日本の交通機関のうち、空港では、2000年代初頭よりLCDに代替され、数を減らしつつある[3]。鉄道駅でも同様に老朽化や多言語に対応しにくいなどの理由で減少が続いており、ターミナル駅では南海電気鉄道難波駅で2016年まで使われていたが、LCDに置き換えられた[注釈 2]。一方京浜急行電鉄は、LED装置より視認性に優れる(交流電源を由来とするフリッカー現象を起こさず、また表示が不意に動くことが少ない、そして、直射日光が当たっても見やすい)として、京三製作所が製造した発光式による停車駅案内器を併設したものを1999年から2003年ごろにかけて、京急川崎、横浜、金沢文庫、横須賀中央、京急久里浜の5駅に設置しており、交換用にLED表示部を補助的に設けたものを新規に導入していた[8][注釈 3]。その前は、品川、羽田(現天空橋)、京急川崎(本線)、上大岡、金沢文庫、金沢八景(逗子線 新逗子(現逗子・葉山)行のみ)、京急久里浜と三崎口(改札のみ)など、10駅ほどが設置されていた。停車駅は縦に回る反転フラップ式だった。品川(2番線)、羽田(現天空橋、2番線)、金沢八景、京急久里浜(停車駅はあるが、光るだけで動かない)と三崎口以外は停車駅が設置されていた。2000年代に撤去した。
京成電鉄も八広駅のみ導入した(2016年ごろに撤去)
2010年代に入り、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による福島第一原子力発電所事故をきっかけに節電が呼びかけられたことから、消費電力が低い本装置に目を向ける空港関係者が一部存在したが[3]、消費電力を減らし視認性を向上させたLED・LCD式表示器が普及したことに伴って置き換えが進められ、前述の京急でも最後まで残っていた京急川崎駅のものが2022年2月12日未明の終電後に撤去された[9]。
2023年9月時点では、大阪国際空港(伊丹空港)、宮崎空港、函館空港、吉野駅(近鉄)などに残っている。近年撤去された事例としては仙台空港(2018年10月27日撤去[10][11])や能勢電鉄山下駅(2022年1月19・21日撤去[12])の例がある。 台湾鉄路管理局の台北駅では、1989年から約30年間使われてきたメインコンコースの大型反転フラップ式案内表示機(スイス・オメガ製)が摩耗や故障の多発、部品の入手難により2019年4月で運用を停止、同年末をもってLED式に交換されることが発表された[13]。
台湾
主なメーカー
新陽社
星光
京三製作所 - 1978年に参入。イタリアのソラリー社からフラップユニットを輸入し、これをカスタマイズして筐体に組み込んでいた[3]。
富士通フロンテック
ギャラリー
京急横浜駅 2番線ホーム(2008年)
京急川崎駅 4・5番線ホーム(2020年)
南海難波駅北改札口で使用されていた発車案内表示機
東京国際空港で使用されていた到着案内表示機
近鉄難波駅(現・大阪難波駅)で使用されていた発車案内表示機
JR東日本盛岡駅で使用されていた発車案内表示機(1999年)
ガソリンスタンドなどで使用されていた反転式表示機
駅などで見られる日付と曜日を表示する手動型
アムトラック・ニュージャージー・トランジット 30丁目駅(フィラデルフィア)で使用されていた発車案内表示機(2018年)
同左、装置の動作の様子(2019年)
拡大図(フランクフルト中央駅/2005年)
オランダ・ユトレヒト中央駅コンコースの反転式発車案内(2010年)
ユトレヒト中央駅ホーム(右側、2011年)
台北駅コンコース(2010年)
脚注[脚注の使い方]
注記^ 例えば時計の分表示の場合、2桁を1つの表示部で表現する場合は必要となるフラップは60枚となるが、2桁を分割して表現する場合は十位が6枚・一位が10枚の16枚で済む。
^ 関西国際空港開港前に設置されたもの(発車時刻・発車番線・列車種別と行先のみフラップ式。停車駅等は3色LEDで表示)。装置の老朽化のほか多言語対応が難しいこともあり、置き換えられた。
^ 横須賀中央駅1番線、京急久里浜駅は停車駅なし。