主婦と生活社、監修・樋口清之国学院大学名誉教授、解説・小松和彦大阪大学助教授、脚本・鈴木亨、作画・登龍太

『マンガ日本の古典(1)古事記』1999年、中公文庫、作画・石ノ森章太郎

『まんがで読む古事記』全3巻、2009年 - 2011年、青林堂、作画・久松文雄

『まんがで読破Remix 古事記/日本書紀』2014年、イースト・プレス

『愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記』2015年、講談社、監修・戸矢学、作画・ふわこういちろう

ラノベ古事記 日本の神様とはじまりの物語』2017年、KADOKAWA、小野寺優

『神訳 古事記』2017年、光文社、荒川祐二

『マンガで読み解く真説・古事記』2021年、講談社、著・関裕二、作画・近藤たかし

本文目次


古伝承とその意義

天武天皇と『古事記』の企画

太安万侶の『古事記』撰録

上巻

天地開闢 天地(あめつち)の創成、天地の初め

特別な天つ神神世七代

伊邪那岐命(いざなきのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)

オノゴロ島

二神の結婚

二神の国生み

二神の神生み

火神迦具土神(かぐつちのかみ)、カグツチ

黄泉の国

禊祓三貴子


天照大神須佐之男命(すさのおのみこと)

アマテラスとスサノオの誓約

スサノオノミコトの神逐

天岩戸

大気都比売神(おおげつひめのかみ)、オオゲツヒメ

八岐大蛇(やまたのおろち)

スサノオの神裔


大国主神(おおくにぬしのかみ)

因幡の白兎

八十神(やそかみ)の迫害

根の国訪問

八千矛神(やちほこのかみ)の妻問い物語

大国主神の神裔

少名毘古那神(すくなびこなのかみ)と御諸山(みもろやま)の神

大年神(おおとしのかみ)の神裔


葦原中国平定

天菩比神(あめのほひのかみ)と天若日子(あめのわかひこ)

阿遅志貴高日子根神(あぢしきたかひこねのかみ)


建御雷神(たけみかづちのかみ)と事代主神(ことしろぬしのかみ)と建御名方神(たけみなかたのかみ)

大国主の国譲り


邇邇芸命(ににぎのみこと)

邇邇芸命の誕生

猿田毘古神(さるたびこのかみ)

天孫降臨

猿田毘古神と天宇受売命(あめのうずめのみこと)

木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)


火遠理命(ほおりのみこと)

海幸彦(うみさちひこ)と山幸彦(やまさちひこ)

海神宮(わたつみのかみのみや)訪問

火照命(ほでりのみこと)の服従

鵜葺草葺不合命(うかやふきあへずのみこと)の誕生


中巻

神倭伊波礼毘古命(かんやまといわれびこのみこと)
神武天皇

神武東征

布都御魂八咫烏

五瀬命

熊野より大和

久米歌

伊須気余理比売(いすけよりひめ)

当芸志美美命(たぎしみみのみこと)の反逆


神沼河耳命(かんぬなかわみみのみこと)綏靖天皇

師木津日子玉手見命(しきつひこたまてみのみこと)安寧天皇

大倭日子鍬友命(おおやまとひこすきとものみこと)懿徳天皇

御真津日子可恵志泥命(みまつひこかえしねのみこと)孝昭天皇

大倭帯日子国押人命(おおやまとたらしひこくにおしひとのみこと)孝安天皇

大倭根子日子賦斗迩命(おおやまとねこひこふとにのみこと)孝霊天皇

大倭根子日子国玖琉命(おおやまとねこひこくにくるのみこと)孝元天皇

若倭根子日子大毘々命(わかやまとねこひこおおびびのみこと)開化天皇

御真木入日子印恵命(みまきいりひこいにえのみこと)崇神天皇

后妃(こうひ)と御子(みこ)

三輪山大物主神(おおものぬしのかみ)

建波邇安王(たけはにやすのみこ)の反逆

初国知らしし天皇


伊久米伊理毘古伊佐知命(いくめいりびこいさちのみこと)垂仁天皇

后妃と御子

沙本毘古(さほびこ)と沙本毘売(さほびめ)

本牟智和気王(ほむちわけのみこ)

円野比売(まとのひめ)

時じくの香(かく)の木の実


大帯日子於斯呂和気天皇(おおたらしひこおしろわけのすめらみこと)景行天皇

后妃と御子

倭建命(やまとたけるのみこと)の熊襲征伐

出雲建(いずもたける)討伐

倭建命の東国征討

美夜受比売(みやずひめ)

思国歌(くにしのびうた)

八尋白智鳥(やひろしろちどり)

倭建命の子孫


若帯日子天皇(わかたらしひこのすめらみこと)成務天皇

帯中日子天皇(たらしなかつひこのすめらみこと)仲哀天皇

后妃と御子

神功皇后の神がかり


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:135 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef