力が人の意志により起こされる場合(例えばサッカー選手がボールを蹴るなど)、この意志的に起こしたことはしばしば非対称の原因となる。ここではプレーヤーのボールに対する力は「作用」でボールのプレーヤーに対する力は「反作用」と見なされる。しかし、物理的には状況は対称である。ボールとプレーヤーにかかる力はどちらも近接性により説明され、1対の接触力が生じる(究極的には電気的反発による)。この近接性がプレーヤーの決定により起こされるということは、物理的分析とは無関係である。物理学に関する限り、「作用」と「反作用」のラベリングは反転させることができる[4]。 物理学の教育者がよく観察する問題の1つは、学生がニュートンの第三法則を同じ物体にはたらく「等しく反対」の力の1対に適用する傾向があることである[5][6][7]。これは誤りである。第三法則は2つの異なる物体に対する力を指している。例えば、テーブルの上にある本は下向きの重力(地球による)とテーブルによる上向きの垂直力を受ける。この本が加速していないことから、ニュートンの第一法則、第二法則に従うとこれらの力は厳密に均衡をとっていなければならない。したがって「等しく反対」である。しかし、これらの力は常に等しく強いとは限らない。もし本が3番目の力で押し下げられた、テーブルが傾いた、テーブルと本の系が加速するエレベーターにあるなどの場合にはこれらは異なるであろう。 ⇒3つ以上の力の場合には全ての力の合計を考慮することでカバーされる。 この問題として考えられる原因は、第三法則がしばしば省略された形 For every action there is an equal and opposite reaction(全ての作用に対して等しい反対の反作用がある)で述べられていることである[8]。ざっくりいうと、つまりこれらの力は2つの異なる物体に作用する。さらに、重量と垂直力の間には因果関係がある。物体に重量がなければテーブルからの支持力は生じず、重量が支持力の強さを決定する。この因果関係は第三法則によるものではなく、系内の他の物理的関係によるものである。 よくある間違いの1つは「物体が受ける遠心力は物体にかかる向心力に対する反作用である」というものである[9][10]。 物体が同時に向心力とそれと等しく反対の遠心力の両方の力がかかった場合、合力は消滅し、物体は円運動をすることができない。遠心力は見かけの力もしくは擬似力と呼ばれることもあり、そのような力は計算や測定が非慣性基準系で行なわれた場合にのみ現れるものである[11]。
「等しく反対」
向心力と遠心力
関連項目
地面反作用力
反作用遠心力
アイザック・ニュートン
イブン・バーッジャ
反作用エンジン/ジェットランジン
せん断力
脚注^ Taylor, John R. (2005). Classical Mechanics
^ Shapiro, Ilya L.; de Berredo-Peixoto, Guilherme (2013). Lecture Notes on Newtonian Mechanics: Lessons from Modern Concepts. Springer Science & Business Media. p. 116. ISBN 978-1461478256. https://books.google.com/?id=EOS5BAAAQBAJ&pg=PA116&dq=all+forces+come+in+pairs#v=onepage&q=all%20forces%20come%20in%20pairs&f=false 2016年9月28日閲覧。
^ This translation of the third law and the commentary following it can be found in the "Principia" on page 20 of volume 1 of the 1729 translation.
^ a b Brown, David (1989). “Students' concept of force: the importance of understanding Newton's third law”. Phys. Educ. 24 (6): 353?358. doi:10.1088/0031-9120/24/6/007.