ジェローム・サルターは、イスラエルとパレスチナの紛争の原因はアラブの反セム主義ではなく、「1300年以上のあいだパレスチナの住民の圧倒的多数がアラブ人であったにもかかわらず、ユダヤ教徒の国がパレスチナに建国されるべきだとするシオニズムの主張にある」と2001年に結論した[22][3]。
2002年7月、約60人の神学者がアメリカ合衆国大統領に対してイスラエルの入植は「パレスチナの土地の略奪」と訴えた[22][3]。またイザヤとイェレミヤがヘブライ語聖書の中で「神は全ての国と全ての人々に、他者に対して正義を働くこと、そして迫害された者、異邦人、父を失った者、また寡婦を護る」と宣言したことを書き添えている[22][3]。
一方で、非ユダヤ教徒以外にもシオニズムを肯定するものもいる。キリスト教シオニズムは、イスラエル国家は神がアブラハムと交わした契約によって与えられたとし[23]、イスラエルを支持する[22]。キリスト教シオニストは、イスラエルのリクード党と共に1993年のオスロ合意や2003年の中東和平のロードマップ[24]に反対し、イラク戦争も支持した[22]。他方、イスラエル福音ルーテル教会のムニーブ・ユーナーンは「キリスト教シオニズムは中東和平の敵である」と批判した[22] [3]。 防衛大学立山良司名誉教授の論文によれば、2016年の調査上のイスラエル国内におけるユダヤ人全体では「自らをシオニストと思う」と答えているのは73%であり、24%はシオニストではないと答えている[25]。同論文では、イスラエルの現代正統派は24%、伝統派は14%、世俗派は24%、超正統派は63%が「自分はシオニストではない」と回答したとされる[25]。 中でも最も戒律を厳格に守る超正統派は反シオニズムとされ、日常生活を重んじる世俗派とはイスラエルでも対立している[26]。超正統派はイスラエル建国に関して聖書の「汝、殺すなかれ、盗むなかれ」に違反しているとし、「聖書の教えに反した行いは同胞といえど肯定できない」という認識を持つ。また、「メシア(救世主)が現れないと真のユダヤ国家は実現できない、しかし、まだメシアは現れていない、だから現在のイスラエル国家は偽物であり、認められない。」、「メシアが現れるまで建国は待つべきだ。」としている[27][28][29]。
イスラエルの反シオニスト
関連項目
ボイコット、投資撤収、制裁(BDS運動)[30][31]
反ユダヤ主義
米以関係 - 反シオニストの多くはイスラエルをアメリカ合衆国の傀儡国としている。
イスラームと反ユダヤ主義
クリスチャン・シオニズム
イスラエルによるアパルトヘイト
ヨルダン川西岸地区の分離壁
デイル・ヤシーン事件
マクペラの洞窟虐殺事件
サブラー・シャティーラ事件
人及び人民の権利に関するアフリカ憲章 (前文で植民地主義と共にシオニズムの廃絶を掲げている)
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 2001年ダーバン世界会議では反ユダヤ主義とイスラム排斥への懸念が表明された。2009年4月20-24日のジュネーブ国連再検討会議では、イスラエルを保護する態度を取り、アメリカとEUはイスラエルの人種差別法や、非ユダヤ教徒への態度を吟味しなかった[3]。
出典^ “Definition of ANTI-ZIONISM